現在2022年9月19日3時40分である。(この投稿は、ほぼ3664文字)
麻友「太郎さん。ジョルダン標準形と、言われても、私には、全く分からないのよ」
1時59分に起き、上の2行を書いた後、眠くなり、8時55分まで、眠った。
現在2022年9月19日9時06分である。再開。
麻友「寝られているということは、躁になりすぎていないということね」
私「そう理解している」
若菜「私達には、ジョルダン標準形と、言われても、分からないのですが」
私「行列というものを、知らなかったら、分からなくて、当然だね。私のブログでも、何度も登場してる。例えば、
のとき。これの説明を、馬鹿丁寧にやってたら、この投稿、終わらない。大切なことだけ、話す」
麻友「難しさ3.の説明では、仕方ないわね」
私「まず、行列というのは、昨日も出てきた、
みたいなものなのだが、これを、ひとつの数みたいに思って、
みたいなことを、しなければ、ならなくなる。これは、それぞれの数を、 や、 みたいに、自乗しただけでは、済まされないんだ。数学では、20世紀初めに、計算法が確立していた。だが、物理学者は、まだ知らないほど、新しいものだった。量子力学を建設中だった、ハイゼンベルグは、物理量を、行列みたいなもので、表すことを、思い付いた。行列の掛け算は、どうしたものか? と、考えていて、数学での定義を、独立に編み出した。このハイゼンベルグ流の計算を見て、これは、行列の積だと見抜いたのが、同僚の物理学者のボルンとヨルダンだった」
若菜「ちょっと待って下さい。ヨルダンとジョルダンは、同じ人?」
私「いや、ジョルダンは、Camille Jordan で、1838~1922のフランスの数学者。ヨルダンは、Ernst Pascual Jordan で、1902~1980のドイツの物理学者」
若菜「スペル同じじゃないですか」
私「どちらか分かるように、日本語では、書き分けている」
若菜「なるほど。それで、見抜いて、どうしたのですか?」
私「ハイゼンベルグを、手伝って、1925年の量子力学建設という偉業をなした」
結弦「ジョルダン標準形は、ジョルダンが行列に関し、定義したもの。一方、行列を物理学に持ち込むのに貢献したのが、ヨルダンなんだね」
私「そういうことだ」
麻友「それで、与えられた、行列を、ジョルダン標準形というものにするのが、太郎さんには、難しかったのね」
私「そう。なぜ、ジョルダン標準形にしたいかというと、例えば、
を、そのまま、
と、求めていくのは、大変だが、ジョルダン標準形、この場合、
と、対角成分だけにすると、
さらに、
と、対角成分だけ、 乗するだけで、済むんだ」
若菜「つまり、行列の 乗が、楽にできる。でも、なんで、30年半も、かかったのですか?」
私「佐武一郎の『線型代数学』
でも、ジョルダン標準形の説明は、分かりにくい。齋藤正彦さんの『線型代数入門』でも、
192ページで、
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一般的に方法を説明すると非常に煩雑になるので,以下のいくつかの例から方法を体得されたい.行列の次数が大きくない場合には,おおむねこの方法の方が,単因子による方法よりも便利である.
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とあり、例が上げてあるだけで、ちょっと不親切」
若菜「いつものお父さんの、『分からなくても、もっと易しく書いてある本が、必ずある』は?」
私「そういう意味では、もう解決していた。
という本の第4章の最後。有限生成アーベル群の基本定理の応用で、ジョルダン標準形が、述べられている。また、
27182818284590452.hatenablog.com
の投稿にコメントしてきた、単因子さんというペンネームのひとの言葉で、ブルバキ 代数5(第7章 主環上の加群)で、完璧に証明されていることは、知っていた」
結弦「それで、なんで、30年半と、なるの?」
私「いきなり、パッと、『これの、ジョルダン標準形は?』と、言われて、インターネットにつながったパソコンもあるのに、『できません』では、通らない」
若菜「あのときみたいに」
麻友「あのときって?」
私「まだ、結弦が、小学生の頃だったな。結弦の一家が、実家に来てて、私も加わって、夕食を食べていた」
結弦「あれか」
私「ちょっと、トイレへ行こうと、私が、腰を上げかけた瞬間、それを、狙いすましたかのように、結弦が
結弦「たろちゃんは、多分、分かると思うんだけどさあ」
私「(何の話だと、座り直した方が良いのか、困っていた)」
結弦「九十九掛ける百一は?」
私「(何? を、 個も、足せって? そんなのできない。ごめんなさい、するか?)」
ここまでが、最初の1秒。
次の瞬間、立ち上がった眼の右隅に、
『』 という紙片が、見えた気がしたのだ。
私「( だ、そうすると、 でもある)」
私「(因数分解で(厳密には、式の展開で)、 だから、 として、・・・)」
ここまでで、2秒。
私「(結弦の方に、向き直りながら、 の自乗は、 で、と計算して、そこから、 を、引くとと、考えながら)結弦、それは、九千九百九十九だ」
結弦「やっぱり、たろちゃんは、分かったね。 のそれぞれの に、 を、掛ければいいんだもんね」
私「それを、思いつけなかったから、因数分解使っちゃったんだよ」
3秒。
父「つまり、」
結弦「因数分解って、何」
結弦のお父さん「お前の方法では、? では、駄目だろう」
結弦「大丈夫だよ」
結弦のお父さん「とにかく、お義兄さんは、別な方法を、使ったんだ」
私「あのときは、本当に、ヒヤリとした。パズルを出しあいっこ、しているときなら、始めからパズルだと考えるが、完全に不意打ちだった。この場合ではないが、本来解けるはずの問題を、解き損ねるのは、惜しい」
麻友「30年半、かけて、ウルフラムアルファが、あれば、いつでも、ジョルダン標準形が、書けるように、なったということなのね」
若菜「ちょっと、やってみてくれませんか?」
私「そろそろ、3500文字で、お腹も空いた」
麻友「起きてから、食べてないの?」
私「ちょっと、マックへ行ってくる。次の投稿で、やってみせよう。解散」
現在2022年9月19日14時06分である。おしまい。