女の人のところへ来たドラえもん

21歳の女の人と43歳の男の人が意気投合し、社会の矛盾に科学的に挑戦していく過程です。                    ブログの先頭に戻るには、表題のロゴをクリックして下さい。                                   数式の変形。必ずひと言、添えてよ。それを守ってくれたら、今後も数学に付き合ってあげる。

懸賞金は誰に?

 現在2022年11月18日9時41分である。(この投稿は、ほぼ4397文字)

麻友「太郎さん。昨日の投稿で、最後に、

の超リーマン予想の、記事を書いたの、黒川信重さんだって、書いてきたじゃない。どうして、あれが、種明かしなの?」

私「そうか、それが、分からないか。黒川信重さんって、少なくとも、日本では、リーマン予想のこと一番詳しい人なんだ」

結弦「どうして?」

私「このひと、20年くらい前から、『リーマン予想が、もう少しで、解けるぞ!』という本を、何冊も書いている人なんだ。ほらっ」

若菜「本だったら、誰でも書けるじゃない」

私「中島さち子さんのとき、出てきた、『数学のたのしみ』(創刊号)

でも、

リーマン予想のかなたへ
          量子空間とは何か──』

という記事を、寄稿している。1997年6月だ」

麻友「25年も前から、太郎さん、その人に注目してたの?」

私「もの凄く、目立つんだよ。黒山人重(くろやまのひとだかり)というペンネームも、持ってるし」

若菜「お父さん。ライバルには、なれなくとも、『黒川信重さんが、ミレニアム問題解けると、いいなあ』と、応援してた1人だったんだ」

結弦「深リーマン予想というのは?」

私「これなんかに、書いてある」

内容説明
本書では、未解決のゼータ重根問題を実際に研究することから、さまざまな研究方法を考察していきます。本体は12話からなり、全12話のうち、前半の第1話~第6話が基礎編で、後半の第7話~第12話が実践編となっています。

若菜「だって、未解決って」

私「ゼータ重根問題なんて、リーマン予想が、解けた後の話だよ」

結弦「そもそもリーマン予想って?」

私「一応、リンクを張る。

ja.wikipedia.org

Wikipediaだから、よっぽどのことがない限り、リンクは切れない。

その中で、

リーマン予想 (Riemann Hypothesis)

リーマンゼータ関数 ζ(s) の非自明な零点 s は全て、実部が 1/2 の直線上に存在する。

とある」

若菜「非自明って?」

bourbakiandlandau.hatenablog.com

のとき、書いたように、

*******************************

 2)以下の省略記法は(本来の方法ではずっと長くなる)或る種の記号列を表している:

    《3かつ4》
      {\emptyset}
      {\mathbb{N}}
      {\mathbb{Z}}
    《数直線》
    《{\Gamma}関数》
    {f \circ g}
   {\pi =\sqrt{2}+\sqrt{3}}
     {1 \in 2}
    《有限体はすべて可換である》
 《{-2,-4,-6,\cdots }以外の{\zeta(s)} の零点は直線 {\displaystyle \mathscr{R}(s)=\frac{1}{2}} の上にある》。

*******************************
 (『ブルバキランダウ』のブログの『数学原論(その20)』より。元来は、ブルバキ数学原論 集合論1』14ページであり。フランス語の原書では、15ページ)

 フランス語の原書は、

である。


 この、引用の最後の、

{-2,-4,-6,\cdots }以外の{\zeta(s)} の零点は直線 {\displaystyle \mathscr{R}(s)=\frac{1}{2}} の上にある》

なんだけど、リーマンゼータ関数(リーマンゼータ関数以外にも、セルバーグゼータ関数や、ヤコビのゼータ関数など、ゼータ関数と呼ばれるものは、他にもある)の独立変数 {s} に、複素数を、入れたとき、{-2,-4,-6,-8,-10,-12,\cdots } などでは、{\zeta(s)=0} となることは、簡単に分かることで、簡単に分かるから、自明な零点と、言われていた。これに対し、簡単には見つからない、非自明な零点が、他にあった。ところが、調べていくと、この非自明な零点となる {s} は、どれも共通な特徴を、持っていた。それは、その複素数の実部、つまり、複素数 {a+bi}{a} を、通常 {\displaystyle \mathscr{R}(s)=a} と、書くのだが、それが、{\zeta(s)} のときは、決まって、{\displaystyle \frac{1}{2}} と、なるのだ。そこで、自明でない零点の実部は、{\displaystyle \frac{1}{2}} だ。という予想が、なされた。これが、リーマン予想だ」

麻友「やっと、言いたいことが、分かった。それが、つまり、ブルバキ

{-2,-4,-6,\cdots }以外の{\zeta(s)} の零点は直線 {\displaystyle \mathscr{R}(s)=\frac{1}{2}} の上にある》

で、ヴェイユが、証明したことだから、ヴェイユが、中心メンバーのブルバキの『数学原論』には、堂々とそれが、書けたということだったのね」

私「そういうことなんだよ」

若菜「お父さんが、これを、わざわざ、書いているのは、なんで?」

私「数学の問題が解けたら、私は、いつでも、嬉しい」

結弦「他の人が、解いても?」

私「ピタゴラスの定理も、オイラーの公式も、5次方程式は代数的に解けないというアーベルの結果も、全部他の人の業績だ」

麻友「懸賞金は、誰に行くのかしら」

私「最大の功労者、アンドレ・ヴェイユは、1998年に死んでるしなあ」

若菜「同僚のセールは?」

私「セールは、1954年に、最年少の28歳で、フィールズ賞もらってるし、2003年に、最初のアーベル賞受賞者になってる。懸賞金稼ぎなんて、もうどうでも良いだろうと思うよ」

結弦「そうすると、日本の数学徒の数学力を、高めることに、貢献した、黒川信重さん?」

私「この『現代数学2022年11月号』の、黒川信重さんの章を全ページスキャンしたのは、全部揃えるという美学からだけじゃなかったんだ」

若菜「何のためですか?」

私「『8.3 セールの評価』とあるが、これは、セールという人の人となりを評価したものではなく、セールが、ある式を、それがどれくらいの数値になるかを、見積もった、という意味だ。それから、『8.8 高次元アーベル多様体』の節では、私が(マンフォールドの)『Abelian Varieties』を、手に入れただけで喜んでいたもの(アーベル多様体)の話である」

私「そして、黒川信重さんは、8.6節で、

2011年に証明された、佐藤・テイト予想(雑誌『数学のたのしみ(最終号))の説明をしたかと思うと、未だ証明されていない(正確な定式化も成されていない)高次元アーベル多様体の佐藤・テイト予想が必要である。

などと、言い出す。

『数学の世界では、『他の人が、証明した』とか、『もう証明されている』などと言うのは、全然当てにならない。自分で、実際確かめたことだけ信じて、進めよ』

と言っているのだ。こうやって、日本の数学に貢献した、黒川信重さんに、ミレニアム懸賞金、1億円、あげて良いんじゃないだろうか?」

若菜・結弦「さんせーい」

麻友「太郎さんは、1億円の1パーセント(100万円)もらうだけで、年収1000円なんだから、1000年分のお給料もらえるのに、それすら、主張しないの?」

私「貧しい数学ファンが、日本に1万人いるとして、全員に行き渡るには、0.01パーセントの、1万円にしなきゃ駄目だよ」

麻友「そっか。何もしないでいて、口だけ出すのは、自然科学の良心として、許されないか」

私「アーベルのように、婚約者に看取られながら、息をひきとる。というほど、貧しくはない。現に、鶴見のCIALのくまざわ書店で、11月9日に、この『現代数学2022年11月号を開き、この記事を、飛ばし飛ばし読んでいる。初めは、その雑誌が、大学院の数学科を受ける人を対象にした雑誌だと、気付いていなかった。現代の数学の最先端のことが、書いてあるのだろうと思っていた」

麻友「それで?」

私「現金は、13日起きたとき、財布の中に、1130円しかなかった。これでは、アマゾンギフト券で、買うしかない。前日、11月12日に、1500円分、ギフト券を、買ってあった。少しずつ貯めて、あわよくば、ブルバキを、もう1冊、などと考えていたのだが、11月13日の17時頃、アマゾンに注文。ちゃんと、読めたのだ」

若菜「お父さん。幸せなのね」

私「リーマン予想を、アマチュアで、最初に、見切った人間になれて、私は、幸せ。懸賞金は、黒川信重さんで、良いんじゃない? 外国にも似たような人、いるかも知れないけど」

麻友「お疲れ様」

私「それじゃ、解散」

 現在2022年11月18日23時01分である。おしまい。