女の人のところへ来たドラえもん

21歳の女の人と43歳の男の人が意気投合し、社会の矛盾に科学的に挑戦していく過程です。                    ブログの先頭に戻るには、表題のロゴをクリックして下さい。                                   数式の変形。必ずひと言、添えてよ。それを守ってくれたら、今後も数学に付き合ってあげる。

倒せツォルンの補題(その8)

 現在2023年9月3日11時28分である。

麻友「証明するするって、言いながら、なかなかしないじゃない」

私「自分でも、完璧には分かっていない部分があって、8月20日から、25日近く、かかってしまった」

結弦「お父さんの言葉で、と言ったのが、無理だったの?」

私「本来、自分の本を書けるようになるためには、自分の言葉で書けなければ、ならないが、私はそこまで行ってない。テキストの本文を写しながら、自分の言葉で注を付けていくのが、限界だ」

若菜「それならば、しょうがないですね。お父さんの注を、頼りましょう」

私「よし、始めるよ」


 定理 5.1 (ツォルンの補題

 {(a,\prec)} を、帰納的順序集合、{\alpha \in a} とすれば、{a} の極大元 {\beta} で、{\alpha \prec \beta} となるものが存在する。


麻友「おもうんだけどさあ、{\alpha} と、{a} って、そっくりじゃない? 自分で、区別できているの?」

私「そういうことも、聞いて良い。確かに、{\alpha} と、{a} は、似てる。だけど、読んで行っているとき、{a} と、書いてあるときは、必ず順序集合 {a} の元が、みたいに元を含む集合になっていて、一方、{\alpha} の方は、何々の元、{\alpha} みたいに、{\alpha} は、元の方だから、滅多に間違わない。ただ、初見だったら、分からないかも知れないけど」

結弦「僕も、聞いてみたい。{\prec} って、記号、なんて読むの?」

私「私は、個人的には、{\leqq} と同じで、{\alpha \prec \beta} を、『アルファ、小なり、ベータ』と、呼んでいる」

若菜「個人的には、って、カチャカチャ、あれっ?、カチャカチャ、あれっ?」

私「読み方は、なかなかないだろう」

若菜「お父さん。調べた?」

私「英語では、precede (プリシード)(先立つ)というらしい。逆向きの {\succ} は、succeed (サクシード)(成功する、継ぐ)らしいが、日本語で何と読むかは、正式には知らない」

麻友「太郎さん。かなり我流の読み方、しているものね」

私「多くの人は、大学や大学院の授業で、盗んでいるのだろう」


若菜「お父さん、大学院へ行きたい?」

私「今は、無理だな。それに、今は、この本を読みたいというのはあっても、これを、研究したい、というものがない」

結弦「研究対象なんて、大学院へ行けば、見つかるんじゃない? お父さんのお父様だって」

私「そういう意味では、前にも言ったが、コンピューターのスピードが、もの凄く上がって、計算できないものはない、という世界になったとき、それでも数学や物理学に残っている問題と、取り組みたいんだ」


麻友「そう言ってたわね。取り敢えず、証明始めましょう」

私「出だし、いきなり辛いだろうが、始める」

 定理 5.1の証明

 {\mathscr{C}=\{C \in \mathcal{P}(a) | \alpha \in C \wedge C}{a}の鎖{\}} とする.{\{\alpha \} \in \mathscr{C}} である.定理の仮定によって,{\mathscr{C}} の任意の元 {C} に対して{u.b.(C) \neq \emptyset} となる.

私「2行、写してみた」


若菜「真面目な、数学の証明って、こうですか」

私「この本を、読んでいて、一番苦労したのが、このツォルンの補題の証明だな。数学科の大学1年生が、入学後一番苦労するのも分かる。今の私でさえ、苦労したのだから」

麻友「最初の2行で、躓くのね」

私「慣れなきゃ、分かるわけない」

結弦「原文は?」

私「これの最下の2行」

麻友「今日は、ちょっと、証明を覗いたということで、お開きにしましょう。おやすみ」

若菜・結弦「おやすみなさーい」

私「おやすみ」

 現在2023年9月3日21時49分である。おしまい。