女の人のところへ来たドラえもん

21歳の女の人と43歳の男の人が意気投合し、社会の矛盾に科学的に挑戦していく過程です。                    ブログの先頭に戻るには、表題のロゴをクリックして下さい。                                   数式の変形。必ずひと言、添えてよ。それを守ってくれたら、今後も数学に付き合ってあげる。

超実数そして実数(その2)

 現在2022年9月15日16時14分である。(この投稿は、ほぼ2388文字)

麻友「前回の投稿、良い感触で、受け止められたみたいね」

私「japan-eat さんが、4つ星、付けてくれたことでしょ。『一本の物差しで、人を測るな』という、小学校の校長先生の言葉を、思い出すな」

若菜「やっと、超実数ですね」

私「ちょっと、回想シーンが、流れる。



*******************************


私「ジャーン。真理のカメさんとは、次のような性質を持つ {\mathscr{F}} という集合なのです」


1.{\mathscr{F}} は、自然数全体の集合 {\mathbb{N}} 上の可算級善良超フィルター

2.可算級善良超フィルターとは、この場合、次の条件を満たすことである。

 a){\emptyset \notin \mathscr{F}}

 b){A \in \mathscr{F} , A \subset B \Rightarrow B \in \mathscr{F}}

 c){A,B \in \mathscr{F} \Rightarrow A \cap B \in \mathscr{F}}

 d){\mathbb{N}} の任意の部分集合 {A} に対し、{A \in \mathscr{F}} または {\mathbb{N} - A \in \mathscr{F}}

 e){\mathscr{F}} は有限集合を含まない。


若菜「先生、これは酷すぎます。ぜーんぜん、分かりましぇん」

結弦「素人に、これはなあ」

麻友「真理のカメさんって、目に見える形では、作れないって言ってたけど、これが、作るプログラム? でも、作るアルゴリズムはないって言ってなかった?」

私「大学3回生のとき以来、書いてみたかったんだ」


*******************************
  (『真理のカメさん(その2)』より)


2019年の記事だから、覚えてなくても、当然だよ」

麻友「以前、こんなことを、やったな、くらいしか、覚えてない」


若菜「でも、私、ちょっと、読めるようになってます。『{\in}』って、集合の元です、という記号で、お父さんが、『エレメント』と、呼んでいる記号ですよね」

結弦「『{\cap}』も、分かる。共通集合だよね」

私「優秀! じゃあ、早速、まず超有理数を、作るぞ」

若菜「自然数から、整数は、{[(1+1+1+1+1,1+1)]=3} とか、使って、作りました」

結弦「整数から、有理数は、{\displaystyle [([(3,1)],[(8,1)])]_{\sim}=\frac{2}{7}} みたいだった。

麻友「座標みたいなのの、個数が、どんどん増えるのよね。私、第1回のとき、数列という言葉を、知ったけど、座標が無限次元とか、有り得るの?」


私「そう。誰だって、自然に、無限次元という言葉が、出てくるよなあ。無限次元の座標というのは、最初にネーミングした人が、誰なのか、本当は、分からない。でも、一応、数学の世界では、無限次元のベクトル空間という。ヒルベルト空間という言葉を、期待していた人も、多いと思うが、ヒルベルト空間となるためには、内積が定義されていて、その内積から導かれる位相で、完備でなければならないのだ。今回の場合、超有理数に、完備性は、期待できないから、敢えて言葉をずらした。ダヴィッド・ヒルベルトって、20世紀前半の指導的数学者」

若菜「ああ、自分の論文を、どう言うつもりで、そう書いたか、思い出せなかった人」

私「それで、覚えているか。素晴らしい業績が、いくつもあるのだが」

結弦「それで、

{\displaystyle 3=(3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3 \cdots)}

みたいに、無限の {3} で、超有理数{3} とするとか」

私「いい感じ。続けて」

若菜「では、

{\displaystyle \pi=(\pi,\pi,\pi,\pi,\pi,\pi,\pi,\pi,\pi,\pi,\pi,\pi,\pi,\pi,\pi,\pi,\pi,\pi,\pi,\pi \cdots)}

とか」

私「素晴らしい! それ、表彰状ものなんだけど、{\pi} は、有理数ではない。私達が、これから作る、実数なんだ。しかも、無理数で、分数で表せない」

若菜「つまり、{\pi} の表しようが、ないと? じゃあ、近似させたら?」

{\displaystyle \pi=(3,3.1,3.14,3.141,3.141~5,3.141~59,3.141~592,3.141~592~6,3.141 \cdots)}

と、言うように」

私「麻友さんに勝とも劣らない燕返しだ。その数は、無理数だと思う?」

若菜「だって、有理数しか、あれっ? 行き着く先は、無理数{\pi} だけど、今は、超有理数を、作っているのだった」

 ここちょっと、難所だから、今晩はもう、眠り薬飲んじゃったから、書けない。次回を、乞うご期待。

若菜・結弦「おやすみなさーい」

麻友「おやすみ」

私「おやすみ」

 現在2022年9月15日21時40分である。おしまい。