女の人のところへ来たドラえもん

21歳の女の人と43歳の男の人が意気投合し、社会の矛盾に科学的に挑戦していく過程です。                    ブログの先頭に戻るには、表題のロゴをクリックして下さい。                                   数式の変形。必ずひと言、添えてよ。それを守ってくれたら、今後も数学に付き合ってあげる。

躍るアトム(その2)

 現在2016年2月10日23時46分である。

 一昨日は、途中で打ち切って、寝たのだった。

 あまり夜更かしするのは、良くないよね。

「そうよ。太郎さんを眠らせるために、ツイートしたのよ。」

 うん。ありがとう。


 さて、一昨日やり残した英文は、次のものだった。

{\mathrm{The\ atoms\ are\ 1\ or\ 2\times10^{-8}cm\ in\ radius.}}

{\mathrm{Now\ 10^{-8}cm\ is\ called\ an\ }angstrom\ \mathrm{(just\ as\ another\ name),}}

{\mathrm{so\ we\ say\ they\ are\ 1\ or\ 2\ angstroms\ ( \overset{o}{A} ) \ in\ radius.}}

{\mathrm{Another\ way\ to\ remember\ their\ size\ is\ this:}}

{\mathrm{if\ an\ apple\ is\ magnified\ to\ the\ size\ of\ the\ earth,}}

{\mathrm{then\ the\ atoms\ in\ the\ apple\ are\ approximately}}

{\mathrm{the\ size\ of\ the\ original\ apple.}}


 1番上の行は、

『原子は、{1\times10^{-8}\mathrm{cm}}から、{2\times10^{-8}\mathrm{cm}}くらいの半径です。』

だった。

 これを、どう捉えたらいいか、ということが、以下に書かれている。


 まず、

{10^{-8}\mathrm{cm}}という長さを、(別名)オングストロームと呼ぶ。』

と書いてある。

オングストロームって何?」

 ああ、10のマイナス8乗センチメートル、つまり0.000 000 01cmの長さのことを、1オングストローム(いちおんぐすとろーむ)って呼ぶんだよ。1ミクロンよりもっと短い長さ。

「1ミクロンは?」

 1ミクロンは、10のマイナス4乗センチメートル。

 でも、こういうものは、覚え方があるんだよ。

 私は、自分で、語呂合わせを作ることは、余りできないんだけど、工夫して覚えている。

 例えば、今の場合、1センチメートルって、何メートルだっけ?

「えっ、100センチメートルで1メートルだから、1センチメートルは、100分の1メートルで、0.01メートルかしら(ドキドキ)」

 合ってる。それを使って、上の一連のものを、覚えやすくできる。

といっても、いきなりはできないだろうから、やってみせる。


 1オングストロームは、10のマイナス8乗だから、0.000 000 01cmつまり、1の左に0が8個ついている。

 ところで、1cmは、0.01mなのだから、1オングストロームをメートルで表すと、

オングストローム=0.000 000 01cm=0.000 000 01×0.01m
         =0.000 000 0001m

 つまり、1オングストロームは、10のマイナス10乗メートルなんだよ。

 ぴったり、10だと覚えやすいでしょう。


 他のものも、メートルを基準にする。

 すっごく短い1ミリメートルは、千分の1メートルだから10のマイナス3乗メートル。

 もっと短い1ミクロンは、さらに3増えて、10のマイナス6乗メートル。

 金額に、カンマを入れるとき、3桁ずつ区切るでしょう。西洋の単位は、3つずつのものが多いと覚えておくと良いよ。

「でも、オングストロームは、10だから、3の倍じゃないわね。」

 良く気付いたね。

 こういう例外を、覚えておくのが重要。


 さて、もう一度、英文を見てみよう。

{\mathrm{The\ atoms\ are\ 1\ or\ 2\times10^{-8}cm\ in\ radius.}}

{\mathrm{Now\ 10^{-8}cm\ is\ called\ an\ }angstrom\ \mathrm{(just\ as\ another\ name),}}

{\mathrm{so\ we\ say\ they\ are\ 1\ or\ 2\ angstroms\ ( \overset{o}{A} ) \ in\ radius.}}

{\mathrm{Another\ way\ to\ remember\ their\ size\ is\ this:}}

{\mathrm{if\ an\ apple\ is\ magnified\ to\ the\ size\ of\ the\ earth,}}

{\mathrm{then\ the\ atoms\ in\ the\ apple\ are\ approximately}}

{\mathrm{the\ size\ of\ the\ original\ apple.}}


 三行目に進んで、

『そこで、原子は1ないし2オングストローム(Å)の半径であるといえる。』

となる。指示語theyに、『原子』を補ったよ。

 この英文が、

S(we)+V(say)+O(they)+C(1 or 2 angstroms)

という第5文型の文で、後半が、

S(they)+V(are)+C(1 or 2 angstroms)

という第2文型の文であることは、いいよね。

「このÅという記号は?」

 これが、オングストロームという記号なの。

「Åm みたいな書き方はしないの?」

 この、Åだけ特別扱いなんだ。原子というものが、ちょうどこれくらいの大きさ、という特別な長さなんだ。

「どうして、Aの上にまるが付いているの?」

 ああ、昔、私が、父と一緒に働いていた頃、新入社員で入ってきた、女の人に、同じ質問されて、調べたことあったんだ。答えは、簡単なんだよ。

{\mathrm{Anders\ Jonas\ \overset{o}{A} ngstr \ddot{o}m}}

という物理学者の名前から付けられているんだ。スウェーデンの人なので、まるが付いたりするんだ。


「人の名前が付いた、単位って多いわね。」

 うん。ものすごく多い。

 ちょっと、思い浮かべただけで、

『君の瞳は、10000V(ボルト)』

のボルトは、電池を発明した物理学者アレッサンドロ・ボルタ。

『ピップエレキバンの2000G(ガウス)』

ガウスは、数学者ヨハン・カール・フリードリッヒ・ガウス

 麻友さんも、被災地、訪問のとき、何度も聞いただろう、放射線の線量当量のSv(シーベルト)は、

物理学者ロルフ・マキシミリアン・シーベルト


「あっ、そのシーベルトっていうの、もっと知りたい。本当に、大丈夫だったのかしら。」

 気持ちは分かるけどねぇ。今焦って知っても、余り意味ないんだ。

 基礎的なところだけ言っておくと、かなり放射線にさらされる危ないところでも、短い時間だけなら、被害は少ないし、逆に、余り線量が多くないところでも、長くいると、被曝量は多くなるんだ。

 だから、ほんの数日だけいたAKB48の人達は、被曝量は軽微なんだ。

「でも、放射能にちょっとでも当たれば、被曝はするんでしょ。」

 その考え方を、これから変えていかなければ、ならないんだよ。

「どういうこと?」

 つまり、放射能っていう悪いものがあるわけじゃ、ないんだ。

「じゃ、何が悪いの?」

 放射能っていうのは、今後出てくる原子とか電子とか光なんだ。

「それは、どこにでもあるものじゃないの?」

 そう。だから、

『これが、悪い放射能。』

なんていうものは、ないんだよ。

「じゃあ、何ミリシーベルトとかいって、測っていたのは?」

 だからねぇ。結局、量が多いかどうかなんだよ。

「じゃあ、1個や2個なら良いというわけ。」

 うわぁ。期せずして結論が出た。

「なに、何?」

 麻友さんが、

『糖類ゼロのわけないってどういうこと?』

って聞いてきたでしょ。

「聞いたけど。」

 これなんだよ。

 糖も、原子みたいなものなんだけど、それが、1個や2個、缶に入っていても、だれも文句も言わないし、糖分取り過ぎにもならない。

 だから、これ以下なら、糖分ゼロとしていい、というラインがある。

 そこで、『糖類ZERO』などと見え透いたウソを書かずに、『糖類0.1g以下』というように正直に書くと、『本当に少ないんだね。』となるんじゃない、という話だったんだよ。

「でも、0.1gって書いても、売れないと思う。」

 そこは、頭を使うんじゃない。いかに少ないように見せるか。


「ちょっと、待って。シーベルトの説明が、途中よ。」

 今、ここで議論するのは、無理だよ。

 放射能半減期というのは、一番簡単な微分方程式を解かないと、論じられないし、まだ麻友さんを、そこまで連れて行ってない。

「えっ、これも、微分方程式なの?」

 麻友さんに取って、

微分を勉強したら、ものすごくたくさんのことが、分かるだろうなあ。』

と、夢の島の景色を見せることは、ものすごく重要だと思ってね。

「夢の国じゃなかったら、太郎さん袖にするわよ。」

 コワー。


 さて、オングストロームが、人の名前だというところから、脱線していたのだった。

「ボルトや、ガウスも、人の名前だって、知らなかったわ。」

 発見が、多いのは、人生を豊かにしてくれるね。


と、ふと時計を見ると、21時19分。

 お医者さんから、

『早寝早起きをして、規則正しい生活をした方が良いですよ。』

と、言われてるんだよね。

 麻友さんへのブログを、遅くまで書いているのは、私の健康上も良くないし、麻友さんも異様に長い投稿を読まなければならなくて、大変。

 そういうわけで、今日は、思い切って、ここでストップさせましょう。

ファインマン物理学』の英文の残りは、次回にしましょう。


「内容としては、面白かったわね。」

 麻友さんの『横浜感ゼロ』っていうの、『太郎さんがいなくて、横浜に来た感じゼロ』と、この『糖類ZERO』の投稿が、楽しみだ、ということと、をかけていたんだね。

「そうよ。」

 私が、こう書かないと、私に伝わったかどうか分からないのだから、麻友さんも辛いよね。

「太郎さん。鈍いんだもの。」

 じゃあ、またね。

『バイバイ』

 現在2016年2月12日22時12分である。おしまい。