女の人のところへ来たドラえもん

21歳の女の人と43歳の男の人が意気投合し、社会の矛盾に科学的に挑戦していく過程です。                    ブログの先頭に戻るには、表題のロゴをクリックして下さい。                                   数式の変形。必ずひと言、添えてよ。それを守ってくれたら、今後も数学に付き合ってあげる。

ちょっと、休もう

 現在2022年9月17日19時38分である。(この投稿は、ほぼ3170文字)

麻友「太郎さん。こんなに立て続けに書いて、躁状態が、暴走してない?」

私「これは、自分では、分からないんだ。確かに、1日2本も、ブログ記事書くなんて、いつもの私では、有り得ないことだ」

若菜「もし、暴走してたら?」

私「しばらくして、鬱状態になって、なんか、寂しい状態になったな。という気分に、なるかも知れないけど、朝と夕方飲んでいる、炭酸リチウム200mg2錠ずつは、その躁と鬱の振れ幅を狭めるための薬なので、そんなに、落ち込まないと、思う」

結弦「えっ、そんな便利な薬があるの?」

私「これは、まだ実験段階かも、知れず、私の診療明細書に、わざわざ、

特定薬剤治療管理料(リチウム)4月目以降
(ト)躁うつ病の患者でリチウム製剤を投与


と、書かれていて、先生は、3カ月に1回、血液検査をするたびに、リチウムの血中量のことを、多いだの少ないだのと、気にしていた。最近は、あまり言わなくなったけど、治験が済んだということなのかも知れない」

麻友「太郎さん。炭酸リチウムの話は、何度も聞いてる。でも、『躁うつ病の患者でリチウム製剤を投与』ということまで、書かれているとは、知らなかった」

結弦「お父さん。躁うつ病なの?」

私「統合失調症を、治すために、私の脳を、薬で、壊さなければならなかった。後遺症として、躁うつ病になったというのは、十分考えられる」


若菜「科学者として、生きていくのは、大変でしょうかね」

私「若菜は、高校3年生。どこの大学を、目指しているのかな?」

若菜「アメリカの大学へ、行きたいんです」

私「そうか。目標の大学は、決まっているのかな?」

若菜「実は、アメリカにある、どの大学でも、良いわけではないんです。お父さんの資金が、無限ではないので、奨学金をもらうつもりです。でも、返せる当てがないので、給付型を、望んでいます。そうなると、アメリカの上位30校くらいに、入らないといけません」

私「入れるのか?」

若菜「カナダの高校で、勉強中、学年で1番か2番を、キープしていました。だから、受験勉強は、大丈夫です。それより、奨学金を確実に受け取ることの方が、心配です」

結弦「お姉ちゃんは、カナダで、美術の授業でも、優秀な作品を、作っていたんだよ」

私「これは、驚いた。今まで、若菜のお父様も、望んでいない、大学の段階での留学に、私も、反対の積もりだったが、そう言ってられないな」

若菜「なぜ、反対だったのですか?」

私「大学は、日本の大学で、きちんと授業を受けて、生化学なら、実験も、いっぱいやって、結果をどんどん出す。そういう風に、研究をやって、成果を出していると、アメリカの研究者の中で、ノーベル賞級の人などが、見に来ていて、『あっ、あの若い娘。おもしろい見方する。可能性あるな』と思うと、『ちょっと、君、アメリカのここの大学の研究者なのだが、奨学金手配するから、研究しに来ないか?』ということになる。向こうが、招いてくれるんだから、待遇も良い。このようにして、頭脳流出だと、言われながらも、数学者小平邦彦広中平祐、物理学者湯川秀樹朝永振一郎などは、世界に羽ばたいていった。だから、若菜も、大学院から、アメリカに行くのだと思っていた」

若菜「それを、待っていられないんです」

私「上げるべき例を、変えなくては、ならない」


麻友「誰を、例に挙げるつもり?」

私「思い付いたのは、ウォルフガング・パウリ」

結弦「物理学の良心!」

私「パウリの説明は、ウィキペディアに書いてある事は、省く。どういうことを、言いたいかと言うと、パウリの論文は少なく、共著のものが、多かった。第二次世界大戦で、ユダヤ人のパウリが、母国にいられなかったというのも、あるのだが、パウリは、世界中の研究施設を、訪れて、自分に取って、最新のニュースを教え、逆に、新しい発見などを教わり、それを、友達に、手紙で伝えるのだ。生化学だと、実験が必要だから、こういう研究生活は、難しいかも知れないが、本当に基礎が身に付いていれば、実験は、どこでもできる。それじゃ、業績を盗まれると、思うかも知れないが、パウリにとってそんなのどうでも、良かった。最終的に、1921年にノーベル賞をもらったアインシュタインの推薦で、1945年に、ノーベル物理学賞を、受賞している。こんな、ノーベル賞もらって当然なんていうのは、ファインマンランダウ田中耕一、後、アインシュタインと、ボーア? 他には、思い浮かばない」

若菜「何が、言いたいのですか?」

私「科学では、どうしても、肩書きが、ものを言うんだ。MITの研究員とか、ケンブリッジのフェローとか。でも、これは、悪しき慣習だ。これを、若菜が、自分で、打ち破ってみないか? まず、基礎知識は、蓄える。その後、今、面白い実験をやってるところへ行って、実際に一緒に実験する。業績? あっ、今、思い付いた(2022年9月17日21時42分のアイディア)その実験をするときの、同僚に、得意の絵の才能で、肖像画を、描いてあげるといい。それを、受け取った人は、いつまでも、若菜を、忘れない。きっと、成果を論文で、発表するとき、筆頭著者にはしなくとも、連名で、名前を書いてくれる。いや、名前を書いてくれなくても、いいんだ。その最先端の実験をしていたとき、若菜はそこにいたんだから!」

若菜「パウリのことは、何でも、知っているような書き方ですが」

私「私が、パウリに詳しいのは、朝永振一郎の『スピンはめぐる』という本を、読んだことがあるからだ。パウリの伝記は読んでないが、スピンという量子力学に特有の不思議なものを、誰よりも早く、徹底的に調べ、その過程で、乗り越えられない壁があるのに、気付き、成果を発表しなかった。他の人が、成果を発表するのを、あるときは批判し、あるときは援護し、最終的に、現在の見方に収束していくのに、陰に陽に貢献した人だ。その業績を、本に纏められる、朝永さんも凄いが、やっぱりやってのけたパウリは凄い。一応言っておくと、この『スピンはめぐる』は、学術的に高いので、英訳されている。

The Story of Spin

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高校生の数学力で、読める本では、ないが」

若菜「田中耕一さんの名前が、出てきたのは?」

私「大学院でなく、学部卒のサラリーマンで、質量分析法に関する業績で、ノーベル化学賞をもらった後、自分の質量分析法を、使って、1滴血液があれば、アルツハイマーの遺伝因子があるかどうか調べられる方法を、見つけた。こんな人、歴史上でも、稀有だよ」

若菜「お父さんは、私に託すのではなく、ご自分で、発見できないのですか?」

私「私は、まだ諦めていない。これまでに、アタックした問題は、やっぱりリーマン・ゼータ関数の3での厳密値。後、本当に一般相対論的量子力学が、どうなってるか。それから、この世界は、4次元でなく、無限次元ではないかという考え方」

若菜「お父さん。現役なんだ」

結弦「それどころか、まだ青春期にいるよ」


麻友「若菜に対する、太郎さんの考え方が、変わった。若菜、味方が、ひとり増えたわよ」

若菜「パウリって、そんなに、凄い人なんですねえ。研究が一段落付いたら、量子力学を、勉強してみたいです。一番大変な勉強法で(ニヤッ)」

私「じゃあ、今晩は、これで終わりにしよう」

若菜「今晩は、ありがとうございました」

結弦「お姉ちゃん。頑張ってね」

私「おやすみ」

 現在2022年9月17日22時57分である。おしまい。