現在2022年7月3日6時12分である。(この投稿は、ほぼ9957文字)
麻友「早いじゃない。寝られたの?」
私「昨晩、0時15分頃、フラフラで寝た。今朝、夢の中で、分母が平方根の積分の計算を、必死でやっていて、5時3分に目が覚めた」
若菜「相当、頭使ってるんじゃないですか?」
私「この連載を、終えたら、もう一度、寝るかも知れない」
結弦「懸案の式は、
(14)
だった。
が、どうなるか、だよね。 と、置くと、上手く行くことに、気付いたと、言ってた」
麻友「どうして、こう置いたの?」
私「分母の、根号を、取りたいと思った。
で、 と置くと、
となって、この が、 だったら、
と、上手く行きそうだと気付いたんだ」
若菜「そこで、 を、 に含めたのが、良かったのですね」
私「その通り、 より、
となるから、・・・」
若菜「どうして、そうなるのですか?」
私「 を、 で、微分したんだよ。
で、両辺に、 を掛けたんだ」
結弦「それを、一瞬でやる」
私「慣れると、難しくない。 と、一瞬でできないと、微分積分学を学んで行くのは、難しい」
麻友「太郎さんは、いつ覚えたの?」
私「記憶が定かでは無いが、高校2年で、馬場先生にもらった、公文の教材で、積分を勉強していたときのようだ」
麻友「ふーん。私も、覚えろと?」
私「ほんの少しでいいから、計算してみてよ。絶対理解が深まるって」
若菜「それで、変数を、置き換えて、
の式を、
の2式で、変数の変域を、
として、
ですが、 に上式を代入すると、
となる。あっ、 のところが、 となって、
ルートを丁寧に計算すると、
となって、・・・」
麻友「分かった。
で、
なのね」
結弦「僕にも、やらせて、
だから、
(14)
わー、全部綺麗に消えて、 だけ残った。お父さん、手計算でこれを出したんだから、爽快だっただろうなあ」
私「こんなに、分母と分子のサインコサインが、綺麗に消えるとは思っていなかったので、一時的に、ポートの周りの誰かに、話したくなったほどだった」
私「ここまで書いて、9時44分から、12時42分まで、疲れ切って寝た」
若菜「もう一度、スキャン原稿、見せて下さい」
私「いいよ」
麻友「あーっ、忘我の喜び。本と、紙と、鉛筆だけで、そんなものが味わえるなんて、幸せな人ね」
私「麻友さんだって、努力しだいで、そうなれるのに」
麻友「そこまで、数学を好きになれない。私は、お芝居を観ているときの方が、幸せだわ」
私「そうか。しょうがないよね、人の好みは、変えられない。今後も、麻友さんと、数学の冒険を、するけど、苦痛になるほど大変な計算などは、『ああ、太郎さん。いつものやっているなあ』で、スルーしていいよ。私自身、数学の難しい本は、最初読むときには、証明は読まずに、小説のように、日本語だけ読むのだもの。それで、面白そうだったら、改めて、証明を追いながら読む」
若菜「お父さん、数学の本を、小説のように、読めるのですか?」
私「この第15講の残りを、小説のように、読んで見せようか?」
結弦「やって、やって」
私「スキャン原稿が、
の残りは、
(5)
を、用いて、
だから、
(15)
両辺、平方根を取って、
だね。普通に積分して、
(16)
だ」
私「
『これは鉛直となす角が の斜面に沿ってすべる運動であることを、示している』
の一文は、意味はある程度分かるが、本当かどうか、確信が持てない。分からないなら分からないで、分からなかったことを覚えておいて、飛ばす」
若菜「お父さん。こういうの、覚えているんですよねえ」
私「さて、次、
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逆のアーベルの問題
以上に述べたアーベルの問題は1点Oから降下する時間を与えてその経路曲線を求める問題であった.これを逆にして1つの点まで降下する時間を与えてその経路曲線を求める問題を考える.
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(『一般力学30講』88~89ページより)
新しい、スキャン原稿
これだ」
若菜「また、色々書いてますけど」
私「実は、このページで、拘っていたのは、
(20)
の、 の前が、プラスになっていることだったんだ」
結弦「プラスじゃ、まずいの?」
私「本文に、これはサイクロイドだと、書いてある。だけど、実は第14講で、既にサイクロイドは、出てきていて、
第14講の(14)
となっているんだ」
結弦「1個、マイナスがプラスのくらい」
私「そういうことを、言う人間は、数学の真の楽しみを、得られない」
若菜「これを、サイクロイドと認めて良いのですか?」
私「テキストに、書き込みをしたりした後も、何度も考えていて、(20)式で
と置くと、
三角関数の、パイ動くとマイナスになる性質を使って、
コサインの方に、2重にマイナスが、現れるようにして、
三角関数のコサインは偶関数、サインは奇関数である性質を使って、
コサインの方を、 として、サインの方をカッコでくくって、
これで、
となり、サイクロイドの式を、 だけ平行移動したものだと、言えることが、分かった」
結弦「そこまで、やらなきゃいけないのか」
若菜「でも、やりきると、達成感がありますね」
結弦「僕の本当のお父さんは、陸上選手だった。今でも、毎朝走っているけど、走っているときは、辛いんだって。でも、走り終わった後の喜びを知っているから、走れるんだって」
私「私の場合、達成感を得たいと言うより、目の前に、上手く行っていない問題があると、その結果を使いたい場合、自力かコンピューターかは問わないけど、解決せずには、いられないんだよ。辛いとか言っていられない。私にしか解けないんだもの。でも、解決すると、やっぱり『俺って天才!』みたいに、嬉しいよね」
麻友「確かに、マイナスだったのが、プラスになっているだけで、燃え上がっちゃう太郎さんって、ある意味、幸せだわ。大人は、『これで、お金がもらえるのか?』とか、考えちゃうものね」
麻友「ところで、『数学』っていうゲーム、作るっていってたじゃない。どうなったの?」
私「アンドロメダ姫の物語は、浮かんだけど、その後、ゲームのストーリーとか、設定とか、ゲームを作るのなら、当然必要な才能が、私には欠けていることが分かった。私は、数学の面白い話は、いっぱい知っているけど、それを、ゲームにできない。ゲームにするなら、専門家に任せるしかない。田中芳樹の『銀河英雄伝説』が、多くの人の手で、2回もアニメ化されたり、宝塚で、上演されたのも、他の人が、手伝ったからだ。だから、私は、ひとまず、ブログで、麻友さん達に、こんな面白い話があるよ。と、説明する道をえらんだんだ」
結弦「お父さんが、大学院で、研究するということは、ないの?」
私「先日、凄いことを、知っちゃったんだ。『ブルバキ 数学原論 pdf』と、ググったら、加藤木一好(かとうぎ かずよし)さんという人のブログが引っ掛かったんだけどね。この人、学部時代に、ブルバキを読み通しているほどの人で、2009年に茨城大学の大学院博士課程で、ホモトピー論で、博士号も取っている人なんだけど、アカデミックポジションに就けていないんだ」
若菜「会社員の就職を、選んだんですか?」
私「いや、いくつも、学術職に応募しているのに、断られているんだ」
麻友「どういうことなのかしら?」
私「つまり、博士号取っても、数学の研究職に就けるとは、限らないんだよ。大学院へ、行けば、新しいことは、知れるだろうけど、アカデミックポジションに就くには、人脈とか適性とか色々あって、よっぽど業績を上げても、無理なんだ。どうせ、私は、もう50歳だから、大学院の先なんて、どうでも良いけど、私の何倍も、勉強していて、それでも、数学の研究が、できない人もいるんだ」
若菜「その人、結婚は?」
私「結婚は、しているみたい。プロフィール写真に、女の人と写ってた」
麻友「太郎さんが、幸せに数学やってられるのは、私に結婚してもらえないで、いるからかもね」
私「本人が、そんなこと言ってどうする。麻友さん、結婚してよ。普通の意味での結婚でなくてもいい。そばに来てよ」
麻友「テキストの次のページは?」
私「はい。もう最後まで」
麻友「最後に、Tea Time が、あるのね。ニュートンが、懐中時計を、ゆでちゃったというのは、本当らしいけどね」
若菜「第15講だけでも、楽しみましたね」
結弦「微積分知っているだけで、世界が広がるんだね」
私「麻友さんは、本当はまだ、微積分を良く知らないから、つまらないところもあっただろう。初心者に、微積分を教える、良い方法を、私は余り知らない。この本で、勉強しちゃったからね」
私「今だったら、どれが良いんだろう? 沢山ありすぎて、分からない。面白そうなのは、
大上丈彦(おおがみ たけひこ)『ワナにはまらない微分積分』(技術評論社)
だなあ」
麻友「微積分を学ぶには、どんなステップがあるの?」
私「上の本みたいな、高校レヴェル。それから、必ず通って欲しいのが、以前話した、
みたいな、イプシロンデルタに特化された本。それから、目標は、『解析入門Ⅰ・Ⅱ』なのだが、まず『解析概論』を読んで、もっと数学的に厳密な本を読みたいなと思ってから、移って欲しい」
麻友「これでいいのね」
私「『解析入門Ⅰ・Ⅱ』を、読めるようになれれば、問題ないのだが、独学の場合、演習問題を解く機会が、限られてしまう。学期末試験も、受験も無いからね。時間制限を設けて、問題解くなんて、高校レヴェルだが、麻友さんは、高校レヴェルなんだよね。変わった本なんだけど、
は、面白い問題が、載ってる」
麻友「教員採用試験の問題が、載ってた本ね」
麻友「でも、本当は私、数学勉強する気ないから」
私「私も、宝塚へ、何度も行こうとは、今のままでは、思わない。でも、麻友さんが、『一緒に行く?』って、言ってくれたら、行くと思うな」
麻友「でも、さっきの加藤木さんの話なんか聞いていると、太郎さんって、大学学部レヴェルの数学も、余り分かってないのね。ブルバキも読んでない」
私「良く分かったじゃん。そうなんだよ。実は、麻友さんと、ちょぼちょぼ、なんだよ」
麻友「それは、騙されない。私と、ちょぼちょぼの人が、3回生で、複素多様体論なんて、専攻できるはずない。でも、いいわ。私だって、高校卒業の資格持ってる。ほんのちょっと、数学、やってみる。太郎さんが、いつも、他の人に勧めてる、『イプシロンデルタ』って、何ページくらいあるの?」
私「索引と奥付を含めて、130ページ。本文は、110ページだよ」
麻友「太郎さんが、高校2年で、読んだって、動機は何なの?」
私「数学の授業中、微分を教えてくれていた、木村先生が、『この というのは、大学に行ったら、 論法(イプシロン-デルタろんぽう)というもので、厳密にやるんですけどね』と、言ったことと、ほぼ同じ頃、父が、『大学の数学で、イプシロン-デルタというのが、分からなかった』と言ったので、そのイプシロンデルタとは、なんぞや?と、神谷町の本屋で探してみた。当時はそういう本は、今のように何種類もなくて、必然的に、この本に行き着いた」
麻友「あくまでも太郎さんは、高校1年で、微分積分を独学してて、高校2年の微分の授業がつまらないから、大学レヴェルの微分に、手を出したという、寸法でしょう。まあ、いいわ。私達は、太郎さんが高校1年で、独学した、山口恭さんの本も、ちょっと見てる。これから、大学へ行こうとしている人の、気持ちで、その本読んでみる」
私「この本を、読み終えたら、あわよくば、『解析入門Ⅰ・Ⅱ』へ、乗り込もうというわけで、『解析入門Ⅰ』を、始めかけた、『多様体と幾何学』のブログで、読んでいこう」
麻友「ちょっとだけよ」
私「麻友さんが、ひとつ願いを聞いてくれた。私も、麻友さんの願い、聞くよ」
麻友「願い聞いてくれるのね。何らかの形で、お願いを伝えるわ」
若菜「良かったじゃないですか。お父さん」
結弦「高校生が、この本だって?
あれっ、1,540円だ。相当売れてるんだな」
麻友「朝から、9時間くらいよ。そろそろ、終了させなきゃ」
私「じゃあ、おやすみ」
若菜・結弦「おやすみなさーい」
麻友「おやすみ」
現在2022年7月3日18時59分である。おしまい。