女の人のところへ来たドラえもん

21歳の女の人と43歳の男の人が意気投合し、社会の矛盾に科学的に挑戦していく過程です。                    ブログの先頭に戻るには、表題のロゴをクリックして下さい。                                   数式の変形。必ずひと言、添えてよ。それを守ってくれたら、今後も数学に付き合ってあげる。

倒せツォルンの補題(その13)

 現在2023年12月23日5時17分である。(この投稿は、ほぼ3098文字)

麻友「わあ、早い」

私「2時10分に目覚めてしまって、眠れないから、ご飯炊いて、レトルトカレーで食べた」

若菜「それで、5時17分ですか?」

私「トントンに、京都産業大学を出たっていう人がいて、昨日、行きのバスで会ったから、ちょっとしゃべった。確か、量子テレポーテーションの研究で、有名だったなと、『量子テレポーテーション』と、ググると、トップにヒットした。それなんかを、読んだりしていた」

結弦「それで、いよいよ、証明始めるの?」

私「待たせたな。始めるぞ」

若菜「補題 5.1 というのも、ありましたけど」

私「当分、使わない。今は飛ばすよ」

麻友「じゃあ、始めて」


 定理 5.1 (ツォルンの補題

 {(a,\prec)} を、帰納的順序集合、{\alpha \in a} とすれば、{a} の極大元 {\beta} で、{\alpha \prec \beta} となるものが存在する。


 定理 5.1の証明

 {\mathscr{C}=\{C \in \mathcal{P}(a) | \alpha \in C \wedge C}{a}の鎖{\}} とする.{\{\alpha \} \in \mathscr{C}} である.定理の仮定によって,{\mathscr{C}} の任意の元 {C} に対して{u.b.(C) \neq \emptyset} となる.もしも {u.b.(C)-C = \emptyset} となるような {C \in \mathscr{C}} があれば,定理は成り立つ.


麻友「ストップ。スキャン原稿の古いのと、新しいのを、比べたの」

古いの


新しいの


麻友「下から2行目の、

{\mathscr{C}=\{C \in \mathcal{P}(a) | \alpha \in C \wedge C}{a}の鎖{\}} とする.

の部分。太郎さんが、

{\alpha \in C \wedge C} の、{\alpha} に斜線を引いて{\{\alpha \}} だ。2023.8.26 14:54:31

と、書き込んでいる。つまり、こういうこと?

{\mathscr{C}=\{C \in \mathcal{P}(a) | \{\alpha \} \in C \wedge C}{a}の鎖{\}} とする.

誤植かしら?」

私「ああ、それなんだけどねえ、直後に、

{\mathscr{C}=\{C \in \mathcal{P}(a) | \alpha \in C \wedge C}{a}の鎖{\}} とする.{\{\alpha \} \in \mathscr{C}} である.

と、

{\{\alpha \} \in \mathscr{C}} である.

ってあるじゃない。誤植なんじゃないかと、獲物があったと喜んだんだけど、後で間違いではないことが、分かった」

麻友「あら、がっかり」

私「つまりね、{\alpha \in C} の方は、{C}{\{\alpha \} \in \mathscr{C}} の方は、{\mathscr{C}} の元なんだ。数学の細かさが、出ているね」

麻友「確かに」


若菜「他にも聞きたいことがあります。

定理の仮定によって,{\mathscr{C}} の任意の元 {C} に対して{u.b.(C) \neq \emptyset} となる.

というのの、定理の仮定って、何ですか?」

私「いいよ、聞いて。この場合使われている仮定は、

{(a,\prec)} を、帰納的順序集合

というものだね。{a} が、帰納的順序集合だから、{a} の任意の鎖、つまり全順序部分集合は、上界を持つ。覚えているかな?」

若菜「そうすると、どうなのですか?」

私「つまり、

{\mathscr{C}=\{C \in \mathcal{P}(a) | \alpha \in C \wedge C}{a}の鎖{\}} とする.

だったから、

{\mathscr{C}} の任意の元に、上界が存在する。鎖だからね」

若菜「その上界の集合が、空っぽでないということですか?

{u.b.(C) \neq \emptyset} となる」

私「そう。{u.b.(C)} は、上界集合({upper~bound~set})だからね」

結弦「その上界は、{C} の中に、なければいけないの?」

私「良いこと聞いたね。実は、{C} の中にあることもあるし、ないこともある。この後で、その議論をするよ」


私「ここまで、良いかな?」

 {\mathscr{C}=\{C \in \mathcal{P}(a) | \alpha \in C \wedge C}{a}の鎖{\}} とする.{\{\alpha \} \in \mathscr{C}} である.定理の仮定によって,{\mathscr{C}} の任意の元 {C} に対して{u.b.(C) \neq \emptyset} となる.もしも {u.b.(C)-C = \emptyset} となるような {C \in \mathscr{C}} があれば,定理は成り立つ.


麻友・若菜・結弦「良いでーす」

私「じゃあ、次」


 実際,このとき{\beta \in u.b.(C)} とすれば,{u.b.(C) \subset C} から {\beta \in C} ,ゆえに {\beta=\max{C}}{\alpha \prec \beta} である.しかもこのとき,{\beta \prec \gamma} となるような {a} の元 {\gamma} があれば,{\gamma \in u.b.(C)} だから上と同様に {\gamma=\max{C}=\beta} となり,{\beta}{a} の極大元となる.


私「取り敢えず、ここまで書いたけど、土曜だから、新聞買って、マックで食べてくる。この後どうするかは、また考える。じゃ、解散」

 現在2023年12月23日10時12分である。おしまい。