現在2022年12月9日21時07分である。
麻友「中途半端な題ね」
若菜「何か、隠しているんでしょうね」
結弦「お父さん。この題、どういうこと?」
私「私が、中学生の頃から、話だけは、聞いているけど、実際にしゃべったことがない、母の友達が、いるんだ」
結弦「男の人?」
若菜「そうだとすると、ちょっと問題ですが」
私「妹と同い年の娘さんと、障害のある息子さんのいる、もう孫もいる奥様だよ」
麻友「何か、題名と、結びつきませんが?」
私「その奥様は、女子大の文学部日本文学科を、出ていて、大学で好きだったから数学や物理学のゼミをやりたがる私と同じように、読書会を、開いていると、母から聞いていた」
結弦「まだ、分からない」
私「私が、広島で、『数Ⅲ方式ガロアの理論』を、読んでいた話は、してあるな」
若菜「広島へ向かう新幹線の中で、読み始めたとか」
私「その奥様が、特に、国語の力が、素晴らしいのは、母から聞いていた。Z会の採点を出来るほどだという。私の今までの話を聞いていれば、これがどういうことか、分かるな」
結弦「添削を受けるんじゃなくて、添削する側だとしたら、とんでもないなあ」
私「その話を、聞いていて、母が、あるとき、こんなことを、話したんだ。
「会話をしていて、『エイゼンシュテインが』、って言おうとして、うっかり『ハイゼンベルグが』って、言っちゃったのよ。そうしたら、『量子力学の?』って、聞き返されて、どうして、文学部出ていて、量子力学のハイゼンベルグって、出てくるのかなあ? と、思った」
と言うんだ」
麻友「エイゼンシュテインって、『戦艦ポチョムキン』の監督。そういう話題のなかで、いきなりハイゼンベルグって言われて、量子力学が、出てくると言うことは、東京大学に受かるための、受験勉強のお陰かしら?」
私「いや、違うと思う。私は、物理学科志望だったけど、大学に入るまで、ハイゼンベルグなんて、ほとんど知らなかった」
若菜「そう話が来ると、お父さんは、その奥様が、本当は、物理学や、数学に、興味があるんじゃないか? と、思うわけですね」
私「その読書会の話を聞いていると、『三四郎』とか、『それから』とか、『門』みたいな小説を、1週間で1冊とか、読んでくることを、課しているらしい。でも、私は、断言できる。『数Ⅲ方式ガロアの理論』を、1週間で、読破は出来るだろうけど、内容は、分からないと」
麻友「あっ、ガロアの話が、出てたのは、あれで、読書会をやって、数学に着せられている汚名を、晴らそうという積もりだったのね」
私「あの本で、読書会をやったら、数学の本は、どう読めば良いのか、分かる。というか、今まで、自分たちは、数学というものを、全然分かっていなかったと、思い知ると思うんだ」
若菜「そこまで?」
私「東ロボ君かな、人工知能とかで有名になった、新井紀子さんって、大学入って初めて、数学というものは、こんなに面白いものだったの? と気付いて、一橋大学に入学してたけど、外国の大学の数学科に移ったとか言うし」
結弦「じゃあ、差し当たって、ガロアのブログを、もっと、進めなきゃ」
私「そうだな。まだ、第2章の復習すらしてないものな。あのブログは、麻友さんが、レポーターだよな。これから、どんどん、難しくなるぞ~」
麻友「ここに、その奥様のことを、書いたから、伝わるかもね」
私「私が、一番伝わって欲しいのは、麻友さんなんだからね」
麻友「半日後に、アメリカで、読むわ」
私「勉強熱心なのは、よろしい。それじゃ、おやすみ」
若菜・結弦「おやすみなさーい」
麻友「おやすみ」
現在2022年12月9日22時12分である。おしまい。