女の人のところへ来たドラえもん

21歳の女の人と43歳の男の人が意気投合し、社会の矛盾に科学的に挑戦していく過程です。                    ブログの先頭に戻るには、表題のロゴをクリックして下さい。                                   数式の変形。必ずひと言、添えてよ。それを守ってくれたら、今後も数学に付き合ってあげる。

ボーヴォワールと上野千鶴子にとっての老い(その5)

 現在2022年5月24日20時09分である。(この投稿は、ほぼ3828文字)

麻友「えっ、まだ、語り残したこと、あったっけ」

私「麻友さんとは、かなり、やり合ったけど、そもそもの、『ボーヴォワール上野千鶴子にとっての老い』について、ほとんど、触れてない」

若菜「哲学書『老い』は、触媒だった、ということで、どうですか?」

私「触媒(しょくばい)なんて、良く知りもしない言葉を、使って」

若菜「知ってますよ。酵素って、触媒ですよね」

私「そこで、止めておけ」

若菜「お母さんが、コマーシャルやってた、ヤクルトって、乳酸菌飲料でしたよね。電子辞書によると、乳酸菌というのは、乳酸発酵に関与する細菌の総称と、あります。つまり、ヤクルトに入っているのは、乳酸発酵させる酵素だから、触媒のはずです」

私「あっ、若菜の最後の1行だけ、責任持てません。ごめんなさい」

麻友「どういうことなの?」

私「皆も知っているように、私は、化学には、弱い。電子辞書や、次の本を見たりもしたが、




乳酸菌が、触媒と同様の働きをする細菌であるところまでは、確認できたが、細菌という生き物を、触媒と呼んで良いのかどうか、確認が取れなかったんだ」

麻友「ああ、生き物なのね。それにしても、太郎さんって、そこまで、バリケードはって、異物が混入しないように、気を付けているのね。疲れない」

私「大学に入ったばかりの頃は、すっごく鬱陶しかった。でも、慣れると、却って安心できるようになるんだ」

若菜「せっかく、お母さんのヤクルトレディを、宣伝したのに」

私「科学に関することで、間違ったことを、分かってて、書くわけには、いかないんだ」

若菜「でも」

結弦「効果は、変わらん」

麻友「ああ、映画『評決』、良かったわね。あの先輩弁護士のその言葉、記憶に焼き付くわね」


私「また、本題から、それちゃった。まず、100分で名著の『老い』の結論となる第4回は、2022年5月19日に、やはりポートで、観た。ただ、正直に言うと、1回観ただけでは、消化しきれず、日曜日の5月22日、もう一度、家で見返した」

麻友「あっ、何も、書いてこなかった日」

私「そう。これも、原因だった。ボーヴォワールの結論は、『老人ホームを作るなら、都会の真ん中に、作るべし』というものだった」

若菜「『老人が、ひとりになれる部屋も必要』とも、言ってましたね」

結弦「伊集院光さん。『自分は、学校ですら、協調して生きられなかったから、年取って、また集団生活なんて、いやだ』と、言ってた」

麻友「私、2006年から2017年まで、11年以上、AKB48にいたから、共同生活に向いているかと思われるかも知れないけど、本当は、辛かったの」

私「たかみな(高橋みなみさん)が、『どうやってガス抜きしているのか、見えない子でしたね』と、言ってた。インスタグラムの裏アカウントを、暴かれた後、本当にブラックホールに放り込んでいたんだろう」

麻友「お願い。これ以上暴かないで」

私「私は、気楽なんだよ。23歳も年上で、平均寿命が、女より短い男だから、必ず私の方が、先に死ぬ。だけど、残った麻友さんの老後って、どうすれば良いんだろう?」

若菜「私達は、AIだから、バッテリー外しちゃえば、それまでなんですけどね」

麻友「太郎さんは、以前、壮大なことを言った。相対論のブログの『なぜ自殺してはいけないのですか?(~2)』という投稿で、『死んだら、肉体がなくなるだけなんだ。触れなくなるだけなんだ』と、映画『ゴースト ニューヨークの幻』を、引いて言った。あれを聞いて以来、私は、死が恐くなくなった。太郎さんが良く言う、『巫女さんが、神掛かり的になったような状態』だったから、言えたことだと思う」

私「麻友さんが、大丈夫なら、私は、安心して死ねるよ」


結弦「ただ、ボケちゃうと、周りにも迷惑かけるし、将来、自分がそうなるのは、嫌だよな」

私「その点に関し、上野千鶴子は、将来のことを、今決めるのは、絶対良くないと、言っていた。そのときになってみないと、本当のところは、分からないから。これは、人間達が、この先も、考えて行かなければならない問題なんだ」

若菜「この4人のなかで、最年長のお父さんは、どう思っているのですか?」

私「実は、私、人が死んだ場所に、居合わせたことないんだ。だから、映画なんかで観る、ひとの死を、本当かなあと、思っている部分があって、ただ、最近、明らかに自分に認知症の兆候が現れてきて、世間に言われていることが、本当なんだなあ、と、思い始めたばっかりなんだ」

結弦「つまり、やっと、『老い』というものを、考え始めた段階?」

私「そう」

麻友「ボーヴォワールについては、どうだった?」

私「大学入学して、内海さんのこともあり、ボーヴォワールの『第二の性』を、文庫で、5冊買ってきて、読み始めたけど、とにかく色んな文献を挙げたりして、ひとつひとつのことを、証明していく。女の人として、内海さんを思い浮かべるから、もの凄く、リアルに感じられて、余りにも厳密な証明に、気分が悪くなって、1巻だけは、読んだけど、後の4巻は、読めなかった。だから、『老い』にしても、100分で名著だけで、十分だと感じた」

若菜「色々な名著が、マンガになることを、憂えるお父さんでも、そうですか」

私「この『老い』についての解説を見て、『『数Ⅲ方式ガロアの理論』のガイドブック』は、作る甲斐あるかなとは、思った」

結弦「ぶっちゃけ、お父さんは、何章まで読んであるの?」

私「第19章の336ページまでだ。実は、この本で、一番嫌らしい部分だ」

若菜「どうしてですか?」

私「ルフィニが、これは、当然だろうと仮定して、5次方程式は、代数的に解けないという証明をするところがある。一方、ルフィニと独立に、アーベルが、5次方程式は、代数的に解けないということに、気付き証明を企てる。アーベルは、ルフィニが当然と仮定した部分にまで、証明をつける」

私「当たり前に見えることを、証明するというのは、やりにくいことが多く、場合を分けたり、具体例で考えにくい分かりにくい証明の連続になる。数学の中で、初等的には証明しにくい、『ユークリッドの互除法(ごじょほう)』まで出てきて、これでもか、と、挑戦すべきことが続く。第20章は、『不可能の証明を完成する』で、やっと、アーベルの業績の代表的なものを、味わうことになるんだ」


麻友「太郎さん。最近、ちょっと精神が、安定しているのかしら?」

私「どうして、そんなことを?」

麻友「太郎さんの手が、綺麗になってる。半月前まで、引っ掻いて、引っ掻いて、血が出てるほどだったのに」

私「麻友さんが、手をつなぎたいと、神様にお願いしたんじゃない?」

麻友「ウフフ。太郎さんと、握手は、接線(tangent line)、だったわね。その次は、曲率円(osculating circle)だったわね」

私「特待生、健在」

若菜「お母さん。『Momm!!』か何かで、自分のお父様とお母様が、イチャイチャしたら、吐きます。なんて言ってましたが、私達の前で、随分ですねえ」

結弦「前言、撤回しなきゃ」

麻友「年老いても、性欲などは、決してなくならない。それを、受け入れられる社会であるべきだ。というのが、『第2回』と、『第3回』で、何度も言ってたことだったわね。私も、色々と、考え方を修正させられた、番組だったわ」

私「今回の100分で名著は、去年(2021年)の6月28日から、7月19日まで、Eテレで、22時25分から、25分ずつ放送されたものだった。録画してすぐは、観る気にならなかったが、ポートのひとは、老いを、感じ始めているひとも多いだろうということと、私の認知症が進んで来たので、どこかで観なければ、ということで、ポートで麻友さんの過去の映像を観るのを削って、敢えて観たのだった」


麻友「そこで、私を切れるところが、太郎さんの魅力なのよね。次は、何か、用意しているの?」

私「余り、100分で名著ばっかりやると嫌がられるから、ちょっと、間をおく。実は、同じく100分で名著で、大江健三郎の『燃え上がる緑の木』というのを、録ってあるんだ」

麻友「本当に、勉強好きね」

私「人生は何事もなさぬにはあまりにも長いが、 何事かをなすにはあまりにも短い」

若菜「誰の言葉?」

私「『山月記』を書いた、中島敦(なかじま あつし)の言葉らしい」

麻友「確かに、太郎さんは、数学と物理学をどけると、色々、面白い。でも、太郎さんも、『第二の性』を読んで、気分が悪くなったと言ってたでしょう。私も、数学の証明を読んでいると、気分が悪くなるの。それを分かってよ」

私「きっと、対面して話したら、もっと、面白さを、伝えられるんだろうけどなぁ」

結弦「取り敢えず、今日は、ここまでにしよう」

若菜・結弦「おやすみなさーい」

麻友「おやすみ」

私「おやすみ」

 現在2022年5月24日23時42分である。おしまい。