女の人のところへ来たドラえもん

21歳の女の人と43歳の男の人が意気投合し、社会の矛盾に科学的に挑戦していく過程です。                    ブログの先頭に戻るには、表題のロゴをクリックして下さい。                                   数式の変形。必ずひと言、添えてよ。それを守ってくれたら、今後も数学に付き合ってあげる。

超実数そして実数(その6)

 現在2022年9月26日21時08分である。(この投稿は、ほぼ4884文字)

麻友「今日は、通院だったわね。問題は、なかったようだけど」

私「『尿酸値が高くて、痛風になって、左の肩が痛いのかも知れないですけど』と、言ったら、『五十肩なんじゃ、ないですか?』と言われた」

若菜「『夜、3時とか、5時とかに、目が覚めることもあって、今日は、(と、手帳を広げたら、)「8:11起きる」と、書いてあって、今日は、良く眠れたようです』と、答えたら、先生に、『細かいですね』と、言われましたね」


私「今日は、もう眠いので、続きは、明日にする。お休み」

 現在2022年9月26日21時52分である。中断。


 現在2022年9月27日3時04分である。再開。

麻友「また、随分早くから、起きているわね」

私「十分寝た気持ちなのに、時計を見たら、2時22分だったんだ」

麻友「眠くなったら、寝るのよ」

私「うん。そういえば、Web広告で、秋元康が、ヤクルト1000の、コマーシャルやっているみたいね」

麻友「秋元大先生が、若手のAKB48のメンバーと、CM作った。私の以前のヤクルトレディと、関係はないと言ったら、ウソになるわね」

私「乳酸菌が、1000億個入っていても、無限個には、かなわないことを、示そう。そのために、(その5)のときの、フィルターの定義から、振り返ろう。


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 1.1.1 定義

 {I} を空でない集合,{\mathscr{P}(I)}{I} の羃(べき)集合,すなわち {I} の部分集合の全体とする.{\mathscr{P}(I)} の空でない部分集合 {\mathscr{F}} がつぎの三条件をみたすとき,{\mathscr{F}} を、{I} 上のフィルター(filter)という:

a){\emptyset \notin \mathscr{F}}

b){A \in \mathscr{F}, A \subset B \Rightarrow B \in \mathscr{F}}

c){A,B \in \mathscr{F} \Rightarrow A \cap B \in \mathscr{F}}


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                 (齋藤正彦『超積と超準解析』9ページより)


だった」

若菜「もう、忘れかけてる」

私「忘れても、いい。見て、何が問題だったか、思い出せれば」

結弦「この定義では、{I} 上のフィルターとなっているけど、真理のカメさんは、{\mathbb{N}} 上のフィルターなんだよね。どうして、こんなものを、考えるの?」

私「(その3)のときの、

{a=(0,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1, \cdots)}

と、

{b=(1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1, \cdots)}

を、等しいとして良いか、というとき、数列の同じ番号のところが、同じ数のところ、この場合、{\{1,2,3,4,5,6,7, \cdots\}} という集合が、{\mathscr{F}} に、入っている。というように、上手く判定できるようなものが、欲しかったからだよ」

若菜「どうして、この条件なんですか?」

私「まず、a)の、

a){\emptyset \notin \mathscr{F}}

は、全く一致している番号がない、というのは、同じ超有理数と、見なすわけには、いかないということで、真理のカメさんには、入ってないというのは、いいな」

私「次に、

b){A \in \mathscr{F} , A \subset B \Rightarrow B \in \mathscr{F}}

なんだけど、

{i=(3,3.5,4,4.5,5,\cdots)}

と、

{j=(4,4.5,4,4.5,5,\cdots)}

とを、比べると、同じところの集合は、{\{2,3,4,5,6,7, \cdots\}} となる。これは、補集合、{\{0,1\}} という集合が、有限集合だから、以前の議論で、真理のカメさんは、『持ってるよ』と、答えてくるはずだ。でも、今は、真理のカメさんでなく、ただのフィルターを、考えているから、その議論は、使えない。ただ、もし、フィルターに、{\{2,3,4,5,6,7, \cdots\}} が、入っていたら、と仮定することは、できる。その場合、新しく、

{k=(3,4.5,4,4.5,5,\cdots)}

という元が、

{i=(3,3.5,4,4.5,5,\cdots)}

と、同じかどうか、と、問うことは、できる。この場合、同じところの集合は、{\{0,2,3,4,5,6,7, \cdots\}} である。ここで、同じ場所の集合は、見て分かるように、{\{2,3,4,5,6,7, \cdots\} \subset \{0,2,3,4,5,6,7, \cdots\}} である。つまり、フィルターに入っている集合より、大きい集合は、やっぱり、フィルターに入っているとするのが、望ましいだろう。というのが、

b){A \in \mathscr{F} , A \subset B \Rightarrow B \in \mathscr{F}}

なのである」



 現在2022年9月27日18時19分である。再開。

麻友「太郎さん。マックへ行ってたのね」

私「1日1回は、外へ出るように、している」

若菜「良いことです」

結弦「a)と、b)の条件は、分かった。c)の条件は?」

私「これが、分かり易く書かれている本は、なかなか、見つけられなかった。だが、以下の本で、克服できた。

の、5ページ」

私「差し当たって、さっきのような、

{i=(3,3.5,4,4.5,5,\cdots)}

に関し、これと、

{j=(4,4.5,4,4.5,5,\cdots)}


が、等しいというのを、どう表そうか?」

若菜「同じ同値類に、属すと、言うことですよね」

麻友「何を、言ってるの? 同値類?」

私「ああ、良いんだ。そう、同値類を、まとめるという話なんだ」

若菜「有理数のときは、{\sim} でしたけど、今回は、{\stackrel{\mathscr{F}}{\sim}} とか」

私「それで行こう」

若菜「{i \stackrel{\mathscr{F}}{\sim} j} みたいに、表すわけですね」

私「それで、同値類ということは、何をチェックするのだった?」

麻友「同値関係の反射律、対称律、推移律、だったわね」

私「おお、追い付いて来たね」

結弦「この場合、反射律や、対称律は、余り問題ではなく、推移律が、問題だね」

私「{i \stackrel{\mathscr{F}}{\sim} j} と、{j \stackrel{\mathscr{F}}{\sim} k} から、{i \stackrel{\mathscr{F}}{\sim} k} が、導けるかどうかだな」

麻友「あっ、そうか、{\{n|i_n=j_n \} } と、{\{n|j_n=k_n \}} とするとき、{\{n|i_n=k_n \}} に、{\{n|i_n=j_n \}\cap \{n|j_n=k_n \}} は、含まれている。c )の条件が、成り立つなら、推移律がなりたつことに、なるんだ。だって、その集合より大きい集合は、条件b)により、フィルターの元なのだものね」

若菜「これで、同値類に分けるという、目的のためには、フィルターという概念は、有効ですね」


結弦「ちょっと、フィルターというものを、作ってみようよ」

若菜「私達の目的のためには、一般的な、{I} よりも、{I=\mathbb{N}} のときの方が、良いですね」

私「そうだな。作り方が、簡単な例としては、{\mathbb{N}} の、あるひとつの空でない部分集合を含む部分集合の全体。というのがある」

麻友「太郎さん、私達のレヴェルを考えて、言ってる?」

私「ゆっくり考えれば、分かる」

若菜「例えば、空でない部分集合として、{\{4,7\}} とか、しましょう。あっ、お母さん、お父さんの心が、ちょっとずつ離れて行ってますよ」

麻友「大丈夫。今日、もう一度、『ねらわれた学園』観て、ナツキという幼なじみの声が、本当に私かどうか、チェックしてたくらいだから」

結弦「余りにも見え透いた、48に、したくなかったんだと思う」

私「お前たち、勝手なこと、言ってるな。47、にしたのは、48から、46に移りたいからでなく、

を、思い浮かべていたからだよ」

若菜「あっ、ブルバキ。長らく、放置プレイに処されてますけど、復活する可能性は、あるんですか?」

私「まだ話してなかったけど、ブルバキのスペクトル論という巻に、新巻が出るんだ。

ブルバキが、今でも、必要とされているんだ。嬉しい」


結弦「それで、{\{4,7\}} を含む、{\mathbb{N}} の部分集合の全体とは、

{\{\{1,2,3,4,5,6,7\},\{2,3,4,6,7\},\{4,7\},\{4,7,9\},\cdots\}}

というようなものだ。{\emptyset} は、含まれていない。{\{4,7\}} より、{\{4,7\} \subset \{4,7,9\}} だから、{\{4,7,9\}}は、フィルターに入っている。 {\{1,2,3,4,5,6,7\},\{2,3,4,6,7\}} から、{\{1,2,3,4,5,6,7\} \cap \{2,3,4,6,7\}} だが、どちらも、{\{4,7\}} を含む部分集合だから、{\{4,7\}} を含む、{\mathbb{N}} の部分集合全体に、含まれている。丁寧に見ていくと、全く分からなかったことも、分かってくるんだな」

私「今日は、ここまでとするが、今後、さらに、超フィルターへと、進み、{\omega ー\mathrm{incomplete}} な超フィルター、非単項超フィルター などと進む。ここで、非単項で、{\omega ー\mathrm{incomplete}} でない超フィルターは、存在するかどうか、分かっていない。という謎の言葉と、出会う。楽しみにしていて欲しい」

若菜・結弦「おやすみなさーい」

麻友「おやすみ」

私「おやすみ」

 現在2022年9月27日22時36分である。おしまい。