女の人のところへ来たドラえもん

21歳の女の人と43歳の男の人が意気投合し、社会の矛盾に科学的に挑戦していく過程です。                    ブログの先頭に戻るには、表題のロゴをクリックして下さい。

数Ⅲ方式ガロアの理論と現代論理学(その18)

 現在2019年6月15日11時42分である。

「『現代論理学』は、1月7日以来ね」

 『結婚をシミュレート』を、20回やったのが、遅れた最大の原因。

「あれは、大変だったわね。あんな風に、まゆゆと結婚する過程を描いてくる、なんていう恐ろしいことをするファンは、太郎さんだけよ。『まゆゆ、俺と結婚しろ』くらいを言ってくるファンはいるけど」

 ああ、あの人ね。

若菜「あの人ね、って、分かるんですか? お父さん?」

 私は、せいぜい1日に1回、ツイートするのが、やっとだけど、その人は、1日に何十回も、『俺の子供を産め』って、ツイートしてくるんだ。

「あれ、ロボットなんじゃないかと、思ってるのよ」

 ああ、プログラムで、書いてるのか。

 私は、本当に、人間だからね。

「分かってるわよ。こんな、今までになかったものを生み出せるのは、太郎さんが人間だからよ」

 あっ、その発言は、危険だな。新しいものを生み出せない人は、人間じゃないことになる。

「ブー、それは、論理的に正しい推論ではないわ。私は、今までになかったものを生み出せない人は、人間ではない、とまでは、言ってない」

 あっ、少し、この本予習したな?

結弦「そういう、論理的に正しいということを、きちんと定めるんだね」

 よし、始めよう。



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 例1

記号 {p_1,p_2,p_3} がそれぞれ「彼は小説を好む」,「彼は詩を好む」,「彼は文学を解する」という言明を表わすものとする.このとき,記号の列

{( ( p_1 \wedge ( \neg p_2 )) \Rightarrow ( \neg p_3 ))}

は,「もし彼が小説を好み,詩を好まないとすれば,彼は文学を解さない」という言明を表わす.


 以上のように要素命題と結合子の記号が定まれば,次いで,論理式(formula)の概念───通常の文章の概念に対応するもの───が以下のように定義される.

 1) 要素命題記号 {p_1,p_2,p_3,\cdots } は論理式である.

 2) {A} が論理式であるなら,{(\neg A)} は論理式である.

 3) {A,B} が論理式であるなら,{(A \wedge B),(A \vee B),(A \Rightarrow B),(A \equiv B)} は、それぞれ論理式である.

 4) 以上の1),2),3)により論理式と判明するもののみが論理式である.

 この定義は,要素命題記号を結合子で様々に結びつけたものという命題一般の直観的な概念を,形式的に厳密に定義したものと言える.こうしたタイプの定義は帰納的定義(inductive definition)と呼ばれ,今後もしばしば用いられる.上の定義によれば,たとえば

{p_2 ,~~ (\neg p_1 \vee p_3),~~( (\neg (p_4 \Rightarrow p_2)) \wedge p_5)}

等は論理式である.しかし,条項4)によれば記号の列

{p_1 \neg ,~~\vee p_3, ~~\Rightarrow (p_2 \vee \neg p_3)}

等はいずれも論理式ではない.


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 取り敢えず、ここまでに、しよう。

結弦「『もし彼が小説を好み,詩を好まないとすれば,彼は文学を解さない』ということが、証明されたってこと?」

 いや、そうじゃない。

 ただ、こう記号を並べると、そういう意味になるよ、というだけ。

「正しいっていうのと、記号で書けるっていうのは、違うの?」

 違う。

 正しいというのは、ある意味、証明されたものだけが持つ、性質だ。

 ただ、私達は、まだ、『証明された』というのが、どういうことか、分かってない。

若菜「証明とはこういうことだ! という定義が、この後あるのですね?」

 その通りだ。

 それが、分かった瞬間は、胸が空く思いがする。

「ほんの一瞬? そのために、数学やってるの?」

 分かってないなあ、数学では、

『これは、あのときのアイディアだ』

と、思い返すことが、これから先、何度もある。

「つまり、積み上げ式ということ?」

 そんなことは、ない。

 例えば、整数論ほとんど知らなくても、数学出来るように。

若菜「そういえば、『1から始める数学(その13)』で、大学に入ったばかりの頃、X指定の親友と、『数論』のゼミやってたと、仰ってましたけど、数論と整数論は、違うのですか?」

 おっと、そこまで、手が回ってるか。

 実は、『数論』のゼミは、吉冨賢太郎(よしとみ けんたろう)さんという、私が1回生のとき、数学科の博士課程1年目にいた先輩に、面倒を見てもらっていたんだ。

 この本の著者のひとりで、次の動画を、作っている。

理工系新課程 微分積分―基礎から応用まで

理工系新課程 微分積分―基礎から応用まで

吉冨賢太郎さんの動画
線形代数 ポイント解説 固有ベクトル (1)

若菜「わーっ、教育熱心なのね」

 そう。大学院生だって、皆が皆、新入生の面倒なんか、見てくれない。吉冨さんは、特に熱心だったんだ。

 ただ、私は、その恩に報いるどころか、

『吉冨さんは、数論を専攻したから、そんなに数論に詳しいんですね』

などと、失礼なことを、言ってた。

 この言葉の裏には、実は、吉冨さんが、敢えて、河田敬義(かわだ ゆきよし)の『数論』を、テキストに選んだことに対する、不満があった。

結弦「どうして、その本じゃ駄目なの?」

 整数論を、やるなら、高木貞治の『初等整数論講義』の方が、遙かに易しいのだ。だが、河田敬義を、選ぶなんて。

OD>数論古典数論から類体論へ (岩波オンデマンドブックス)

OD>数論古典数論から類体論へ (岩波オンデマンドブックス)

「何か、思惑があったのでは?」

 うん。

 難しい本で、苦労するというのも、若い人には、大切な経験なのだ。

 私が、吉冨さんに対してできたことは、リーマン・ゼータ関数の1での値({\displaystyle \zeta(1)=1+\frac{1}{2}+\frac{1}{3}+\frac{1}{4}+ \cdots } 当然発散するのだが)を、分母を素数の累乗の和で因数分解し({\displaystyle 1+\frac{1}{2}+\frac{1}{3}+\frac{1}{4}+ \cdots =\biggl(1+\frac{1}{2}+\frac{1}{2^2}+\frac{1}{2^3}+\cdots \biggr)}

{\displaystyle \times \biggl(1+\frac{1}{3}+\frac{1}{3^2}+\frac{1}{3^3}+\cdots \biggr)\biggl(1+\frac{1}{5}+\frac{1}{5^2}+\frac{1}{5^3}+\cdots \biggr) \biggl( \cdots} ということ)、もし素数が有限個しか無かったら、和が求まってしまう。でも、積分使っても良いけどとにかく発散するのだから、素数は有限個でない、つまり、無限個ある。という大学の図書館の本で見た証明を紹介したら、

『これは、知らなかった』

と、言ってたこと。

 もう一つは、麻友さん達を連れて行くと言ってる、『5次方程式が代数的に解けない』というルフィニの証明を、やって見せた。

『こんな初等的な証明があるとは、知らなかった』

と、言ってた。

「じゃあ、一応、『数論』のゼミ、やってるんじゃない」

 まー、そうなんだけど、河田敬義の『数論』って、肝心の『平方剰余の相互法則』の肩の指数に誤植があったりして、読みにくかったんだ。

 テキストを、信じてないから、頭にも入らない。

若菜「お父さんが、私達に、色々、数学や物理学の舞台裏を話してくれるのは、『難しいから、嫌い』と、サヨナラしちゃうのを、つなぎとめるためなんですね」

「いや、太郎さんは、単純に、数学が好きなだけよ」

若菜「バッサリ」


 ちょっと、さっきの例、吟味してみないか?

結弦「条件を、持ってこよう」

*******************************

 1) 要素命題記号 {p_1,p_2,p_3,\cdots } は論理式である.

 2) {A} が論理式であるなら,{(\neg A)} は論理式である.

 3) {A,B} が論理式であるなら,{(A \wedge B),(A \vee B),(A \Rightarrow B),(A \equiv B)} は、それぞれ論理式である.

 4) 以上の1),2),3)により論理式と判明するもののみが論理式である.



{p_2 ,~~ (\neg p_1 \vee p_3),~~( (\neg (p_4 \Rightarrow p_2)) \wedge p_5)}

等は論理式である.しかし,条項4)によれば記号の列

{p_1 \neg ,~~\vee p_3, ~~\Rightarrow (p_2 \vee \neg p_3)}

等はいずれも論理式ではない.


*******************************


結弦「{p_2} は、第一番の条件の通り論理式だな」

若菜「2)より、{\neg p_1} は、論理式。1)より、{p_3} は、論理式。だから、3)より、{( \neg p_1 ) \vee p_3 } は論理式ですね」

「私に、一番大変なのを、回すの? {(p_4 \Rightarrow p_2 )} は、論理式ね。だから、{ \neg (p_4 \Rightarrow p_2 )} も論理式。だから、{\wedge} で結んで、 { ( (\neg (p_4 \Rightarrow p_2 )) \wedge p_5)} が、論理式だと分かる」

「確かに、やってみると、分かるわね」

 反対に、論理式でないという証明は?

「今度は、私が、最初にやる。{p_1 \neg } は、そもそも論理式の定義で、『{\neg}』が現れるのは、2)だけなのよね。それで、{\neg} は、後ろに論理式がなければならない。だから、{\neg} の後ろに、論理式がない、{p_1 \neg } は、1)2)3)によって、論理式と判明するものではない。よって、論理式ではない」

 お見事。

若菜「残りの2つも、同じように、あるべきところに、論理式がないから、論理式になれないのですね」

 こういう風に、いくつかの条件を提示して、これを満たすものだけを、なになにと言う。という定義は、ロジックで、頻発する。『帰納的定義』という言葉と共に、頭に入れておいて欲しい。丸暗記はしなくていいけど。

 『帰納的』という言葉の意味は、ちょっと、辞書を引くか、ネットで、検索してごらん。『機能的』じゃないぞ。

 この節の最後10行は、簡単だから、やってしまおう。

「えっ、まだ?」

 すぐだよ。

「いーけど」



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 なお括弧「(」,「)」の用法であるが,括弧は本来は上の定義の2),3)に従って用いられるが,今後は適宜省略する.たとえば,論理式を囲む一番外側の括弧は多くの場合省略される.また,結合子の結合力を { \neg , \wedge , \vee , \Rightarrow , \equiv} の順に弱まるものと定めれば,それにより括弧を大幅に省くことができる.

 例2

論理式 {( (p_1 \Rightarrow p_3 ) \equiv ( (p_2 \wedge p_4 ) \vee (\neg ( p_3 \wedge (p_1 \Rightarrow p_2)))))} の括弧を次のように順次省くことができる.しかし,最後に残った括弧は省くことができない.

{ (p_1 \Rightarrow p_3 ) \equiv ( (p_2 \wedge p_4 ) \vee (\neg ( p_3 \wedge (p_1 \Rightarrow p_2))))}

{ p_1 \Rightarrow p_3  \equiv  (p_2 \wedge p_4 ) \vee (\neg ( p_3 \wedge (p_1 \Rightarrow p_2)))}

{p_1 \Rightarrow p_3  \equiv  p_2 \wedge p_4  \vee \neg ( p_3 \wedge (p_1 \Rightarrow p_2))}


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「こんなの、太郎さん、よく括弧ひとつひとつ、数えるわね」

 これ、記号論理学の本読むときの、楽しみなんだ。

若菜「えっ、閉じる括弧つけ忘れてないかって、チェックするのがですか?」

結弦「本当に、お父さんが、『数学』っていうゲーム作った人だっての、分かるよ」

「えっ、何それ、『数学』っていうゲームって、何の話?」

若菜「お父さんが、お母さんと結婚した後、電子書籍で発表する、『女の人のところへ来たドラえもん』という、『数学』の世界のガイドブックですよ。もう、まえがきは、お父さん書き始めてたみたいですね。そうですよね、お父さん」

 ガイドブックでなく、まともに、数学と戦う話だけどな。

「つまり、数学の攻略本? 当然、大学レヴェルよね。売れるの?」

結弦「売れるかどうかは、0円でもいいと、お父さんは、思ってるみたいだけど」

「訳分からない。1円にもならないなんて。あっ、でも、このブログも、ただで書いているんだった。高い本読んで、やっと知ったことを、惜しげもなく公開して。エンターテインメントって、儲かるから成立するものなのじゃないの?」

 麻友さん、AKB48選抜総選挙が、始まる前の、ただ、楽しいから、アイドルやってた頃を、思い出してごらんよ。

「でも、お金って」

 良く考えてごらんよ。地球上にいる人間の人口は、どう考えたって、100億人以下だ。つまり、有限だ。

 ひとりずつ、説得していって、

『お金というものが、有る限り、絶対不平等は起こるんです。全員が、同じ額持ってたら、お金の意味ないんですから。だから、不平等をなくすために、もう生きていくために、あるいは、誰かを生かすために、お金を稼ぐという概念を、なくしませんか? これからは、もっとのんびり生きていて、いいんです。この考えに賛同してもらえませんか?』

という考えが通用する、世の中にしようよ。

「でも、私、毎年、4,900万円も、稼いでたのよ」

 それが、辛かったのは、分かる。

 でも、お金を手放して、不幸になるならともかく、幸せになるんだよ。

「太郎さん。新興宗教と、間違われるわよ」

 私と麻友さんの関係が、このブログとツイッターだけの、微かなもので、私が、お金を集める目的で、こんなことを、やっていたのでは、ないことは、この3つのブログが、証明してくれる。

若菜「やっぱり、話す相手にも、論理が通じるように、訓練しておいてもらわないと、だめなんじゃ、ないでしょうか?」

結弦「お母さんひとり、説得できないのでは、誰も、信じないよ」

 あはは、昔、ちょっと話したことある、田中澄江という作家。敬虔なクリスチャンだったんだけど、ご主人は、キリスト教徒じゃなかった。

 一方、仲の良かった、曽野綾子という作家は、クリスチャンだったが、三浦朱門(みうら しゅもん)という作家と結婚して、結婚した後、ご主人もクリスチャンになった。

 それで、みんなから、

曽野綾子の言うことは、信じられるが、ご主人も入信させられない田中澄江の書くものは、信じられない。まず、ご主人を、クリスチャンにしろよ』

と言われた、という冗談話がある。

 麻友さんに、認めてもらって、なんぼ、だな。


 あっ、今、『土曜スタジオパーク』観たよ。

 あの、パラパラめくるのは、随分練習したみたいだね。

「そこから?」

というか、麻友さんのことは、ほとんど、知ってるんだよ。

 穴子さんも、小食なことも、焼き肉も、どんな生活送ってるか分からない、というのも。

 除菌ジェル持ってるってのも、虫が恐いというのも、全部知ってる。

「詰まらなかった?」

若菜「お母さん。家が散らかってて、椅子をテレヴィのそばへ、持って行かれないお父さん、1時間ずっと立ったままで、観てましたよ。幸せそうでした」

結弦「僕が、大人になっても、お父さんほど、ひとりの女の人に、溺れたりしないだろうな」

「まあ、なんてこと、言うの」

「今晩のは、また、録画ね」

 最後の方で、

『ミュージカル、やっぱり、楽しかった。またやりたい』

と言ってたの、ほっこりして良かった。

 また、どころか、何度でもやれ。

「うん(涙)」

 泣くなよ。それくらいで。

「だって、太郎さんが、ミュージカルやって良いって」

 その代わり、数学も、続けるぞ。

若菜「お母さんとお父さん、一緒になったら、どういう生活、送るんでしょうね」

結弦「離婚と再婚、繰り返すとか?」

若菜「取り敢えず、この良い場面で、ブログ、投稿しちゃいましょ」

結弦「『今日』と『今』を、変換するんだ」

若菜「ああ、こうね」

結弦「これで、今日は、おしまい」

 現在2019年6月15日20時38分である。おしまい。