女の人のところへ来たドラえもん

21歳の女の人と43歳の男の人が意気投合し、社会の矛盾に科学的に挑戦していく過程です。                    ブログの先頭に戻るには、表題のロゴをクリックして下さい。                                   数式の変形。必ずひと言、添えてよ。それを守ってくれたら、今後も数学に付き合ってあげる。

約束だった数学

 現在2022年8月29日17時42分である。(この投稿は、ほぼ3855文字)

麻友「今日、通院だったのよね」

私「うん」

麻友「なんか、お母様から、100円くらいしか、受け取ってなかったみたいだけど」

私「今日、29日だろ。前回は、4週間前で、8月1日だ。自立支援医療という制度で、収入のない私は、ひとつき2,500円以上、外来の医療費を、払わなくていいんだ」

若菜「えーっ、凄い。前回2,400円だったんですか?」

私「そう。これにも、等級があって、こういう風に、

2,500円  5,000円  10,000円  20,000円

とある。父が、もっと働いていて、収入があったときは、5,000円だった。これだと、ほとんど全部自己負担だった」

結弦「お父様、この間の6月30日に退職された」

私「ああ、それより前から、2,500円になってたけどね」

若菜「国も、色々、考えてくれているのね」

私「それは、ありがたいんだけどね。この自立支援医療という制度を、作ったのは、民主党が、政権取ったときなんだ。そして、毎月金額を記入する手帳を発行することにしたり、色々やったために、却って、薬局で買う薬の負担が、2倍になっちゃったんだ。『1,000円の薬が、1割負担で100円だったのが、1,000円の1割の100円だけ値上げします』って、言われたけど、こっちは、100円だったのが、200円になったんだから、10割上がったことになる。狡猾だよねえ、足下見て」

麻友「製薬会社とか、医療関係って、弱い人間につけ込んでいるのは、確かね。その上、新型コロナウイルスのワクチンでは、モデルナが、ファイザーとかを、特許権侵害で、訴えるって? お金儲けることしか、考えてないのね」

私「資本主義というのは、結局、お金を儲けることが一番大切だ、という思想だよ。4年後に、お金をなくさなければ、この競争は、終わらない」

若菜「お父さん。どうやって、そういう思想だの、主義だの、資産だのという材料を、仕入れているの?」

私「今の世の中のままじゃ、駄目なんだから、何を読んでも、駄目だよ。でも、いっつも、考えていて、小林りんさんに教わった、『日経ビジネス』を、ペラペラっとめくりながら、良い考えのヒントを、もらう。そもそも、4年後にお金がなくなると、言いだした原因は、3年前の『日経ビジネス』の小さい記事だと言っただろう」

麻友「アイディアがあるとき、それを、数値で示せるのは、数学が、できるからね。さっきの10割値上げ、なんて、他の人分からない」

私「実はあの、10割値上げだ、というのは、放送大学の、統計学の教科書に書いてあったことなんだ。読んでいて、『ああ、なるほど』と納得した。納得したから、忘れない。10年以上経っても生かせる」

麻友「数学で、そういう納得を、もっとしたいわ」


私「じゃあ、始めよう。01と02は、もうやったね。一応見せるけど

と、

と、だった」

麻友「分数は、まだだったわね」

私「私達に取って、自然数の5とは、どういうものだった?」

麻友「自然数の5は、{1+1+1+1+1} というものね」

私「良くできた。次に、若菜。整数のゼロは?」

若菜「覚えてますよ。座標平面の斜め45度の直線上の点で、

{0=\{(1,1),(2,2),(3,3),\cdots\}}

です。代表1つで表して、

{0=[(1,1)]}

と書いても良かった」

私「良く飲み込めてる。次に、結弦。整数のマイナス2は?」

結弦「なんのこれしき、

{-2=\{(1,3),(2,4),(3,5),\cdots\}}

だよ。代表で、

{-2=[(1,3)]}

と、表しても良いんだろう?」

私「皆、良く理解している。ところで、自然数から整数を作ったようにして、今度は、有理数を、作りたい。どうしたものだろう」

麻友「私、『有理数体(その3)』という投稿で、アイディア出してる」


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「今日は、『有理数体(その3)』という題だけど、有理数は、まだ出てこないの?」

 もうちょっと、準備してからだけど、どうやって、有理数を、作ると思う?

有理数って、分数のことよね」

 そうだよ。

「じゃあ、この前、太郎さんが整数を作るとき、座標を使ったのを真似て、

{\displaystyle \frac{5}{7}=[(5,7)]}

みたいに、したら?」

 うん。それで、いいんだ。

「えっ、これで、ドンピシャ?」

 そうなんだけどね、座標の {(5,7)} に、大括弧 {[,]} 付けただけだと、整数を作るときの斜め45度の直線上の点という意味と、違う意味で使っていると、見ている人に、伝わらない。

「あっ、勝手に、大括弧付けちゃいけないんだ。今度の場合、斜め45度の直線上の点の集合とは、意味が違うんだ」

 うん。だって、分数なら、{\displaystyle \frac{4}{3}} と、{\displaystyle \frac{8}{6}} は、等しいはずだけど、{(4,3)} と、{(8,6)} とは、計算すれば分かるだろうけど、傾き {\displaystyle \frac{3}{4}} の直線上にある。

「うわっ、早速太郎さんに、はねられた。数学って、やっぱり、一筋縄ではいかないわね」


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               (『有理数体(その3)』より)

若菜「また、古い投稿。私達、登場してないですね」

私「{1} から、{0} を作って、満足しちゃったんだ。この方面の冒険は、『0から始める数学』に移ったけど、分数は、まだだった」

結弦「思い出した。『0から始める数学』では、全部を、空集合 {\emptyset} から、作ってたんだった」

私「私も、思い出した。しかし、いずれにせよ、まだ分数は、作ってなかった。麻友さんのアイディアを生かして、なんとかできない?」

若菜「大括弧 {[,]} の役目を、変えるんですよね。お父さんの愛読書ナンバーワンになった、『数学基礎概説』を、開いてみると、こんな絵が、

使えそう」

麻友「座標平面で、{xー}座標を、分子に、{yー}座標を、分母にして、一方を約分して、同じ分数になれば、同じ有理数の点とする。{xー}座標は、{-\infty} から、{+\infty} までの整数、{yー}座標は、{1} から、{+\infty} の整数とする。分母が、{0} になると困るものね」

結弦「あっ、作っちゃった」

私「ただ、『一方を約分して、同じ分数になれば』というのは、余り良い表現ではない。例えば、{\displaystyle \frac{9}{6}}{\displaystyle \frac{12}{8}} は、両方約分して、{\displaystyle \frac{3}{2}} とすれば、同じ数だと分かるが、一方を約分しただけでは、分からない」

結弦「でも、お母さんの考え方、使える。分数が等しいのは、分母分子に、同じ数が、かかっている場合。{\displaystyle \frac{a}{b}=\frac{c}{d}} なら、{\displaystyle a=ce,b=de} ということ。{\displaystyle a=ce} の両辺に、{\displaystyle d} を掛けて、{\displaystyle ad=ced} で、{\displaystyle ed} は、{\displaystyle de} で、{\displaystyle b} だから、結局、{\displaystyle ad=cb} と、交差させて掛けたものが、等しいとき、分数として同じなんだ」

私「それぞれ、持ち場を守って、頑張った。もう21時22分なので、有理数の定義と、練習問題は、明日にしよう」

若菜・結弦「おやすみなさーい」

麻友「おやすみ」

私「おやすみ」

 現在2022年8月29日21時24分である。おしまい。