女の人のところへ来たドラえもん

21歳の女の人と43歳の男の人が意気投合し、社会の矛盾に科学的に挑戦していく過程です。                    ブログの先頭に戻るには、表題のロゴをクリックして下さい。                                   数式の変形。必ずひと言、添えてよ。それを守ってくれたら、今後も数学に付き合ってあげる。

超実数そして実数(その9)

 現在2023年3月18日9時33分である。(この投稿は、ほぼ2196文字)

麻友「何時に起きたの?」

私「8時50分だ」

麻友「昨日、21時前に、寝る前の薬を飲んだからかしら?」

私「そういう簡単なものではない。実際3時3分にも起きていて、もう一度寝ている」

結弦「無限集合、Aと、Bがあるとき、Aの方がBよりも、元の数が大きく、Bの方もAよりも、元の数が大きいとき、AとBは、同じだけの多さの元を持っている。と言うことを、証明するって、言ってたけど、なんか、当たり前じゃない?」

若菜「AよりもBの方が、元の数が大きいというのは、どう定義するのですか?」

私「もう、想像付くだろう。『Bの部分集合で、Aと全単射写像が作れる集合が存在すること』だよ」

若菜「そうすると、BよりもAの方が、元の数が大きいというのは、『Aの部分集合で、Bと全単射写像が作れる集合が存在すること』ですね。論理的に考えて、{A \leqq B} と、{B \leqq A} ならば、{A=B} のはずですが、記号から、そう即断するべきではありませんね。これらから、A と、B の間に、全単射写像が、存在することが導けないと、同じ濃度だと言えない訳ですね」

私「そうなんだよ。濃度という数字が、ひとつひとつ定まるには、{A \leqq B} と、{B \leqq A} ならば、{A=B} ということを、証明しなければ、ならない。ところで、この証明には、選択公理を用いる、順序数を用いたものの他に、選択公理を用いない素朴集合論でのものがある」

麻友「素朴集合論って、何?」

私「naive set theory の訳で、記号論理学や、公理的集合論、を、使わない集合論だ。麻友さん達には、最初から記号論理学を教えたから、区別が付かないかもしれないけど」

若菜「選択公理は、まだ習ってないので、素朴集合論での証明を、してみせるのですね?」

私「この定理には、思い出がある。中学3年のとき、数学の担任の藤沼先生から、『有理数の無限より、無理数の方が、多いということが分かっているんだ』と聞き、高校2年で、

という本を見つけて、読んだ。この本は、通俗書で、深い理解は得られなかったが、無理数の方が、有理数より多いという証明は分かった。私を数理の翼に送ってくれた、河野先生にその話をして、『何か、この後読んだら良い本が、ありますかね?』と、聞いたら、『そうだなあ、これなんかどうだ?』と、

を、本棚から取り出して、貸してくれた」

麻友「森毅(もり つよし)の本ね」

私「これは、『無限を求めて』の何倍も、難しかった。基数について書いてあることは、辛うじて分かったが、順序数(序数)について書いてることは、全然分からなかった。先生に、『序数についてと、基数について、並行して書いてあるのですが、基数のことしか、分かりませんでした』と、返したら、『基数について分かっただけでも、大したものですよ』と、慰められた。『しばらくおいて、読んでみたいです』と言って、そのときは、終わった。最後に先生が、『ベルンシュタインの定理って、面白いだろ』と、言った。『Aが、Bよりも大きくて、BがAよりも大きければ、同じというのですね。当たり前ですが』と、答えた。実はそれが、証明しなければならないことだと、当時の私は、気付いていなかったのだ」

結弦「その後、その本を、見返した?」

私「自然科学の良心で、『数学基礎概説』を、読んでいたとき、


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以上の結果から、次のBernsteinの定理(定理 8.1の系)が導かれる.

[定理 8.1]

 集合 {X ,Y} のそれぞれが他方の部分集合に対等ならば {X ,Y} の濃度は等しい.


 研究者注

 対等とは、全単射写像で、結べるというということである。

 注終わり

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                  (『数学基礎概説』192ページ)

 さて、ここで、その証明を探した。そうしたら、森毅『無限集合』に、解答が、書いてあったのである。以下に、その証明を、『数学基礎概説14』のノートから、スキャンして載せる」

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                    (『数学基礎概説14』ノート838ページより)

麻友「これだけじゃ、分からない」

私「当然だな。でも、今晩は、もう眠い。またの機会に、しよう」

若菜・結弦「おやすみなさーい」

麻友「おやすみ」

私「おやすみ」

 現在2023年3月18日23時20分である。おしまい。