女の人のところへ来たドラえもん

21歳の女の人と43歳の男の人が意気投合し、社会の矛盾に科学的に挑戦していく過程です。                    ブログの先頭に戻るには、表題のロゴをクリックして下さい。                                   数式の変形。必ずひと言、添えてよ。それを守ってくれたら、今後も数学に付き合ってあげる。

30年半かかったジョルダン標準形(その5)

 現在2022年9月22日5時38分である。(この投稿は、ほぼ4876文字)

麻友「プリンパフェ、1個食べたわね」

私「あーん。なんてやるのは、もっと恋人として、近付いてからだ」

若菜「昨日は、ジョルダン標準形、進められませんでした」

結弦「でも、お父さんが、僕達と、同時進行なのは、分かる」


私「ここから、手探りである。変換行列というのは、行列 A、を逆行列と自分自身で挟んで、ジョルダン標準形に変換する行列である。行列 A は、(その2)のときの定義と今回の定義が違うので、紛らわしいが、成分を見て、区別して欲しい。

{\displaystyle

A=\begin{pmatrix}
27 & 48 & 81\\
6 & 0 & 0\\
1 & 0 & 3
\end{pmatrix}}

に、変換行列のPを、{P^{ー1} A P} と、かけて、後から定めた、

{\displaystyle

\begin{pmatrix}
6 & 0 & 0\\
0 & 12 & 1\\
0 & 0 & 12
\end{pmatrix}}

と、一致しないかと、期待したのだ。そのとき、ひとつ勘違いしたということを、書いた」

私「(その2)のときの(計算したいA)

{\displaystyle

A=\begin{pmatrix}
27 & 48 & 81\\
6 & 0 & 0\\
1 & 0 & 3
\end{pmatrix}}

のところに、(その4)のときの A つまり求まったジョルダン標準形の、

{\displaystyle

\begin{pmatrix}
6 & 0 & 0\\
0 & 12 & 1\\
0 & 0 & 12
\end{pmatrix}}


を、入れてしまったのだ」


麻友「太郎さん。宇宙語しゃべってる」

若菜「でも、お父さんが、勝手に予想したり、予想に基いて、計算したりしているのは、分かります」

私「変換行列、

{\displaystyle P=

\begin{pmatrix}
3 & 18 & 2\\
ー3 & ー9 & ー\frac{1}{4}\\
1 & 2 & 0
\end{pmatrix}}

で、

(その4)のときの A つまり求まったジョルダン標準形の、

{\displaystyle

A=\begin{pmatrix}
6 & 0 & 0\\
0 & 12 & 1\\
0 & 0 & 12
\end{pmatrix}}

を、{P^{ー1} A P} と、挟んで、3つの積を、計算する。

{P^{ー1} A P}

と、入力して Shift + リターン」

私「文法が間違っていると、エラーが2つ。Mathematica 4.2の本、

を、見返すと、{P}逆行列 {P^{ー1}} は、

Inverse[P]

と、書けと。また、行列の積は、ピリオドを打って、

Inverse[P].A.P

と、書けと、書いてある。ようし計算。

Inverse[P].A.P

で、Shift + リターン。

{\displaystyle

\begin{pmatrix}
\frac{31}{3} & -\frac{46}{3} & -2\\
\frac{5}{6} & \frac{59}{3} & 1\\
ー14 & -100 & 0
\end{pmatrix}}

ああ、駄目か。{P} と、置いたのは、変換行列では、なかったのか。ガッカリ、ガッカリ」


私「ここまで、スラスラ書いているように見えるだろうが、この何倍も失敗している。こんなものでは、ないのだ」

麻友「失敗を、見せたかったの?」

私「いや、違う。この結果を見ていて、『うーん、駄目か。でも、数学では、右と左入れ換えたもの(つまり、{P^{ー1}} と、{P} の定義が、逆になっていること)って、あるよな。ここまでやったんだから、入れ換えて、みたら?』と、やってみた

P.A.Inverse[P]

ポン。

{\displaystyle

\begin{pmatrix}
27 & 48 & 81\\
6 & 0 & 0\\
1 & 0 & 3
\end{pmatrix}}

 きょとん。

 えーと、これ何なんだろう。

 そもそも、・・・。えっ、最初の行列?

 じゃ、できたんじゃない。

 麻友さん。できたんだよ!

 \(^O^)/-。

 どういうことかというと、

{P(求めたいジョルダン標準形、(その4)でのA)P^{ー1}}
{=(ジョルダン標準形を計算したい、(その2)のときのA)}

となっていることが、分かった」


 ここまで書いて、7時3分、眠くなり、眠った。


 現在2022年9月22日10時05分である。再開。

私「どういうことかというと、(求めたいジョルダン標準形、(その4)での {A} )を、改めて、{J} と、書くことにすると、

{P(求めたいジョルダン標準形、(その4)でのA)P^{ー1}}
{=(ジョルダン標準形を計算したい、(その2)のときのAつまり)}

は、

{PJP^{ー1}=A}

と、なるというのだ。具体的には、

{\displaystyle

A=\begin{pmatrix}
27 & 48 & 81\\
6 & 0 & 0\\
1 & 0 & 3
\end{pmatrix}}


{\displaystyle P=

\begin{pmatrix}
3 & 18 & 2\\
ー3 & ー9 & ー\frac{1}{4}\\
1 & 2 & 0
\end{pmatrix}}


{\displaystyle

J=\begin{pmatrix}
6 & 0 & 0\\
0 & 12 & 1\\
0 & 0 & 12
\end{pmatrix}}


である。そして、私は、

{PJP^{ー1}=A}

であることを、計算で、確かめたのだった。

麻友さん見てて、

 この式の左から、{P^{ー1}} を、かけ、

{P^{ー1}PJP^{ー1}=P^{ー1}A}

 で、次に右から {P} をかけ、・・・」

私「あ、言っておくけど、行列の積では、交換法則は成り立たないから、

{PJP^{ー1}=A}

から、

{PP^{ー1}J=A}

{J=A}

なんて、ことは、できないから、苦労してるんだからね。でも、結合法則は、成り立つ」

 だから、

{P^{ー1}PJP^{ー1}P=P^{ー1}AP}

で、

{(P^{ー1}P)J(P^{ー1}P)=P^{ー1}AP}

とすると、逆行列は、キャンセルして、{1} みたいに、なるのだから、

{J=P^{ー1}AP}

となる。つまり、行列 {A} を、ポーンと、与えられて、『これの、ジョルダン標準形を、計算して』と、言われたら、もう、Mathematica で、数分で、計算できるようになったんだよ。だって、Mathematica が、変換行列も、ジョルダン標準形も、計算してくれるのだもの」

麻友「それを、30年半もの間、やりたかった?」

私「そう」

若菜「やり遂げたお父さんは、凄いけど、Mathematica ほどのものが、必要だったのですか?」


私「ただちに、ウルフラムアルファで、計算できるかどうか、試す。Yahoo! Japan で、ウルフラムアルファ。自然言語から、いったん数学入力へ、行列の形をしたアイコンをタッチして、3行3列の行列を入力できるようにして、{A} を、入力。そしてそのまま、『のジョルダン標準形』としたら、エラーが出たので、入力した中身はそのままに、自然言語に戻る。行列が、リストで書かれているけど、『のジョルダン標準形』と入力して、リターンを、押すと、変換行列も、ジョルダン標準形も、表示された」

結弦「つまり、僕達でも、できるってこと?」

私「その価値が分かってればね」


若菜「ちょっと、気になるのですけど、お父さんは、ジョルダン標準形は、対角化することだと、言っていますが、上の {J} は、右下の {12} の上に、{1} が、あります。良いのですか?」

私「それなんじゃない。ただ完全に、対角化できるなら、誰も、そんなに、困らない。対角化できない行列というものが、あるんだ」

結弦「そう言えば、(その2)のとき、


{\displaystyle

B=\begin{pmatrix}
3 & 0 & 1\\
0 & 2 & 0\\
ー1 & 0 & 3
\end{pmatrix}}


は、


{\displaystyle

C=\begin{pmatrix}
4 & 0 & 0\\
0 & 2 & 0\\
0 & 0 & 2
\end{pmatrix}}


と、完全に対角化できた。こうできない場合が、あるの?」

私「今の {A} は、できない。この場合、実は、難しい言葉を増やしたくないので、言わないできたが、行列で重要な、固有値というものが、


{\displaystyle

A=\begin{pmatrix}
27 & 48 & 81\\
6 & 0 & 0\\
1 & 0 & 3
\end{pmatrix}}

では、そのジョルダン標準形、

{\displaystyle

J=\begin{pmatrix}
6 & 0 & 0\\
0 & 12 & 1\\
0 & 0 & 12
\end{pmatrix}}

で見て、{6} と、{12} なんだけど、{12} の方が、やっかいなことになってて、

{\displaystyle

J'=\begin{pmatrix}
6 & 0 & 0\\
0 & 12 & 0\\
0 & 0 & 12
\end{pmatrix}}

で、済まないんだ。どうして済まないのかというのは、固有空間というのの、性質が、関係しているのだが、麻友さんの前だから、言うけど、私も、完全には、分かっていない。ブルバキを読んでいくときの楽しみのひとつに、なっているんだ」

麻友「私には、ウソは言わない。なぜ、今まで、太郎さんが、全部を話してくれないのだろうと、思っていたけど、太郎さんも、全部は分かってなかったのね。話してくれて、ありがとう」

私「お腹空いたから、マックへ、食べに行ってくるよ」

若菜「プリンパフェしか、食べていなかったのですか?」

私「今日、ヤクルトレディが、来たから、ヤクルト400と、ヤクルトの発酵豆乳は、飲んだけどね」

結弦「今日も、PayPay に、入ってるの?」

私「910円くらい、入ってる」

結弦「じゃあ、たっぷり、食べておいでよ。バイバイ」

若菜「バイバイ」

麻友「バイバイ」

私「バイバイ」

 現在2022年9月22日13時28分である。おしまい。