女の人のところへ来たドラえもん

21歳の女の人と43歳の男の人が意気投合し、社会の矛盾に科学的に挑戦していく過程です。                    ブログの先頭に戻るには、表題のロゴをクリックして下さい。                                   数式の変形。必ずひと言、添えてよ。それを守ってくれたら、今後も数学に付き合ってあげる。

数Ⅲ方式ガロアの理論と現代論理学(その19)

 現在2019年6月23日16時32分である。

 なんか、前回は、泣きだした麻友さん、慰めてたら、若菜と結弦に、勝手に投稿されちゃったな。

若菜「お父さんが、珍しく、もててたので」

 言っとくけど、『今日』を、変換すると、『2019年6月23日』になるのは、私が、『ATOK』を使ってるからだ。『Microsoft IME』を使っている人には、通じなかったぞ。

結弦「ATOKって?」

 最初は、NECのPC-9801の上にMS-DOS(えむえすどす)(マイクロソフト、ディスクオペレーティングシステム)を、載せて、そこで動くソフトである、『一太郎(いちたろう)』というワードプロセッサのソフトを、ジャストシステムという会社が、開発したんだ。

「あっ、それを、開発する話、小学校の道徳の時間に、『プロジェクトX』で、見せてもらった」

 知ってたか。

「手品をやっているのを、テレヴィで見ている時に、『どうせ種が仕込んであるんだろ』って、思うのよね。その瞬間、人が、文字を打ち終わって変換キーを押すよりも前に、キーを打ち始めると同時に、候補を検索し始めれば、速い! って、閃くのよね」

 そう。ただ、当時のフロッピーディスクは、5インチだったから、結構うるさかったんだよね。キー打ってる間中、ガチャガチャってね。

若菜「そういう、苦労の歴史も、少しは知っておかないと、ありがたみも、分かりませんね」

結弦「その、一太郎と、ATOKの、関係は?」

 ワープロソフトの名前が、『一太郎』で、それに積まれている、漢字変換ソフトの名前が、『ATOK(えいとっく)』だったんだ。

若菜「『ATOK』と、『Microsoft IME』だと、後者は、ウィンドウズパソコンを買ってくれば、ただで付いてきますけど、わざわざ『ATOK』を買う人は、何を求めているのですか?」

 これはね、わざわざ、お金を取る『ATOK』は、それなりに、素晴らしいんだ。

 まず、

私は麻友さんと若菜と結弦を愛しています。

と、打ちたい場合、今は、一発で、行っちゃったけど、例えば、

  まゆさんとわか なとゆ づるを

と、間違って、文節を区切ってコンピューターが、認識してしまった場合、『Microsoft IME』では、

  まゆさんと わかなとゆ づるを

と区切り直し、麻友さんと若菜を変換し、さらに、

  麻友さんと 若菜と ゆづるを

と、区切り直してから、結弦を変換する。

 そこまで揃ってから、確定キーを押す必要がある。

 ところが、ATOKは、

  麻友さんと わかなとゆ づるを

の段階で、最初の文節を、下向き矢印キーを押すことで、確定できるんだ。

 できあがったものから、次々送り出していく方が、全部揃ってから送り出すより、圧倒的に、気が楽だし速い。

 ジャストシステムは、恐らくこの技術の特許を取っているのだろう。

「えっ、でも、それだけなの?」

 それだけなわけ、ないだろ。

 前も話したけど、ATOKは、フランス語のセディーユという『ç』や、ドイツ語のウムラウトという『ö』などを、『しー』や『おー』を、変換することで出せるように、登録してある。

 使う頻度は、低いけど、いざというとき、頼れる機能だ。

「それで、太郎さん、ATOK使ってるんだ。何年になる?」

 中学3年の終わりからだから、32年以上。

結弦「それは、愛着が湧いても当然だな」

若菜「恋人みたいですね」

 私の恋人は、数学だからね。

「もう、知らない(ぷんっ)」


 恋人が、恋人を、説明してくれるんだから、この試みに、麻友さんは、欠かせない。頼むよ。

「テキストの9ページの11行目からだったわね」



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 先ず,{p} より低くは下げられない.{p} より低い次数を持つ方程式は,その群を構成する順列の個数の因数として,{p} を持ち得ないからだ.

 だから,{p+1} 次の方程式は,{p} 次まで下げられないかを調べる.ただし,この方程式の根 {x_k}{k} に,無限大も含めて,すべての値を与える事によって表わされ,この方程式の群は,置換として

{x_k,\ x_{\frac{ak+b}{ck+d}}}     ({ad-bc} は平方数)

を持つものとする.

 このとき次数低下が起こるなら,その群は,それぞれ{\displaystyle \frac{(p+1)(p-1)}{2}} 個の順列を持つ,{p} 個の組に分解されなければならない(勿論,これは固有分解ではない).

 これらの組の一つに,二つの文字 {0}{\infty} とを対応させる. {0}{\infty} とを変えない置換は

{x_k,~~x_{m^2 k}}

という形をとる.

 だから,{1} に対応する文字が {M} なら,{m^2} に対応する文字は {m^2 M} だ. {M} が平方数のときは, {M^2=1} .しかし,こんなに簡単化されるのは,{p=5} の場合しか起こらない.

 {p=7} の場合には,{\displaystyle \frac{(p+1)(p-1)}{2}} 個の順列を持つ群が求まる.ただし,文字の間の対応関係は


   { \infty ~~~~1~~~~2~~~~4}

   { ~0~~~~~3~~~~6~~~~5}

となる.上段の文字が,下段の文字と対応する。

 この群は

{x_k, x_{ a\frac{k-b}{k-c}}}

という形の置換を持つ.{b}{c} に対応し,{a} は,{c} と同時に,剰余や非剰余となる.

 {p=11} の場合.同じ記号の下で,同じ置換を得る.ただし,対応関係は

   { \infty ~~~~1~~~~3~~~~4~~~~5~~~~~9}

   { ~0~~~~~2~~~~6~~~~8~~~~10~~~7}

となる.

 このように,{p=5,7,11} の場合には,モジュラ方程式は {p} 次まで下げられる.

 より高次の場合には,厳密にいえば,このような次数低下はできない.


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「今日は、ここまで。あと3回で、ガロアの遺書が、終わるわ」

結弦「今日で、5回目だものね。わけ分からないけど、この本を読み終わる頃には、半分くらい分かるそうだからな」

 上で、『モジュラ方程式』という言葉がある。

 これに関しては、この本では、分からないし、なかなか分からないと思う。

若菜「お父さんも、分からないの?」

 現代の数学で、『モジュラー』という言葉と『モジュライ』という言葉が、重要な役割を持っているようなのだが、まだ分かっていない。

 ただ、梅村浩さんの『楕円関数論』という本の第5章が『楕円関数のモジュライ』となっていて、5.3節が『モジュラー関数{J(\tau)}』となっているので、関連があるのは確かなんだけどね。

梅村浩『楕円関数論』(東京大学出版会

楕円関数論―楕円曲線の解析学

楕円関数論―楕円曲線の解析学

結弦「21世紀のお父さんが、まだ分かってないことを、19世紀のガロアは論じてたのか。やっぱり、凄いな」

 じゃあ、今日は、これで、解散するか。



「太郎さん、『ホーキング&エリス』の出版が、近付いてるわね。本当に、出版されるの?」

 まず、確かだと思う。

「太郎さんも、貢献したのよね」

 ある程度はね。

「本を、お父さんに、見せるわよ」

 大丈夫だよ。

「安心した」

 じゃあ、お休み。

「お休み」

 現在2019年6月23日21時46分である。おしまい。