現在2019年3月21日16時45分である。
「えっ、なるみさんって誰?」
これは、仮名なんだけど、まさか、この人が、水を差しに来るとは思わなかったので、以前麻友さんに、この人のことを書いた記事は、下書きのままになっていた。
「一体いつの話?」
このドラえもんのブログの2018年12月23日の、『数Ⅲ方式ガロアの理論と現代論理学(その14)』という記事で、最後の方に、以下のやり取りが、あった。
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今日は、遅くなったので、ここまでにしよう。
「バカに、ちょっとじゃない」
本当は、2000字くらい、書いたんだ。
でも、麻友さんが読んで、楽しいものじゃないな、と思ったから、別なところへ移して、削除したんだ。
「読んでみたかった、気もするけど」
前向きな話じゃなかったんだ。いつか、読みたかったら、下書きになってるから、見せてあげるよ。
若菜「お父さん、携帯の待ち受けのお母さんの写真見て、決心したんですよ」
結弦「二人が結婚できたら、この英断も、その理由のひとつだな」
「分かったわ。追求しない」
じゃあ、解散。
「太郎さんが、自分の書いたものを、公表しないなんて、よっぽどね。私の待ち受けに、そんなに、力があるなんてね」
何かをしてしまってから、後悔すると言うことが、麻友さんに対しては、ないんだ。
私達は、結ばれるよ。きっと、最初は、事実婚だ。もちろん、内縁の妻ではなく、ちゃんと式は挙げるけどね。
子供を作る余裕ができたら、法律婚をしよう。
これが、少女マンガレヴェルの私の結婚観だ。
「良いアイディアに、たどり着いたじゃない。グライダー部にいた親友のお陰ね。私も、籍を入れることより、式を挙げる方が、立場上、意味を持つわね。いずれにせよ、もっと『結婚をシミュレート』を、やってよ」
これ以上は、麻友さんと話さないと無理だよ。リアルに、会って欲しいな。
「近いうちに、会ってあげる。アメリだって、ニノに会えるんですものね」
楽しみにしているよ。
「おやすみ」
おやすみ。
現在2018年12月23日22時21分である。おしまい。
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「これ、去年のクリスマスイブの頃ね」
「私の待ち受けを見ながら、どう思って、削除したの?」
これから、下書きから復元する記事に現れる、なるみさん、という女の人が、見かけ上、私と何度もデートしたりして、私の寵愛を一身に集めていたように見えるかも知れないけど、私は、その人のことを、まったく好きではなかった。という内容なんだけど、これを書き終わってから、幸せな麻友さんと私にとっては、この記事なんてどうでもいいけど、なるみさんにとっては傷つけられるだけの、不愉快なものになるかもな? と思って、あのときは、公開を見送ったんだ。
「それなのに、復元するのは?」
今日、なるみさんから、電話があったんだ。
「えっ、なんて?」
『ちょっと、お茶しない?』
みたいに。
「それで、なんて、答えたの?」
『これからは、そういうことは、しにくい』
と言った。
「向こうは、なんて?」
『どうして、だめなの?』
『私、ガールフレンドが、できたんだ。だから、その人の気持ちを考えると、なるみさんとは、そういうこと、しにくい』
「太郎さんって、ものすごく平凡な、受け答えをするのね。三流の恋愛ドラマでも見ているか、と言うような、セリフよ」
いじめないでよ。なるみさんにまで、麻友さんに提案しているような、付き合い方を、説明する気は、今のところ、ないんだ。
「それで、向こうは、なんて言ったの?」
『ああ、ガールフレンドできたの。良かったわね。じゃあ、ばいばい』
それで、電話を切ったんだ。
「別に、問題ないじゃない」
ところが、それで、済まなかったんだよ。
10分くらい経ってから、また電話してきて、
『ちょっと、電話で、話さない?』
ということになって、たまたまその時は、私が、父母と弟と、スマホを持つかどうか、という議論をしてたので、後で、かけてくれと言った。
そうしたら、
『たろちゃん、携帯でしょ。電話代かかるのよ。そっちから、かけてもらえない?』
と、言われた。
確かに、鎌倉のとらいむで、なるみさんと会った頃は、私もひだりうちわだったから、いずみ野の家から、かけ直してあげるなんてことも、何度もあった。
だが、今の状況は、麻友さんも、ご存じの通りだ。
「その人に、メール送るわけには、いかないの?」
パソコンも、タブレットも、携帯も、持ってないんだ。
「でも、太郎さんと同じくらいの歳の人なんでしょ?」
そうだけど、貧しいというのは、こういうところに、現れてくる。
「それで、太郎さんとしては、どうしたいの?」
なるみさんは、とらいむとか、ねくすとの、調理手伝いなどの、仕事をしてる。
だから、なるみさん自身が、インターネットをできなくとも、インターネット上に、なるみさんのことを、私が書けば、必ず、噂は伝わる。
そういう形で、なるみさんに、元のご主人様のところへ戻り、私に、未練を持たないようにしてもらおうというわけ。
そのために、今回の電話よりも前から、私は、なるみさんのことを、嫌いじゃないけど好きでもない人と見ていたということを、記事を復活させることで、証明しようと思う。
「女の人は、論理じゃないのよ。いくら、太郎さんが、理路整然と、説明しても、それは、証明にならない。ただ、その人と、対決するようなことになったときのため、その復活させた記事、読んでみるわ」
これは、『現代論理学』の一環で書いた記事だから、若菜と結弦も、登場する。
まず最初は、麻友さんが、私に、男の人として、欠陥があるのではないかと、疑ったという話から始まる。
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「47歳まで、まったくの童貞でしょ。何か、まずいところがあるんじゃないかと、私も、調べてもらったの」
それで、どうなった?
「鎌倉の就労移行支援の施設『ねくすと』というものが、あったわね」
2008年4月から、2年間、訓練を受けた。でも、『ねくすと』は、今は、大船に移っている。
「そうみたいね。でも、鎌倉では、『とらいむ』というオープンスペースがあって、『ねくすと』にいたときから、そこで過ごしてたみたいね」
そう。『とらいむ』には、随分お世話になった。
「その『とらいむ』にいたとき、女の子に、ストーカーしたという話は、前に聞いた」
若菜「そんなことも、あったんですか?」
ああ、『ストーカーの心理』という相対性理論のブログの記事のことね。
「でも、あのことで、目隠しされてたけど、太郎さんかなり懇意になった、女の人がいたそうじゃない」
それね、聞くだけ野暮だよ。
麻友さんが、そんなこと、気にしてるとしたら、私という人間が、分かってない。
結弦「どういうこと?」
「クロイツェルソナタの女の人とは2回、分子生物学の女の人とは1回しか、デートしてないのに、その人とは、何度もデートしてるって?」
確かに、最初は、新横浜で開かれるコンサートに、行こうとしたら、母が、
『そんな暗くなるところへ、女の人と2人で行っちゃ駄目だ』
と、言いだし、私が、
『だって、その人、結婚してるんだよ』
と言ったら、
『だったら、なおさら駄目です』
と言われ、さらに私が、
『ご主人とは、別居中なんだって』
と言ったら、
『じゃあ、絶対、駄目です』
と言われ、結局、施設長さんに、仲裁に入ってもらった。
「太郎さんのお母様、恐ろしいのね」
そのコンサートは、流れたけど、一緒に、カラオケに行った。
若菜「見ようによっては、デートとも取れますね」
「デートは、1回じゃないそうね」
図書館で、反戦のために、映画『ガラスのうさぎ』を、上映したのを、無料だから、2人で観に行った。
それから、同じように、障害を持つ子供を描いた、映画を、無料なので、2人で観に行った。
それから、その女の人が、付き合っている別な男の人の宗教のことで悩んでいて、困ってたから、バスで、鎌倉湖というところまで行って、話を聞いてあげた。
それから、『源氏物語』の解説の講演を、ただだから観に行ったけど、有料コースに誘うためのもので、がっかりした。
結弦「交際だね」
いやいや。
「ただねぇ。太郎さんが、英語で手紙のやり取りをしてた、という情報も、あるのよ」
あっ、それは、本当。
手紙じゃないけど、絵葉書を、やり取りしてた。
「何通くらい?」
えっとね、これ、何通なのかな?
「えっ、そこに、あるの?」
英語で、書くからさ、まず、日本語で、作文した後、英作文するわけでしょ。
送っちゃったけど、下書きがある。
16往復してるな。
結弦「16往復!?」
「それは、絶対、結婚する相手との、ラヴレターよ!」
麻友さん、何を、勘違いしているのかなあ。
今まで、麻友さんとの会話で、この女の人のことが、出てきたことある?
「ないわよ。隠してたんじゃない?」
逆だよ。私が、その女の人のこと、まったく好きになってない、からだよ。
だから、立てば芍薬の女の人とか、マレーシアへ行ってしまった女の人とかみたいに、呼び方が、決まっていないんじゃない。
「その女の人は、顔が悪かったの?」
麻友さん、そんな、敵を増やすような質問を、2度とするなよ。
「でも、英語の葉書なんて、情熱傾けて、なぜ好きにならなかったの?」
一番の理由は、その女の人が、結婚してたからだね。
若菜「でも、別居中だって」
そうなんだけれどもね。その女の人は、そのご主人に、かなりの借りがあったし、義理の息子さんとの関係も、もっと温かく接しなければならないはずだ、と、私は見ていた。
「その女の人から、最近、連絡あった?」
2017年の2月9日に、久し振りに、とらいむへ行った直後、その女の人から、電話あった。
「なんだって?」
さっきも、宗教のことで悩んでいる、つきあってる男の人がいるって言ったでしょ。
その男の人が、年下の彼女作っちゃって、久し振りに、太郎さんを、思い出したわ。
というようなことを、いってきた。
「太郎さん、なんて、応えたの?」
『私も、23歳年下の、彼女できたんだ』
と、話したら、それ以上は、聞いてこなかった。
「結局、太郎さんがもてないのは、そばに好きになってくれる人がいても、気付かないからなのね」
いいんだよ。それで。
私が、好きになれない女の人じゃ、夢中になれないんだから。
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あのとき、削除した2000字というのは、これだよ。
「太郎さん。私と結婚しても、美味しい食事も作ってあげられないし、家の片づけもできないし、薬の面倒も看てあげられない。太郎さん、女の人と結婚するというのがどういうことか、まだ分かってないのよ」
それを、言うなら、お互い様だよ。
私が女の人を知らないのと同じくらい、麻友さんも男の人を知らない。
ただ、二人の間には、不思議な橋がかかってるんだよ。
「橋?」
私、最近では、麻友さんの写真は、『sweet』にしか載らないから、毎月駅ビルのくまざわ書店で、立ち読みしてるんだけど、いつも必ず、元気そうに見えるということはない。
今月は、ちょっと、落ち込んでるな、とか、今月は、良い表情してる、とか、結構楽しみなんだ。
あの人が、そばにいて、いつも顔を見られたら、もっと元気もらえるな、と思う。
「それは、太郎さんが、中年のおじさんに、なったってことよ」
でも、麻友さん♡このハート、読んだでしょ。そう、麻友さん本人が、このブログを、毎回楽しみにして読んでいるのは、紛れもない事実。
だから、言える。
麻友さんと私は、特別だと。
作家の曽野綾子が、こんなことを書いていた。
新婚ほやほやの恋愛結婚のご主人の方が、事故で死んでしまったとき、その奥さんが、
『私達は、特別だったんです』
と、漏らしたと。
それを聞いて、曽野綾子は、
『私には、『私達は、特別だったんです』とは、流石に言えない。でも、『私達も、特別だったんです』とは、言える』
と、思ったそうな。
麻友さんと私も、特別なんです。
これで、何か、今までのわだかまりが、消えないかな?
「会話は、キャッチボールね。何か、返球するわ」
じゃあ、今日は、ここまでとしよう。
「バイバイ」
バイバイ。
現在2019年3月21日18時51分である。おしまい。