女の人のところへ来たドラえもん

21歳の女の人と43歳の男の人が意気投合し、社会の矛盾に科学的に挑戦していく過程です。                    ブログの先頭に戻るには、表題のロゴをクリックして下さい。                                   数式の変形。必ずひと言、添えてよ。それを守ってくれたら、今後も数学に付き合ってあげる。

1から始める数学(その5)

 現在2016年5月15日0時33分である。

「ちょっと、ちょっと。また、遅くなりかけているわよ。」

 はい。数学や物理学をやっているわけではないのに、時間って、どんどん経っていくんだね。

「私みたいに、スケジュールに追われているわけでもないのに、太郎さんが、そんなことを言うの?」

 時間が、いくらでもあるように思えたのは、高校1年生までだったな。

「わーっ、幸せな人!私なんて、中学1年生の時、AKB48のオーディションに受かっているでしょ。それ以来、ずっと追いまくられるような人生よ。」

 麻友さんを、4年間くらい、何にもしなくて良い、自由な状態にしてあげたいなぁ。

「何にもしなくて良い?それは、やりすぎじゃない。」

 いや、本当に、自由になったとき、麻友さんが、どんなことをしたくなるのか、試させてあげたいんだ。

「太郎さんは、何にもしなくて良いという状態になったことあるの?」

 今、まさにそういう状態だよ。

「はーっ、暇なのねぇ。」

 暇に、思えるでしょ。

「暇でしょ。」

 冗談じゃない。何もしなくて良くなると、人間は、

『この私の人生が、何の価値もないものだった、なんてことになってたまるか!』

と思えて、あれもやりたい、これもやりたい、と慌てることになるんだ。

「太郎さんが、慌てているようには、見えないわ。」

 麻友さんは、

『自分の作品』

が、残って行ってるから、忙しいだろうけど、自分の人生に、自信が持てるんだよ。

「作品って、CDのこと?」

 CDみたいな、形のあるものだけじゃない。ひとつひとつの劇場公演なんかも、形はないけど作品なんだよ。

「それで、太郎さんも、作品を作りたいなぁ、というわけ?」

 もちろん、作品は、作りたいと思っている。

「やっぱり、そうなのね。」

 良く考えてみるとね、このブログを書くこと自体が、作品を残すことになっているんだ、ということに、今、気付いたんだ。

「いつもの、時刻の刻印は?」

 『2016.5.15 1:17:11』だよ。

「本当に、今なのね。」

 だって、麻友さんの言葉を書いて、私は、なんて答えようかなあと、考えていて、思い付いたのだもの。

「エーッ、太郎さん、このブログ、いつも、プロットがあって書いてるわけではないの?」

 数学で、何をテーマに話そうかとか、物理学で、こんな面白い話をしようとか、その程度は決めて話し始めるけど、麻友さんとの会話は、ほとんどいつも、心の中の麻友さんの声と、しゃべりながら、そのときの心に浮かんだ言葉を、そのまま、書いている。

「私、すごいこと知っちゃった。」

 えっ、何?

「太郎さん。私達、結婚する必要ないわ。」

 結婚する必要ない?なんで、そんなことになっちゃうの?

「太郎さんの数学や物理学を進めるためには、私は、この世界のどこかにいるということに、なっていれば良いのよ。」

 私の心を、読んだな。

「太郎さんの心を読んだ?」

 前から、ずっと心配してたんだ。

「心配って?」

 麻友さんが、

『太郎さんは、私が他の人と結婚しても、女優として、表舞台に立ち続ければ、その私に、恋心を抱き続けて、仕事を続けられるはずよ。だから、いつまでも、ファンのままで、いてね。』

って言って、一緒になってくれないんじゃないかって。

「でも、それ、本当のことでしょ。」

 本当だけど、私が、一番恐れている展開なんだ。

「『一番恐れている展開』ということは、ずっと前から、頭にあったの?」

 去年の10月頃(2015年10月頃)から、悲しいアイディアとして、胸に秘めてきた。

「10月って言ったら、入院してた頃ね。」

 そう。入院中に、良い場合も考えたけど、悪い場合も考えた。

「頭を冷やしたわけね。」

 そんな、冷たいこと、言わないでよ。

「言っておくわ。私が、なぜ、『王道アイドル』と言われ、『アイドルになるために生まれてきたような子』などと言われるのか。」

 それ以上聞きたくない。

「この際だから、言っておく。全国に何百人も、太郎さんのような、熱狂的ファンが、いるの。そういう人達全員に、好きにならせてあげて、生きがいになってあげて、『自分だけが、まゆゆの将来の結婚相手だ。』と、信じ込ませてあげているの。そして、AKB48を卒業するまで、決してそれが、幻だったとは、疑わないようにしてあげる。そういう、アイドルとしての本来の役目に、最も忠実だからなのよ。私が。分かる?このプロ意識。これが、正統派アイドルよ。」

 私、これから、何を、生きがいにしていったら、良いのだろう。

「良く、頭を冷やして、この言葉の意味を、考えてごらんなさい。」

 マイナスの数の話をするつもりが、麻友さんとの関係に、マイナスに働いちゃった。

「おやすみ。」

 おやすみ。

 現在2016年5月15日2時22分である。おしまい。