女の人のところへ来たドラえもん

21歳の女の人と43歳の男の人が意気投合し、社会の矛盾に科学的に挑戦していく過程です。                    ブログの先頭に戻るには、表題のロゴをクリックして下さい。                                   数式の変形。必ずひと言、添えてよ。それを守ってくれたら、今後も数学に付き合ってあげる。

謎、解けたよ

 現在2016年12月1日2時39分である。

「また、夜更かしして」

 今日は、書かせて。

「それは、私だって、太郎さんの面白い話、読める方が、楽しいわよ」

 そうでしょう。

「でも、太郎さんは、普通の体ではないのだから」

 だけれどもね。今日は、麻友さんに直接関係のある発見があって、書かずにいられないんだよ。

「どんな発見なの?」

 このブログの前回の投稿では、アクセス解析の話や、二人の結婚に立ちはだかる壁の話や、麻友さんを完コピ(?)(完全コピー)して麻友さんを好きな男の人達に配る話や、『急いで結婚、ゆっくり後悔』の話などをした。

「そういえば、書いてきたの10月よ。確か」

 そうだね。もう12月だ。

「あっ、明日じゃない」

 そう。今日は、44歳最後の日なんだ。

「だから、特別張り切ってるのね」

 それだけじゃないんだ。

「何があるの?」

 麻友さんとの間に、大きな橋がかかったんだ。

「虹じゃなくて、橋?」

 それが、今日解けた問題。

「どういうこと?」

 このブログでは、前回、アクセス解析の実情を見せ、19位までにならないと、アクセス解析で、麻友さんからアクセスあったと見分けが付かないんだ。と説明し、麻友さんに、『記事に4回アクセスして』とお願いした。

「そうだったわね。私、ちゃんと、言われた通り、スマホからも記事を見たし、パソコンからも見たのよ」

 そうなんだろうね。

「でも、私には、太郎さんが見ているものが、ちゃんと見えるから分かるんだけど、太郎さんが見ている映像に、私の、アクセスしたというサインが、出てないじゃない。どうして?」

 やっぱり、そうだったんだね。私が、慎重になったのは、あることが、本当かどうか、確かめる必要があったからなんだ。

「あることって?」

 このブログが、アクセスしてくる人を、ひとりひとり見分けてるかどうか、ということ。

「見分けてるとどうなるの?」

 同じ人が、同じ記事に何回アクセスしても、1回と数えることができる。

「で、結果は?」

 恐らく、見分けることができて




 この投稿は、この『見分けることができている』のか、『見分けることができていないのか』、恐らくなどと言ってないで、確かめようと私が実験を始めたために、一旦保存され、今日(2016年12月4日)まで、開封されなかった。

 それでは、改めて、始める。



 現在2016年12月4日1時12分である。

 麻友さん。幸せだよ。

「そうね。12月2日は、太郎さんのお誕生日。12月3日は、AKB48のまゆゆの誕生日だったのですものね」

 2006年12月3日に、AKB48のオーディションに受かってるんだものね。

まゆゆっていう愛称は後から米沢瑠美さんが付けてくれたんだけど、AKB48の一員になったのは、10年前の昨日だったわね」

 私嬉しかったよ。

「何が?」

 昨日の『AKB48SHOW』で、『今年のユニバーサルスタジオ(USJ)のライヴの頃から、(後輩に)注意をしてくれるようになった』って、横山由依さんが言ってたこと。

「あれ、太郎さんへのお礼のメッセージだったのよ」

 やっぱりそうだったんだ。あの、『先輩として叱る必要があるか』っていう投稿(相対性理論のブログの記事)、気合い入れて書いたからね。麻友さんの背中を押すことになったのなら、労をねぎらってもらった気がするよ。麻友さんの人生の先輩として、最高の誕生日プレゼントだ。

「そんなこと言ってるけど、お友達に、すごいことしてもらったんでしょ」

 うん。これが、その記念。

f:id:PASTORALE:20161204014626j:plain

「あらっ、この写真。私、すごくお洒落してるわね」

 私と会うからでしょ。

「そういう、誤解を生むようなことを言うものじゃないわ。見ている人に、説明しなさい」

 そうだね。これは、誕生日に、この本、

MaRu-WaKaRiサイエンティフィック シリーズ II 相対性理論 (MaRu‐WaKaRiサイエンティフィックシリーズ)

MaRu-WaKaRiサイエンティフィック シリーズ II 相対性理論 (MaRu‐WaKaRiサイエンティフィックシリーズ)

  • 作者: ディビッドマクマーホン,David McMahon,富岡竜太
  • 出版社/メーカー: プレアデス出版
  • 発売日: 2016/11/22
  • メディア: 単行本
  • この商品を含むブログを見る

を訳した友人に、ゆりかもめお台場海浜公園駅にある、マダムタッソー東京という蝋人形館に、連れて行ってもらって、渡辺麻友さんの蝋人形と会わせてもらったということの記念なのである。麻友さんの人形が、お洒落をしているのは、クリスマス前だからである。

「全部、お金を持ってもらったと言ってたけど、いくらくらいかかったの?」

 5千円の図書カードを、誕生日祝いにもらったので、私に10,450円プレゼントしてくれたことになった。

「ものすごく、高額じゃない。太郎さん、返せるの?」

 これはね、理由があるんだ。

 上の本は、去年見せた、この本、

場の量子論 (MaRu‐WaKaRiサイエンティフィックシリーズ)

場の量子論 (MaRu‐WaKaRiサイエンティフィックシリーズ)

のシリーズの2冊目なんだ。

「ああ、この2冊目は、見覚えあるわ」

 そうでしょ。上の本は、小さい出版社なので、まだ写真を写してもらってないんだ。私に献本されたものを見せると、

f:id:PASTORALE:20161204021739j:plain

というような、本なんだ。

「この本にも、あとがきに、太郎さんの名前があるの?」

 うん。

「2冊、校閲したのね。次の仕事は?」

 もう入っている。

「やったじゃない。校閲ボーイならぬ校閲おじさんね」

 そうなんだよね。『地味にスゴイ!校閲ガール』って、結構みんな知ってるんだよね。私、この間、トントン工房へ行くまで、知らなかった。

「校閲している身として、あのドラマは、どう?」

 私達は、もっと地味だね。恋愛なんかないし、私は、一人だから、ありがたいことに、名前が刻まれるけど、普通校閲者が名前を書いてもらうことはない。

「それで、『相対性理論』の本の太郎さんから見た評価は、どうなのよ」

 この本は、特殊相対性理論を既に知っている人向きに書かれているんだ。だから、何も知らない人が読むと、不親切だなと感じると思う。

「じゃあ、私には、読めないのね」

 うん。無理。絶対、無理。今はね。

 一緒になった後、手取り足取り教えてあげるから、待っててね。

「この本の良さは?」

 それは、日本語の相対性理論の本では、次の1000ページ以上の『重力理論』という本、

重力理論  Gravitation-古典力学から相対性理論まで、時空の幾何学から宇宙の構造へ

重力理論  Gravitation-古典力学から相対性理論まで、時空の幾何学から宇宙の構造へ

にしか、まだ書かれていなかったと思われる、『カルタン構造方程式』という武器の使い方が、書いてあることなんだ。

「『証明がある』というのと『使い方が書いてある』というのは、違うの?」

 違うよ。

 使い方が書いてある。というのは、麻友さんたちを、どうして正しい答えが出るのか説明できないけど、足し算引き算かけ算割り算を計算できるようにした、小学校の教科書レヴェルということ。

 証明が書いてある。という場合は、足し算引き算かけ算割り算が、矛盾なく計算できることを、証明するか、少なくとも正しいことを納得させられねばならない。これは、大学数学科の人間の教科書レヴェルだ。

 つまり、証明するって方が、大変なんだ。まあ、『使い方を証明する』っていう日本語もあるけど。

「ほんっと、太郎さんって、面倒くさい人ね」

 こだわりますから。

「それで、そのカルタンなんとかが使えると、どうなるの?」

 曲率テンソルという、計算が非常に退屈なものが、かなり見通し良く計算できるようになる。

「それが、使えることの証明は、この本に書いてないの?」

 まだ、書いてない。

「どうやって、証明するの?」

 麻友さんの前では、私は、ウソをつけないから、ここで計算しよう。


 カルタン第一構造方程式


{d\omega^{\hat{a}} =- \Gamma^{\hat{a}}{}_{\hat{b}} \wedge \omega^{\hat{b}}}

という式が、成り立つこと。



 カルタン第二構造方程式


{\Omega^{\hat{a}}{}_{\hat{b}}=d\Gamma^{\hat{a}}{}_{\hat{b}}+\Gamma^{\hat{a}}{}_{\hat{c}} \wedge \Gamma^{\hat{c}}{}_{\hat{b}}}

が、

{\displaystyle \Omega^{\hat{a}}{}_{\hat{b}}=\frac{1}{2}R^{\hat{a}}{}_{\hat{b}\hat{c}\hat{d}} \omega^{\hat{c}}{} \wedge \Omega^{\hat{d}}}

となるということ。

 つまり、

{\displaystyle d\Gamma^{\hat{a}}{}_{\hat{b}}+\Gamma^{\hat{a}}{}_{\hat{c}} \wedge \Gamma^{\hat{c}}{}_{\hat{b}}=\Omega^{\hat{a}}{}_{\hat{b}}=\frac{1}{2}R^{\hat{a}}{}_{\hat{b}\hat{c}\hat{d}} \omega^{\hat{c}}{} \wedge \Omega^{\hat{d}}}

という式が、成り立つこと。



 この二つが、重要で、証明のポイントは、次の通り。


 ねじれ率テンソル

{T(X,Y)=[X,Y] - (\nabla_XY - \nabla_YX)}

を考える。

 接ベクトルバンドルの局所標構場

{e_1,e_2,\cdots,e_n}

と、その双対基底

{\theta^1,\theta^2,\cdots,\theta^n}

に関し、

{T=\varTheta^ie_i}

と基底表示されるとき、これを、次のように微分する。

{\theta^i(T(e_j,e_k))=\theta^i([e_j,e_k])-(\omega_k{}^i(e_j)-\omega_j{}^i(e_k))}

 ただし、この式の正しさは、次のように確かめられる(以下の計算から、上の式が得られると取って良い)。

{\nabla e_k =\omega_k{}^i e_i}

{\nabla_{e_j} e_k = \omega_k{}^i (e_j) e_i}

とおくことにすると、

{T(X,Y)=[X,Y] - (\nabla_XY - \nabla_YX)}

であったから、

{T(e_j,e_k)=[e_j,e_k] - (\nabla_{e_j}e_k - \nabla_{e_k}e_j)}

{=[e_j,e_k] - (\omega_k{}^i (e_j) e_i - \omega_j{}^i (e_k) e_i)}

となり、和を取る添え字を{i}から{l}に変えて、

{=[e_j,e_k] - (\omega_k{}^l (e_j) e_l - \omega_j{}^l (e_k) e_l)}

となるので、これに、{\theta^i}を作用させると、

{\theta^i(T(e_j,e_k))=\theta^i([e_j,e_k]) - (\omega_k{}^l (e_j) \theta^i(e_l) - \omega_j{}^l (e_k) \theta^i(e_l))}

となる。

 双対の定義から、

{\theta^i(e_j)=\delta^i{}_j}

であるから、

{\theta^i(T(e_j,e_k))=\theta^i([e_j,e_k]) - (\omega_k{}^l (e_j) \delta^i{}_l - \omega_j{}^l (e_k) \delta^i{}_l})

を計算して、

{\theta^i(T(e_j,e_k))=\theta^i([e_j,e_k]) - (\omega_k{}^i (e_j) - \omega_j{}^i (e_k))}

と、上の式が確かめられる。


 この時、微分した式の左辺は、

{\theta^i(T(e_j,e_k))=\theta^i(T)(e_j,e_k)=\theta^i(\varTheta^l e_l)(e_j,e_k)}

{=\varTheta^l (\theta^i(e_l))(e_j,e_k)=\varTheta^l \delta^i{}_l (e_j,e_k)}

{=\varTheta^i (e_j,e_k)}

となるので、

{\varTheta^i}

に等しい。

{左辺=\varTheta^i}


 一方、右辺は、

{\theta^i ([e_j,e_k])}

を計算するために、

{(d\theta^i )(e_j,e_k)=\theta^i([e_j,e_k])-(e_j(\theta^i(e_k))-e_k(\theta^i(e_j)))}

という外微分の定義を考える。

 この式の第2項と第3項は、

{-(e_j(\theta^i(e_k))-e_k(\theta^i(e_j)))=-(e_j \delta^i{}_k-e_k \delta^i{}_j)}

であるが、クロネッカーのデルタがゼロでないのは、{k=iのとき、そして、j=i}のときである。

 {k=i}とすると、

{-(e_j \delta^i{}_k-e_k \delta^i{}_j)=-(e_j -e_i \delta^i{}_j)=-(e_j+e_j)=0}

となり、消える。

 よって、

{(d\theta^i )(e_j,e_k)=\theta^i([e_j,e_k])}

である。

 また、問題にしている微分の式の第2項と第3項について、

{-(\omega_k{}^i(e_j)-\omega_j{}^i(e_k))=-(\omega_l{}^i(e_j) \delta^l{}_k-\omega_l{}^i(e_k) \delta^l{}_j)}

{=-(\omega_l{}^i(e_j) \theta^l(e_k)-\omega_l{}^i(e_k) \theta^l(e_j))}

である。ただし、双対基底であるという定義、

{\theta^i(e_j)=\delta^i{}_j}

を使った。

 ここで、外積の定義により、

{-(\omega_l{}^i(e_j) \theta^l(e_k)-\omega_l{}^i(e_k) \theta^l(e_j))}

に関し、

{(\omega_l{}^i \wedge \theta^l)(e_j,e_k)=\omega_l{}^i(e_j) \theta^l(e_k)-\omega_l{}^i(e_k) \theta^l(e_j)}

である。

 ただし、{\omega}も、{\theta}も、1次微分形式である。

 よって、上で問題にした、

{\theta^i(T(e_j,e_k))=\theta^i([e_j,e_k])-(\omega_k{}^i(e_j)-\omega_j{}^i(e_k))}

の式の右辺が、

{右辺=(d\theta^i )(e_j,e_k) -(\omega_l{}^i \wedge \theta^l)(e_j,e_k) }

と、計算される。

 これより、{左辺=右辺}と置いて、

{\varTheta^i(e_j,e_k)=(d\theta^i )(e_j,e_k) -(\omega_l{}^i \wedge \theta^l)(e_j,e_k) }

が、得られる。


 以上より、

{\varTheta^i=d\theta^i-\omega_j{}^i \wedge \theta^j}

と、計算されたものが、カルタン第一構造方程式なのである。


 ただし、一般相対性理論では、ねじれがゼロの空間しか考えないので、

{T=0}

 したがって、

{\varTheta^i=0}

であるから、

{0=\varTheta^i= d\theta^i-\omega_j{}^i \wedge \theta^j}

である。

 このため、

{d\theta^i=\omega_j{}^i \wedge \theta^j}

としたものが、あの本に書いてあるカルタン構造方程式である。121ページの(5.9)式である。

{\mathrm{d} \omega^{\hat{a}} =- \Gamma^{\hat{a}}{}_{\hat{b}} \wedge \omega^{\hat{b}}\ \ \ (5.9)}

 記号が、私とちょっと違う。

 この最後の式の右辺にあるマイナスは、私の外微分の定義、およびねじれ率テンソルの定義が、通常のものと異なるからである。


 実は、外微分の記号の定義には、3種類あって、[小林-野水]形式を『{{}^{old}d}』、『多様体の基礎』形式を『{{}^{now}d}』、私の流儀を『{{}^{new}d}』とすると、

{(-1)^p \times{}^{new}d\omega={}^{now}d\omega=(p+1)\times{}^{old}d\omega\ \ \ \ \ \ \ \ \ \omega \in A^p(M)}

の関係がある。ただし、{\omega}は、多様体{M}上の{p}微分形式である。

 私が、新しい定義を思い付いたのは、{\mathrm{Stokes}}の定理を美しく表現するためだった。

 具体的には、通常の定義では、

{{}^{now}d(f_{i_1i_2 \cdots i_p}dx^{i_1} \wedge dx^{i_2} \wedge \cdots \wedge dx^{i_p})}

{=(df_{i_1i_2 \cdots i_p}) \wedge dx^{i_1} \wedge dx^{i_2} \wedge \cdots \wedge dx^{i_p}}

と、前だけでそのまま計算するのを、

{{}^{new}d(f_{i_1i_2 \cdots i_p}dx^{i_1} \wedge dx^{i_2} \wedge \cdots \wedge dx^{i_p})}

{=dx^{i_1}\wedge dx^{i_2} \wedge \cdots dx^{i_p} \wedge df_{i_1i_2 \cdots i_p}}

というように、後ろに持っていくという発想だった。


 さらに、{old}とした定義は、外積の定義と関わる。

{\displaystyle \overset{now}{\wedge}=\frac{(p+q)!}{p!q!}\overset{old}{\wedge}}

という違いがある。

 これは、

{\varphi \in A^p(M),\eta \in A^q(M),X_i \in TM}

とするとき、

{(\varphi \overset{now}{\wedge} \eta)(X_1,X_2,\cdots ,X_p,X_{p+1},\cdots ,X_{p+q})}

{\displaystyle =\frac{1}{p!q!}\sum_{\sigma \in S_{p+q}} \mathrm{sign}( \sigma ) \varphi(X_{\sigma(1)},X_{\sigma(2)},\cdots,X_{\sigma(p)})\eta(X_{\sigma(p+1)},\cdots,X_{\sigma(p+q)})}

とするか、

{(\varphi \overset{old}{\wedge} \eta)(X_1,X_2,\cdots,X_p,X_{p+1},\cdots,X_{p+q})}

{\displaystyle =\frac{1}{(p+q)!}\sum_{\sigma \in S_{p+q}} \mathrm{sign}( \sigma ) \varphi(X_{\sigma(1)},X_{\sigma(2)},\cdots,X_{\sigma(p)})\eta(X_{\sigma(p+1)},\cdots,X_{\sigma(p+q)})}

とするか、という問題。


「太郎さんの定義にご利益はあるの?」

 多様体の境界の向き付けというものが、自然なものになる。

「本当に、自然なの?」

{(x^1,x^2,\cdots,x^n)}

という座標系が正の向きを持つとき、その境界では、

{(x^1,x^2,\cdots,x^{n-1})}

という座標系が、正の向きとなる。

「なんか、当たり前のような・・・」

 今までの数学では、その当たり前が、成り立ってなかったんだよ。

「だから、太郎さんが、嬉しそうなのね。あっ、向き付けというので、思い出した。これ、太郎さんの論文第2号ね。

{\mathrm{Exterior\ derivative\ compatible\ with\ orientation.}}

『向き付けと矛盾しない外微分

って、私と会う日の2日前、確か2015年4月2日に完成した論文よね」

 そうだよ。今でも、相対性理論のブログのリンク集の『私の論文の生原稿』の中に、『{\mathrm{derivative.pdf}}』として、眠っている。でも、これもまだ、修正が必要なことが、分かっている。外微分の定義は、『{{}^{new}d}』でいいんだけど、それ以外の{x^n \geqq 0}というところを、{x^n \leqq 0}と、修正するんだ。

「なぜ、修正して、発表しないの?」

 私は、もっと徹底的に、数学を、改革したいんだ。ホモロジー代数という分かりにくいものを、分かり難くしている元凶を、壊滅させたいんだ。だから、それが完成するまで、まだ待ってるんだ。

「どうして、最初から太郎さんのように、綺麗にならなかったの?」

 数学ができてくるとき、最初から最も良いやり方を見つけられるとは、限らない。

 歴史との関係上、色々な定義ができてしまった。


「分からないものを本当に計算してるのって、初めて見た」

 あれっ、『宇宙の年齢を求める』のときも、私、先がどうなるか、分からずに計算してたんだよ。

「あっ、そうか。でも、私から見ると、凄い計算力ね」

 腕力のいる計算は、誰かの為と思わないと、なかなかできない。

「私に説明する気で、計算してたの?」

 私の厳密さの基準って、独特なんだ。

 後で見返したとき、ちゃんと、たどれるように、きちんと、ギャップなく書くようにしている。

「でも、それは、太郎さんが、たどれるってだけで、普通の人が誰でもたどれるとは限らないわね」

 ただ、普通の学生の、分かってなくて、めちゃくちゃ書いた答案より、私の計算の方が、よっぽどたどれると思う。

「アハハ、次元の違う話ね。」

 ところで、解けた謎について、書こうと思ったんだけど、もう分量が多くなってしまったね。

「その謎の話は、また別の機会にしたら?」

 そうだね。

 今回は、カルタン構造方程式の証明をしたのだった。

「第二構造方程式については、証明してないって、ちゃんと書いておかなきゃ」

 そうだね。

 今日書いたことの参考文献は、

小林昭七『接続の微分幾何ゲージ理論』(裳華房

松本幸夫『多様体の基礎』(東京大学出版会

松島与三『多様体入門』(裳華房

ディビッド・マクマーホン『相対性理論』(プレアデス出版)

の4冊である。

「[小林-野水]というのは?」

 これは、実際には、読んでないんだ。

[小林-野水]

{\mathrm{S.Kobayashi\ and\ K.Nomizu,\ Foundations\ of\ differential\ geometry,}}

{\mathrm{\ vol.1(1963),\ vol.2(1969),\ John\ Wiley\ \&\ Sons}}

という数学者の間では有名な本なんだ。

「洋書?」

 そう。一応英語だけど。

「英語だけどって言うのは?」

 ドイツ語やフランス語ではないから、私が読める。

「最近、フランス語を勉強しようとしているの?」

 どうしようか、迷ってる。

「なぜ、フランス語を?」

 ブルバキという数学者集団が書いた、『数学原論』という本があって、素晴らしい本なんだ。

「翻訳されてないの?」

 されてる。

「じゃあ、フランス語で読まなくてもいいじゃない」

 実は、翻訳されたのは、最も新しいもので、1984年頃までの版なんだ。

「改訂版が、訳されてないの?」

 この本自体が、日本で絶版なんだ。

「太郎さんが学生の頃はあったの?」

 なかった。

「じゃあ、まったく持ってないの?」

 いや、会社に勤めていた頃、ものすごく無理して、全巻古本屋で買った。

「いくらくらいしたの?」

 2005年2月12日に、12万円で買っている。

「ものすごく、お金持ってたのね」

 あの会社では、父が私の分まで働いてくれてたようなものなんだ。

「だから、嫌だった?」

 それでじゃなくて、私に、細部が見えてない状態だったのが、嫌だったんだ。

「細部が見えてないって?」

 要するに、工学的な事って、専門学校のようなものを出た人向けに、作られているんだ。

「具体的に言うと?」

 例えば、2つのものがあったとき、それらが、滑らかに動けるように、滑るためのベアリングのようなものを付けるとしよう。

 私は、理学部の人間だから、ベアリングを付ければいいんだと思ってる。だから、付いてれば良いんだと思ってる。

 ところが、技術的な考え方の人だと、それじゃ駄目なんだ。

「どうすればいいの?」

 そのベアリングと、それぞれのものの間も、無理な力がかからないように、調整しなければならない、と言う。

「分かった。その、調整するっていうことの中身が見えない、というわけね」

 一つ具体例をあげれば、そういうことになるんだ。

「うーん。太郎さんは、小さい頃から、考えることばっかりやって、大学でも数学ばっかりやってたから、そういう実際的なことが、すごく苦手なのね」

 入社前に何度も父にそう言ったんだけどね。

「どういう形で?」

 病気になった後、父が、自立するにはどうすれば良いか考えて、レポートを書け、というから、毎週書かされてたんだ。

「英語の本を翻訳したいとは、言わなかったの?」

 言ったよ。

「えっ、本当に?」

 具体的に、グライナーの量子物理学シリーズが、1巻しか訳されてないから、2巻から9巻まで訳したいと言った。

「それで、その本は、他の人が訳しちゃったの?」

 いや、今でも訳されてないよ。

「じゃあ、なんで、訳さなかったの?」

 あの頃は、今より眠いことが多かったし、私自身が自分で『おかしくなった状態』と呼んでいた、恐ろしい発作に襲われることが多くて、まともに生活できていなかったんだ。

「その発作は、いつ頃まであったの?」

 麻友さんと出会うことになる、2015年のお正月前後に入院して、徹底的に治療してもらって初めて、なくなったんだ。

「だから、太郎さんは、私のために、今まで待ってたんだと言うのね」


 ものすごい偶然のような出会いだけど、これは、必然なんだと思う。

「どうして、そこまで、思えるの?」

 まだ話してなかったけどね、私が、好きになった女の人を、綺麗だと思ったのは、麻友さんが初めてなの。幼稚園の頃を除いて。

「ちょっと待って、それどういうこと?確か、クロイツェル・ソナタの女の人は、学校で一番カワイイって太郎さん言ってたわよ」

 それもさ、

『学校で一番カワイイと言われていた』

なんだよね。

 私が、

『学校で一番カワイイと思った』

じゃないんだ。

「太郎さんは、どう思ってたの?」

『この女の人、みんながカワイイというけど、もっと綺麗な人いっぱいいるよな』

と思ってた。

「それ、ものすごい侮辱よ」

 うん。分かってる。だから、今まで言わなかった。

諏訪内晶子さんだって、雑誌の表紙を飾るくらい美人よ」

 他の人が、いくら褒めたって駄目なんだよ。私が、美人だと思わなきゃ。

「私は、どう思われてるの?」

 麻友さんとの2015年4月4日の出会いを書いた、『2人の素敵な女の人』の投稿で、私は、

『1人だけ、すっごく可愛い女の子がいるのに気付いた』

と書いている。

 出だしから、全然違うんだよ。

「恐い人ね。全部論証するんだから。でも、心って、論証できるものかしら」

 心の働きまで、全部、物理学が、解き明かすことはできない、ということを証明したのが、ハイゼンベルク不確定性原理と呼ばれるものだ。

「その原理自体は、物理学で証明できるの?」

 限界がある、ということを証明したんだ。

 私の大学時代の友人で、一緒にファインマン物理学のゼミをやっていた人が、そのゼミで、

ハイゼンベルクは、俺に言えないことを言ったから、尊敬している。不確定性原理は、俺には言えない』

と言ったのが、今でも印象に残ってる。彼は、超伝導か何かで一旗揚げると言ってたが、どうなっただろうか。

「太郎さんの友達って、凄い人が、まだまだいるのね」

 そういう大学だったから。

「学歴社会で、大学の学歴が、どこへでも付いて回るという理由を見た気がするわ」

 心をねじ曲げることは、できない。

 だから、綺麗だと思った麻友さんを慕ってるんじゃない。

「太郎さんのは、慕ってるんじゃなくて土足で踏み込んでるのよ」

 それはひどい言いぐさ。

「他のファンの人は、どうするのよ」

 だから、他のファンの人が麻友さんに会いたいとき、会える仕組みを作ろうとしているんじゃない。

「本気なの?」

 私が、麻友さんに結びつくことを保証するものだから、真剣なんだよ。

「本気なら、今晩はもう寝て」

 分かった。ありがとう。

 おやすみ。

「おやすみ」

 現在2016年12月10日8時42分である。おしまい。