現在2016年2月13日22時08分である。
「『躍るアトム』が、3回になっちゃったわね。」
うん。早寝するために、途中で打ち切っているからね。
シーベルトの説明が、完全でなくて、ごめんね。
「まだ、無理なんでしょう。」
あれを、書いた後、読み返していて、もう少し話せるかな、と思って。
「どんなこと?」
何度も書いたけど、量が重要だって言ったよね。
「うん。」
だから、1年365日の100分の1の3日間だけ、強い放射能のところにいたから被曝したって言うかも知れないけど、そこより放射能が100分の1の少ないところに1年いれば、同じことになっちゃうんだ。だから、3日だけとかっていうのは、安全なんだ。
「えっ、そういうことなの?全然分かってなかった。」
あっ、やっぱり、話して良かった。
「じゃあ、埼玉にいたって、全然、安心できないじゃない。」
そう言い出すだろうと思って、『糖類ZERO』の話もしたんじゃない。
「どういうこと?」
つまりね。
『これを、越えると危なくなる。』
という線があって、その線ギリギリの場合、
『どうなるだろう!?』
とみんなが固唾を呑んで見守るわけだけど、それより遙かに下だった場合、全然問題にならないでしょう。
例えば、ワンダエクストラショットに、角砂糖のザラザラの砂粒一つだけが、入ったとしても、全然甘くならないし、文句を言う人もいない。
「その説明は分かったけど、例えば、『ドラえもん』の、のび太君は、いつも0点だから、
『これは越えない。』
という線を、30点に置いても良さそうよね。」
うん。
「でも、その、のび太君が、万が一、万が一よ。もし、100点を取るようなことだって、有り得るじゃない。そういう時って、どう対処するの?」
放射能の場合、確かに、受精卵のDNAを破壊したとすると、麻友さんが言っているようなことになる。
「どうなるの?」
取り返しが付かなくなる。
「というと・・・」
赤ちゃんが死ぬとか、奇形になるとか。
「そんな、涼しい顔して、言わないでよ。」
生命が、進化してきたのって、そういう奇形の中で、抜群に環境に適応した個体が、残ったのだから、放射能を悪く言うのは、間違いなんだよ。
「でも、赤ちゃんが死ぬって。」
運が悪ければ死ぬ。ものすごくついていれば、新しい生命体になる。生命は、そうやって、命懸けで、生き抜いてきたんだよ。
「科学者って、冷たいのね。」
いや、麻友さんは、本質を突いているんだよ。
「どういう風に?」
100点取るはずのないのび太君が100点取ったら?って言ったでしょう。
「ええ。」
その発想なんだよ。私の、
『地球を動かす。』
っていう発想。
「えっ?」
つまり、のび太君のみならず、すべての人に、100点を取らす、という有り得ないようなことを、起こして、地球を動かそうというの。
「思い出した。このブログの初回に、そんなこと言ってたわね。
思い出した?
「てっきり、アニメの中のことのように、思ってたわ。」
『みんなの、こころを、ひとつに!』みたいに?
「そう。」
私は、先にヴィジョンがあって、後から、
『これ、まるで、ガンダムだな(笑)。』
と、思ったんだけどね。
「実現できるの?」
麻友さんと私の本気さ加減でかなり変わってくると思う。
「実現する気なんだから、呆れちゃうわよねぇ。」
シーベルトについては、分かったのかな。
「肝腎なところが分かって、少し安心したわ。」
じゃあ、英文に戻るよ。
3行目までは、分かっているのだった。一応、書くよ。
『原子は、から、くらいの半径です。』
『という長さを、(別名)オングストロームと呼ぶ。』
『そこで、原子は1ないし2オングストローム(Å)の半径であるといえる。』
いよいよ、ここからだ。
『これらのサイズを思い出せるもう一つの方法が、これである:』
さあ、この後、ファインマンのたとえが冴える。
『もし、りんご1個を、地球のサイズまで、押し広げたとする、』
『そうすると、押し広げたりんごの原子の大きさは、大体、』
『押し広げる前の元のりんごの大きさくらいである。』
これが、原子が、
『小さい、小さい』
ということの意味である。
「私、まだ、良く飲み込めていないわ。」
だろうと、思う。
私も、2000年4月29日に、ここを読んだとき、実際に計算している。
「何を、計算しているの?」
本当に、ファインマンの計算が合っているかどうか。
「どうやれば、そんなことが分かるの?」
私は、前回は、りんごの直径を10cmとして、計算してみた。
そうしたら、もう少し小さいりんごの方が良かった、と書いている。
今回は、直径を5cmにしよう。つまり、半径2.5cmということ。
「どういう、計算をするの?」
麻友さんにも、手伝って、もらおう。
麻友さん。地球の直径は?
「エッ、そんなの知っているわけないじゃない。」
なに、言ってるの。計算で、求めるんだよ。
「どうやって?」
『母を訪ねて三千里』の計算は、何も理由がなくてやったわけではないよ。
「ハッ、円周か!」
頑張れ-。
「北極から赤道まで、千じゃなくて、1万kmだった。」
「だとすると、地球一周、4万kmだ。」
「円周は、(円周)=(直径)×3.14だった。」
「とすると、(直径)=4÷3.14くらい。」
お見事!
その計算は、スマートフォンで、いいよ。
「(直径)=1.273・・・」
いいよ。1.273万kmだね。
これを、使う。
りんごの直径を5cmとしたのだった。
まあ、普通の大きさだよね。
こういうときの、常識的大きさとか、常識的多さ、などの感覚も、色々な場合に当たって、養う必要がある。いつか話すけど、『フェルミ推定』と呼ばれているものなんだ。
「フェルミって?」
エンリコ・フェルミって、物理学者の名前。
「優秀だった?」
ものすごく、優秀だった。
今、読んでいる『ファインマン物理学』のファインマンは、ここでのりんごの話に見られるように、おおざっぱにものごとを捉えて、正しい結論を出す天才だったのだけど、フェルミにはかなわなかったと、『ご冗談でしょう、ファインマンさん』か『困ります。ファインマンさん』という自伝のような本に書いている。
さて、りんごの直径が5cmで、地球の直径が1.273万kmだとすると、りんごを地球の大きさまで、押し広げるには、何倍にすればいい?
「1.273÷5だから・・・」
さっきから言っているように、大体でいい。
「そんなこと言ったって・・・」
最初は、誰でも教わるものだから・・・
「えっ?」
5で割るってことは、10で割って、2かければ、いいんでしょ。
「ああ。0.1273×2=0.2546だ。」
最後に、単位を調べる。
「えっと、単位って?」
kmとcmだったでしょ。
「あっ、そうか。10の3乗、割る、10のマイナス2乗、は、10の5乗。だから、で、かしら?」
ブー。
そうなる気がしていました。地球の直径は、1.273kmではなく、1.273万kmです。
「あーっ、見てて、黙ってたなんて。」
計算を少なく抑えて、修復しましょう。
「1万とは、10000だから、10の4乗ね。」
そう。
「だとすると、」
確かに、この立ち直りの速さは、さすが優等生だけある。
「で、これをどうすればいいのかしら?」
一番やりたいことを、やるんだよ。
「何を、やりたかったのかしら??」
りんごを押し広げたらりんごの中の原子も、押し広げられる。
何倍になったの?
「この」
じゃあ、
『原子の大きさ』
に、それをかけて、英文の最後にあったように、
『押し広げる前の元のりんごの大きさ』
になるかどうか、試すんでしょう。
ピタッと合えば、良いたとえだったね、ということになる。
「でも、原子の大きさって?・・・エッあっオングストロームだ。」
「だとすると、となる。」
「太郎さん。2.546cmとなったんだけど。いいのかしら。」
すごい、すごい。
気付くかなあ、と思って見ていたんだけど、もう一度、英文見返してみて。
「何か?」
radiusって、一番最初に、注意したでしょう。
「半径だったかしら。」
そうなんだよ。1オングストロームは、原子の半径なんだよ。
「あっ、そうか。原子の直径を求めないと、りんごの直径と比べられないわね。」
「じゃあ、となる。」
「ワァッ! やった。元の直径5cmのりんごになった!」
おめでとう!
「自分で計算して、こんなにすごいスケールのものピタッと合わせたの、初めてー。」
原子の、
『小さい、小さい』
ということを実感してもらうのは、次回にしよう。
今は、初めての物理学の感動に浸っている麻友さんには、後で渡すプレゼントを、見せないでおこう。
後で渡すプレゼントとは、今日、つまり、2016年2月14日に、麻友さんが、私と一緒に聴きたいと、『Momm!!』のアンケートで答えていた曲、家入レオさんの『チョコレート』。
2016年2月11日に『ほのぼのと温めてあげます』と言って、映画『レオン』の主題歌Stingの『Shape of my heart』をツイートしたのは、家入レオさんの『レオ』が、映画『レオン』にインスパイアされたものだと、分かったから。
結局、バレンタインデーも、私達カップルは、物理・数学三昧でした。
現在2016年2月14日1時06分である。おしまい。