現在2023年4月3日17時34分である。(この投稿は、ほぼ3262文字)
麻友「太郎さん。嬉しそう」
私「量子力学の本で、分からなかったところを、攻め落としたんだ」
若菜「どの本ですか?」
私「グライナーの本」
結弦「これ、新装版より新しいのが、あるみたい」
私「本当のこというと、こんな非相対論的量子力学のレヴェルで、新装版なんか出すのは、卑怯なんだよ。あのファインマンの『ファインマン経路積分と量子力学』という題で、最初マグロウヒルから出版された本も、『量子力学と経路積分』という題になって、みすず書房から、出版され、さらにトコトン誤植を直したという『emended edition』というのが、アメリカで発売され、やがて日本語訳も出た。
良い本だから、最新のを、と思う気持ちにつけ込んでいて、非常に不愉快だ」
若菜「敵はどういう問題だったんですか?」
私「グライナーの本の第4章 4.8 角運動量演算子と球面調和関数 という節で、角運動量ベクトルの2乗を、計算するのに、手間取った。そこを、一応黙認して、読み続けたが、4.9 運動エネルギー演算子 という節で、問題はさらに複雑になって、来襲してきた。元寇みたいだ。こちらも、武器を揃えて、待っていた」
結弦「武器って?」
私「この間、(その17)の記事で、チラッと言った。杉浦『解析入門Ⅰ』の144ページのこれ」
結弦「Mathematica で、検算したいって、言ってた、あれか。Mathematica で、できたの?」
私「出来なかったんだよ」
若菜「出来なかったら、困るじゃないですか。どうしたんですか?」
私「手で確かめるしかないじゃん。だから、『解析入門Ⅰ』のその節に書いてあるとおり、計算して、確かめた」
若菜「それが、分かると、どう良いことが、あるんですか?」
私「4.9 運動エネルギー演算子 という節で、運動エネルギー演算子を、
とした後、
と、計算できる。実は、1回目に来襲したとき、
の部分は、苦労して、計算してあった。そして、今回、
の部分が、計算で確かめられた」
結弦「何か、新しいことが、分かった?」
私「分かったんだよ。杉浦光夫さんの本で、
となってるのは、間違いではないけど、計算で確かめた式で、 で、式が括れるだろう。だから、
と、変形できて、ラプラシアンが、 で括れるということを、知った。偏微分方程式は、17世紀から研究されているから、偏微分方程式の本には、当然書いてあるだろうけど、教科書で読む前に、気付いたということは、疑似太郎の定理ということで、自由に使える。偏微分方程式、勉強する時期が、到来したと、言えるかもな」
麻友「ああ、太郎さん。こういうことなのね。数学を楽しんでいる。疑似太郎の定理、何番目か、分からないわね」
若菜「ラプラシアンって、なんですか?」
私「ああ、あの上向きの三角のしるし。シュレーディンガー方程式やるとき、出てくるかも」
結弦「僕も、疑問。どうして、上の式で、左辺では、関数が、 なのに、右辺では、 になってるの?」
私「あれはね、杉浦光夫さんが、直交座標の の関数と見るか、極座標の の関数と見るかで、違う記号を使ってたからなんだ。今の段階では、余り悩まなくて良い」
麻友「薬の時間よ。おやすみ」
若菜・結弦「おやすみなさーい」
私「おやすみ」
現在2023年4月3日21時50分である。おしまい。