女の人のところへ来たドラえもん

21歳の女の人と43歳の男の人が意気投合し、社会の矛盾に科学的に挑戦していく過程です。                    ブログの先頭に戻るには、表題のロゴをクリックして下さい。                                   数式の変形。必ずひと言、添えてよ。それを守ってくれたら、今後も数学に付き合ってあげる。

約束だった数学(その8)

 現在2022年9月10日15時41分である。(この投稿は、ほぼ4700文字)

麻友「一昨日観たと言ってた、映画『七年目の浮気』。1955年の映画だって、言ってたわね。1955年って、とっても大切な年だったような・・・」

結弦「物理学者を標榜するお父さんが、気付いていないわけないよ」

若菜「アインシュタインが、死んだ年だったですね」

私「そう。太平洋戦争での敗戦から10年目。覚えやすいよね」


麻友「覚えやすい年に、生まれるとか、死ぬとかすると、多くの人の心に、残るわね。私の1994年は、・・・」

私「私が、発病した年だよ。絶対に忘れない」

麻友「私の色香で、狂わしたわけではないわ」

私「それは、分かっているけど、私が社会からドロップアウトして、それまで想像もしなかった人生に変化したのは、確かなんだ」


麻友「暗い話は、置いておいて、今日も、やるんでしょう?

これ?」

私「分からない問題は、放っておいて、分かるところを、進んでいる。今日は、04の、いろいろな計算の章。写真を撮った」



若菜「段々、進んでますね」

結弦「お父さんが、2枚目の上のところに、ゴチャゴチャ書いてる」

私「『分数は、かけ算割りから生まれた。だから分数の足し算引き算は、難しい。
            算 2022.8.29 16:53:45
2022.4.24 16:40:50』

と、書いてある」

麻友「『割り数』と、間違ったところを、『割り算』と、直すときも、時刻を秒まで書いているの?」

私「余裕があれば、必ず書いている。でも、ブログの誤字を見つけたのを、直すときまで、そんなことやってられない。平気で直している」

結弦「お父さんに言われて、初めて気付いた。分数は、掛け算や割り算で、定義されてる。だから、分数は、足し算や引き算のためのことを、考えてないんだ」

若菜「あの、通分って、非常に煩わしいですよね。どうすべきなんでしょ」

麻友「私も、同値類使って定義した、分数の足し算なんて、想像もできないわ」

私「これはねえ、まさに、ニールス・ボーアのように、いったん馬鹿みたいに、なると、いいんだ。例えば、

{\displaystyle \frac{12}{48}+\frac{7}{36}=?}

みたいな、計算。結弦、どうする?」

結弦「これくらい、できるけど。分母が、どっちも、{12} の倍数で、

{\displaystyle \frac{12}{48}+\frac{7}{36}=\frac{1}{4}+\frac{7}{3\times3\times4}=\frac{3\times3\times1}{3\times3\times4}+\frac{7}{3\times3\times4}=\frac{9}{36}+\frac{7}{36}=\frac{16}{36}}

{\displaystyle =\frac{4}{9}}

が、答え。思った以上に、簡単になった」

私「麻友さんが、ルパン三世というアニメを、どれくらい観たことがあるか、知らないんだけど、あの中の話の一つで、もの凄い計算の天才の少年と、ルパンが対決する話があるんだ。ふたりが、決闘で、どれだけたくさんのお金を集められるかを、競うことになる。その少年は、何でも計算できるので、カジノで、莫大なお金を、稼ぎ出すんだよね。それを、見ていたルパンが、『これは、勝てない。でも、負けない方法ならある』と言って、世界中から、ダンプカーで、何千台もの小銭を、集めるんだ。本当に、ガーッ、ガーッ、と、もの凄いたくさんの小銭が集まる。それを見た少年が、『この小銭を、数えるには、最低でも、何十年もかかります。決闘は、引き分けですね』と、かぶとを脱ぐ」

麻友「それを、やるの?」

結弦「馬鹿になれって、分かった。

{\displaystyle \frac{12}{48}+\frac{7}{36}=\frac{12\times36}{48\times36}+\frac{7\times48}{36\times48}}

って、馬鹿みたいに、分母を同じにする。そして、

{\displaystyle =\frac{12\times36}{48\times36}+\frac{7\times48}{36\times48}=\frac{12\times36+7\times48}{36\times48}}

は、正しいよね。これなら、整数の足し算だ。

{\displaystyle =\frac{12\times36+7\times48}{36\times48}=\frac{432+336}{36\times48}=\frac{768}{1728}}

そして、僕達の数学では、同値類の代表は、どれで表しても、良いんだったね。きっと、この代表は、{\displaystyle \frac{4}{9}} と、一致すると、思うよ」

私「やってみな。同値かどうか?」

若菜「{\displaystyle \frac{768}{1728}} を、約分するのですか?」

私「交差させて掛けたものが、等しければ、分数として等しい、というのは、結弦の発見だった。見ていてごらん」

結弦「{\displaystyle \frac{768}{1728}} と、{\displaystyle \frac{4}{9}} とが、等しいことを言うには、{768 \times 9 =6912} 次に、{4 \times 1728 = 6912} うぉー。できた。僕達は、分数の足し算を、定義できたんだ」


麻友「今日は、結弦の日だったわね。でも、太郎さん。こんなのが、試験の答案書くより簡単なくらいで、書けちゃうの?」

私「『アーベルになれなかった男』だから」


結弦「定義するよ。


 定義 分数の足し算

{\displaystyle \frac{a}{b} + \frac{c}{d} = \frac{ad}{bd} + \frac{bc}{bd} =\frac{ad+bc}{bd}}

と、定義する。約分のことは、今は、考えていない。

 定義 終わり


約分は、どうすれば、いいの?」

私「ある整数を約分するためには、その整数の約数が、分かっていなければ、ならない。それは、つまり、その整数の素因数分解を、知ると言うことだ。だが、思い出して欲しい。小林りんさんと、RSA暗号を作ったとき、それがもの凄く解かれにくいのは、素因数を、見つけるというのが、半端でなく難しいというところに、根拠があったということを。小学校で、約分を、沢山やらせるが、大きい数になると、その約数を知るのに、何年もかかることが、ある。約分のゴールデン・ルールなんて、ないんだ。実際、大きい数を、割ってみる以外には。そういう大きい数が、マイナンバーカードに入っているというのが、9月7日の『笑わない数学』の、オチだったんだよね」

麻友「あの番組、30分見て、それが分かる人は、ほとんどいないわよ」

若菜「問題を、やってみませんか?」

私「既に、すっ飛ばしてきた、02のたし算とひき算の章から、

の(7)番(8)番、解けないか?」

若菜「いきなり、これですか? 『AKB48中学数学』。無茶苦茶ですね。でも、

(7){\displaystyle \biggl(+\frac{1}{5} \biggr)- \biggl(-\frac{3}{5} \biggr)}

ですが、結弦のやり方を使わなくても、マイナスのマイナスは、プラスで、分母が等しいので、

{\displaystyle =\biggl(+\frac{1}{5} \biggr)+ \biggl(+\frac{3}{5} \biggr)=\frac{1}{5} + \frac{3}{5} =\frac{1+3}{5}=\frac{4}{5}}

と、求まります」

私「そんな、若菜。お前は、もう高校3年生だから、さらっと解けるが、中学1年生にとって、この問題が、第02章に書いてあるのは、お前が最初に感じたように、無茶苦茶だ」

結弦「(8)というのは?」

(8){\displaystyle \biggl(-\frac{1}{2} \biggr)- \biggl(-\frac{2}{3} \biggr)}

結弦「これか、マイナスのマイナスは、プラスで、

{\displaystyle = \biggl(-\frac{1}{2} \biggr)+ \biggl(+\frac{2}{3} \biggr)}

あれっ、マイナスの分数の足し算なんて、定義してないぞ。でも、取り敢えず、

{\displaystyle = \biggl(\frac{-1}{2} \biggr)+ \biggl(+\frac{2}{3} \biggr)}

として、僕の定義に持ち込んで、

{\displaystyle = \frac{(-1)\times3}{2\times3} + \frac{2\times2}{2\times3} =\frac{(-1)\times3+2\times2}{2\times3}=\frac{-3+4}{6}=\frac{1}{6}}

この場合、約分しなくても、答えになった」

麻友「式変形には、言葉を添えるという約束は?」

私「それやってると、私の数学が、停止しちゃうんだ。ある程度の勢いがないと、駄目なんだ。どうしても必要な注釈は入れるからね」

麻友「分数の割り算は、若菜が、計算機で、決着つけた。分数の足し算は、さっきの定義。そして、マイナスのある分数の足し算を、今結弦が、やってのけた。だから、分数の引き算も、ほぼ手中にある。あと、何をやらなければ、ならないの?」

私「『AKB48中学数学』では、この後、小学校で習わない、文字式の話になる」

麻友「それを、やるの?」

私「あんまり、やりたくない」

若菜「どうしてですか」

私「当たり前過ぎることを、延々とやるのは、好みではない」

麻友「ポイントだけ、教えてよ」

私「そうする。あと、実は、小数について、まだやってない。でも、計算機で、計算できるからいいか?」

結弦「お父さんでも、計算するとき、計算機使うんでしょ」

私「それは、当然だな」

結弦「じゃあ、計算の仕方だけ、教えてよ」

私「分かった。じゃあ、今日は、結弦の日だったと言うことで、終わりにしていいな?」

若菜・結弦「はーい」

麻友「おやすみ」

私「おやすみ」

 現在2022年9月10日20時51分である。おしまい。