女の人のところへ来たドラえもん

21歳の女の人と43歳の男の人が意気投合し、社会の矛盾に科学的に挑戦していく過程です。                    ブログの先頭に戻るには、表題のロゴをクリックして下さい。                                   数式の変形。必ずひと言、添えてよ。それを守ってくれたら、今後も数学に付き合ってあげる。

忘我の喜び(その3)

 現在2022年6月29日19時15分である。(この投稿は、ほぼ6621
文字)

麻友「昨日、眠れたの?」

私「冷房して寝た。風邪引きそうだったけど、タオルケットにくるまって寝て、朝9時15分に起きた」

若菜「難しい季節ですねえ、観測史上、最も早い梅雨明けとか」

結弦「お父さん、この間、実家で会ったとき、数学の話を面白くなさそうに、話しすぎ。眠くなっちゃったよ」

私「余りにも、多くのことが、当たり前に、なっちゃっているから、どこまでを、相手の側に仮定して良いか、分からないんだよ」

若菜「確かに、ブルバキも、

『これを読むのに,原則的には数学的予備知識を全然必要としない.ただ,多少の数学的推論の習慣と,多少の抽象能力とが必要なだけである.
そうは言うものの,この原論は,少なくとも大学一,二年次程度の数学知識を持った読者を念頭に置いて書かれている.』

と、書いてましたね」

結弦「お父さん。僕としゃべってると、つまらないの?」

私「いや、色々あって、新しい発見もある。この間、お前に、『金を溶かせる酸って、知ってる?』って、聞いたよね」

結弦「王水(おうすい)だって、答えた」

私「王水というのは、塩酸と硝酸を、どっちが3で、どっちが1か、忘れたけど、混ぜたものだと言って、電子辞書で、理化学辞典で、塩酸:硝酸=3:1だと、調べたね。そのとき、お前が、とんでもないこと、言ったんだよね」

結弦「『どうして、ものって、酸に溶けるの?』って、聞いた」

私「今までの人生で、酸というものは、色んなものを、溶かすものだと、感じてきたけど、『なぜ、酸に溶けるのか?』という問いかけをしたことは、なかった。結弦、お前、私の父の血を引いて、化学のセンスが、ありそうだ。記憶力も良いし、化学で、成功する可能性がある。今まで、『子供の科学』、『ゼロから学ぶ相対性理論』、『時空の物理学』、『高校への数学』、『物理学とは何だろうか 上』、『WHO IS FOURIER ?』などを、渡してきて、数学には今ひとつ反応がないなと、感じてきた。物理と化学は、近いようで、全然違うんだ。化学には、物理ほど数学は、必要ない。いや、物理にだって、それほど数学は必要ないんだけどね。ちょっと、結弦の性格を、捉え損なっていたようだ。結弦は、今後、化学を目指す少年としよう。『2022年6月現在、化学を目指す語学堪能な、高校1年生』としてみよう」

麻友「私達の子供から、化学を目指す子が、出てくるなんてね」

私「さっきの説明、補っておく、王水とは、濃塩酸と濃硝酸を、体積比で、3対1で、混合したものであるそうだ」


私「さて、宿題だ」

若菜「スキャン原稿を」

[


麻友「昨日、(10)式の再計算の最中に、寝ちゃった」

私「そうだった。

{\displaystyle \int_0^z \int_0^x \frac{\varphi (\xi )}{\sqrt{(z-x)(x-\xi)}} d \xi~dx = \int_0^z \varphi (\xi ) ~d \xi \int_{\xi}^z \frac{1}{\sqrt{(z-x)(x-\xi)}} dx}  (7)

となる。これが、(7)式である。

 そして、前々回計算した、ここで使う積分公式が、

{\displaystyle\int_{\xi} ^z \frac{dx}{\sqrt{(z-x)(x-\xi)}} =-\int_{\pi}^{0} d \theta =\pi }  {(z>\xi )~~~~(9)}

で、この公式を(7)式の右辺の後ろの積分に、あてはめて、

{\displaystyle \int_0^z \int_0^x \frac{\varphi (\xi )}{\sqrt{(z-x)(x-\xi)}} d \xi~dx = \int_0^z \varphi (\xi ) ~d \xi \times \pi }

となる。

若菜「お父さん、眠そう」

私「21時18分に、寝る前の薬飲んだから、もう書けない。おやすみ」




 現在2022年6月30日5時27分である。

麻友「早いじゃない」

私「昨日、22時前に寝て、今朝4時10分に起きた。6時間は、寝ている。計算を再開しよう」

(6)の両辺に {\displaystyle \frac{1}{\sqrt{z-x}}} を掛けたものを、{x} について積分したものが、(7)の式だったから、

{\displaystyle \int_0^z\frac{1}{\sqrt{z-x}}f(x) dx}

を(7)と等しいと置いて、

{\displaystyle \int_0^z \varphi (\xi ) ~d \xi \times \pi =\int_0^z\frac{1}{\sqrt{z-x}}f(x) dx}

 これで、次の(10)式が、得られた。

{\displaystyle \pi \int_0^z \varphi (\xi ) ~d \xi =\int_0^z\frac{f(x)}{\sqrt{z-x}} dx}  (10)

麻友「確かに、大変だったわね。積分公式を確かめる『現代論理学(その32) - 1から始める数学』での計算も含めると、数学って確かに積み上げが、大切ね」

私「いつも、心で信じられないことは、認めない。という信念を、持っていることが、大切だ。そうすれば、『あのときやったけど、本当に大丈夫かな?』という心配が、かなり減らせる。ただ、その証明をきちんと理解して、いつでも証明を、書けるようになっている方が、本当は良いけどね」

結弦「誰でもが、そうは、なれない」

私「だから、多くの科学者は、これだけは、絶対大丈夫、という自分のノートを、作って行くんだ」

若菜「そうなんですね」


私「ちょっと、復習しよう」

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私「4月5日から、しばらくこの本は、読んでなかった。さて、6月17日、ポートへ行く車中で、その先を、読み始めると、いきなり、(10)式で、躓いた。


{\displaystyle \pi \int_0^z \varphi(\xi) d\xi=\int_0^z\frac{f(x)}{\sqrt{z-x}}dx}   (10)

の、式が、分からない。行きの車中で、色々考えたが分からず、章の最初から読み直そうと思ったところで、ポートに行くバスに乗った」

私「13時20分頃、ポートについて、お弁当を食べた後、第15章というか第15講を、初めからおさらい。そうしたら、(10)式は、クリアできた」


 注 実は、このときは、早合点して、クリアした気になったが、6月24日になって、そんなに甘い式でないことが分かり、6月25日未明になって、再計算して、正しい答えを得た。


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                         (『忘我の喜び』の投稿より)

私「この再計算を、『忘我の喜び(その2)』と、この『忘我の喜び(その3)』で、やっていたのだった。これは、クリアされたので、先に進める。(10)式の右辺は部分積分により

{\displaystyle \int_0^z\frac{f(x)}{\sqrt{z-x}}dx=-2\sqrt{z-x}f(x) \biggl|_{x=0}^z \biggr.+2\int_0^z f’(x)\sqrt{z-x}dx}

{\displaystyle ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~=2\sqrt{z}f(0)+2\int_0^z f’(x)\sqrt{z-x}dx}   (11)

であった」

麻友「(12)式は、まだ、説明聞いてないけど」

私「スキャン原稿、持ってこよう」

私「これで、(12)式の第2項にアンダーラインを引いて、『積分記号化の微分』と、書き込んでいる。


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これを(10)の右辺に代入して {z} で両辺微分して {z}{\xi} で書き換えれば

{\displaystyle \varphi(\xi)=\frac{1}{\pi}\biggl\{\frac{f(0)}{\sqrt{\xi}}+\int_0^{\xi}\frac{f'(x)}{\sqrt{\xi-x}} dx \biggr\}}   (12)

を得る.これがアーベルの方程式(6)の解である.


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の計算のところだ」

若菜「積分記号化の微分って、何ですか?」

私「積分してから、微分する必要が、あるとき、先に微分してから、積分して、同じ結果を得る方法なんだ。やって見せると、


{\displaystyle \pi \int_0^z \varphi(\xi) d\xi=2\sqrt{z}f(0)+2\int_0^z f’(x)\sqrt{z-x}dx}


が(11)式を(10)式の右辺に代入した式、これを、{z}微分。左辺は、微積分法の基本公式により、{\pi\varphi(z)} だけ、右辺は、{\displaystyle \frac{d}{dz}2z^{\frac{1}{2}}f(0)+2\frac{d}{dz}\int_0^z f’(x)\sqrt{z-x}dx}

となる。この第2項が、積分の中に微分を入れて、

{\displaystyle \pi \varphi(z)=\displaystyle \frac{d}{dz}2z^{\frac{1}{2}}f(0)+2\int_0^z \frac{\partial}{\partial z}f’(x)\sqrt{z-x}dx}

だから、計算して、

{\displaystyle \pi \varphi(z)=\displaystyle 2 \times \frac{1}{2}z^{-\frac{1}{2}}f(0)+2\int_0^z f’(x)\frac{\partial}{\partial z}\sqrt{z-x}dx}

{\displaystyle \frac{\partial}{\partial z}\sqrt{z-x}=\frac{1}{2\sqrt{z-x}}}

より、

{\displaystyle \pi \varphi(z)=\displaystyle \frac{f(0)}{\sqrt{z}}+2\int_0^z f’(x)\frac{1}{2\sqrt{z-x}}dx}

から、

{\displaystyle \pi \varphi(z)=\displaystyle \frac{f(0)}{\sqrt{z}}+\int_0^z \frac{f’(x)}{\sqrt{z-x}}dx}

と、なる。この式で、{z} を、{\xi} で置き換えれば(12)式が得られる」

若菜「もちろん、両辺を {\pi} で、割ればですね」

私「うん。積分記号化の微分というものを、知らないと、泥沼にはまると思う」

{\displaystyle \varphi(\xi)=\frac{1}{\pi} \biggl\{ \frac{f(0)}{\sqrt{\xi}}+\int_0^{\xi} \frac{f’(x)}{\sqrt{\xi-x}}dx \biggr\}}  (12)

麻友「いよいよ、(14)式が、近付いてきたわね。スキャン原稿で、

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【例】 例として等加速度運動 {\displaystyle x=\frac{\alpha t^2}{2}},あるいは {\displaystyle t=\sqrt{\frac{2x}{\alpha}}} を考えると(2)から

{\displaystyle f(x)=2\sqrt{\frac{g}{\alpha}x}}  (13)

 したがって {f(0)=0} であり,(12)と(9)から

{\displaystyle \varphi(\xi)=\sqrt{\frac{g}{\alpha}}}  (14)


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麻友「えっ、(13)式は、定義みたいなもので、その {x} に、{1} 入れただけじゃない。どこが、忘我の喜びよ」

私「分かってないなあ、(14)式の左辺は、さっきの(12)式で、与えられる

{\displaystyle \varphi(\xi)=\frac{1}{\pi} \biggl\{ \frac{f(0)}{\sqrt{\xi}}+\int_0^{\xi} \frac{f’(x)}{\sqrt{\xi-x}}dx \biggr\}}  (12)

という式なんだよ。これを、計算したら、右辺が、

{\displaystyle \sqrt{\frac{g}{\alpha}}}

になるというのが、当たり前ではなかったんだ。本当は、積分公式と言ってた(9)式で、片付くのかも知れなかったけど、私には、思い浮かばなかった」

結弦「問題が解けないと、どうなるの?」

私「その結果を使わないところまで、読み飛ばすか、あくまでも、その結果を出そうと、計算し続けるか、誤植かも知れないから、一応認めて、常に心にとめておくか」

若菜「この場合どうしたんですか?」

私「そんなに、難しいはずはない。と思って、1時間くらい、計算で、アタックし続けた。丁寧に、書いてみると、{f(0)=0} だから、(12)は、

{\displaystyle \varphi(\xi)=\frac{1}{\pi} \biggl\{ \int_0^{\xi} \frac{f’(x)}{\sqrt{\xi-x}}dx \biggr\}}

だけなんだ」

結弦「{\displaystyle f’(x)} が、問題なの?」

私「分母の根号の中に、{x} があるのも、問題なんだ。まず、

{\displaystyle f’(x)=2\sqrt{\frac{g}{\alpha}}\frac{1}{2\sqrt{x}}}

となる」


 ここまで書いて、今日もポートへ向かった。(14)式の導出は、最後の楽しみとして、取っておこう。

 現在2022年6月30日14時20分である。おしまい。