女の人のところへ来たドラえもん

21歳の女の人と43歳の男の人が意気投合し、社会の矛盾に科学的に挑戦していく過程です。                    ブログの先頭に戻るには、表題のロゴをクリックして下さい。                                   数式の変形。必ずひと言、添えてよ。それを守ってくれたら、今後も数学に付き合ってあげる。

ボーヴォワールと上野千鶴子にとっての老い(その4)

 現在2022年5月23日19時34分である。(この投稿は、ほぼ2647文字)

麻友「昨日は、何も書いてこなかったわね」

私「だって、麻友さんが、『ちょっと、考えてみるわ』って、言ったから、ゆっくり考えられるように、と思って」

若菜「それでかどうか、知りませんが、お父さん、映画2本も観てましたね」

結弦「でも、なんで、あんな見方したの? 『オールウェイズ』という映画を、最初30分観て、切り、それから、『麗しのサブリナ』の、最後から10分だけ見るなんて」

私「人生も、終わりが、近付くと、『気になっていたあのシーンだけ、観たい』という映画が、何本かできるんだ」

麻友「『あのシーンだけ、観たい』? 『オールウェイズ』って、良い映画なの?」

私「これは、私に取って、どうしても、もう一回観たい映画だった。私が、京都から帰ってきたばかりの頃、家族みんなで観た。ストーリーは、山火事を消すために、水をかける、飛行艇乗りの話だ。彼女に、真っ白の綺麗なドレスをプレゼントして、誕生日を祝い、ダンスに誘う。そのときかかる曲が、有名な曲だと母は言うのに、母が思い出せない。映画が終わって、水野晴郎が(水野晴郎なんていう解説者が、出てくること自体、時代がかっているが)

水野晴郎「良いシーンでしたね。『煙が目にしみる』を、バックに・・・」

それを、聞いて、

母「ああ、『煙が目にしみる』だ」

と、思い出した。だが、映画は、終わってしまい、私は、どれが、『煙が目にしみる』なのか、分からない。今だったら、ブルーレイなら、チャプターで検索できるが、当時は、VHS のビデオテープの時代だ。まだ、統合失調症という病名も分からず、ただ、恋愛で、気が狂って帰ってきたというのが、家族の認識だから、今までのような、チャンネル争いに勝てる身分でもない。

当時の私「本当に、『煙が目にしみる』だったのかな?」

弟「また、妄想が、生まれちゃったんじゃない?」

という状態で、『いつか、確認しよう』と、固く誓ったのだった」

若菜「お父さんって、以前の『ジャン・クリストフ』にしても、秘かに誓っていることが、いくつもあるんですね」

結弦「それで、『煙が目にしみる』は、分かったの?」

私「うん。ただ、想像していたところより、5分くらい後から、かかることが、分かった。彼女に、真っ白なドレスを、プレゼントして、それを着てくる彼女を待つ。誰もがハッとするような、着替えた彼女が、現れる。ここで、『煙が目にしみる』が、かかるのだと、思っていた。だが、実際には、ふたりは口げんかを始め、男の方が、ふたりの思い出の曲を、バンドに頼んであったことが分かり、そこで、やっと『煙が目にしみる』が、かかり、ふたりは、ダンスすることに、なるんだ」

麻友「太郎さん。真っ白なドレスとか、真っ白の綺麗なドレス、とか言ってるけど、先日の、私のドレスを意識して、書いているのよね?」

私「いや、これ、全くの偶然なんだ。『オールウェイズ』は、先週の火曜日(2022年5月17日)に、放送されたのを録画したものであり、麻友さんに当てこすりを言うつもりは、なかった」

若菜「ここで、はっきりさせません? お母さんの先日のドレス。これ、


は、ただの白いドレスなのか、ウェディングドレスなのか?」

私「このドレスの用途は、ウェディングドレスだという点では、納得した」

麻友「どうして?」

私「だって、裾引きずってる。これで、町中へ出たら、ホコリ集めるモップみたいになっちゃう。『オールウェイズ』の主人公の彼女にプレゼントするドレスは、足が出ていた」

麻友「引っかかるのよね。

このドレスの用途は、ウェディングドレスだ。

というのと、

このドレスは、ウェディングドレスだ。

とは、違う。なんで、こんなこと言うの?」

若菜「用途が、ウェディングドレスのドレスを、結婚式以外で、着ている。と、お父さんは、言ってるのですね」

私「そう。その話は、差し当たって、これ以上しても、不毛だ」


結弦「『麗しのサブリナ』の最後10分だけを観たのは?」

私「これも、私の闘病生活の、産んだものだ」

若菜「どうして?」

私「やはり、京都から帰ってきたばかりの頃、横浜市の中央図書館へ、映画を観に行っていた話は、何度もしているな」

若菜「ああ、話の筋が分かり易い、『男はつらいよ』のシリーズを、いくつも観たとか」

私「そう。図書館のスペースで観る映画だから、一般的な名作が、多い。どういう基準で選ぶかというと、有名な女優さんが、出ている映画とかなる。オードリー・ヘップバーンなんて、もってこいなわけだ。私も、『噂のふたり』、『尼僧物語』、『ティファニーで朝食を』、など、駄作を幾つも見た。そのひとつに、『麗しのサブリナ』もあった」

麻友「『麗しのサブリナ』は、駄作なの?」

私「ハンフリー・ボガートウィリアム・ホールデン、と、名優が揃ってはいるが、映画としては、駄作だ」

若菜「サブリナパンツとか、サブリナシューズとか言って、若い女の子にとって、浜崎あゆみ、みたいな人だったんじゃないですかね。当時」

私「お前、ちょっと時間軸、戻り過ぎてるぞ。浜崎あゆみは、私が京都から帰ってきた頃だ。今だったら、有村架純とか、橋本環奈とか、広瀬すず、とか言わないと、ファッションリーダーに、数えられないんじゃないか?」

麻友「太郎さんは、有村架純さんは、『ビリギャル』、橋本環奈さんは、あの1枚の写真、広瀬すずさんは、朝ドラ『なつぞら』と、ドラマ『津田梅子』でしか、知らないはず。偉そうなことは、言えないわよ」


結弦「それで、中央図書館で、『麗しのサブリナ』を、観たんなら、なぜ?」

私「観ていたら、閉館時間21時になっちゃったんだ。それで、レーザーディスクを止められて、最後、もう話は分かっているのに、最後の1分くらい観られなかったんだ」

若菜「そういうことか」

麻友「気が済んだのね。良かったじゃない」

私「こんな話、聞いてくれるの、麻友さんだけだよ」

麻友「今日は、これで、終わりにしましょう。おやすみ」

若菜・結弦「おやすみなさーい」

私「おやすみ」

 現在2022年5月23日23時23分である。おしまい。