女の人のところへ来たドラえもん

21歳の女の人と43歳の男の人が意気投合し、社会の矛盾に科学的に挑戦していく過程です。                    ブログの先頭に戻るには、表題のロゴをクリックして下さい。

数Ⅲ方式ガロアの理論と現代論理学(その8)

 現在2018年9月8日16時37分である。

 今週は、ドラマないんだね。

「でも、私は、ミュージカルがあるから、忙しいのよ」

 そうだね。

 前回見せた、『ガール』の本、あれだけじゃないんだ。

「じゃあ、若菜や結弦も、呼んで、見せてもらいましょう」



結弦「ロジック、かろうじて、続いてるんだね」

若菜「前回のロジックのときは、お母さんが、インターネットにのめり込んで、あれあれ、というところでしたが」

 ふたりとも、これが順調に続いてないと、私と麻友さんが結婚できなくて、おまえたち自身が、生まれない、なんてことになるかも知れないんだぞ。

「そういう、無茶な設定にしたのは、太郎さんなんですからね。それは、そうと、あんな風に、『YAWARA!』の絵を使用したり、本の一部を使用するのは、著作権に違反しないのかしら?」

 著作権の問題は、かなりややこしいだろうね。少なくともまだ私は、このブログに書いたものを出版して、売ったりはしてないから、とやかく言われないけど、売るとなったら、問題あるよね。

 本来、数学という、誰とでも共有して良い財産についての話なんだけど、これの説明の仕方に、ひとつひとつお金を割り振る、というのは、どこまで可能なんだろうね。

 そうは言うものの、高木貞治の『解析概論』ですら、まだ青空文庫になってない。

若菜「そういえば、お父さん。以前、小林りんさんに、『ファインマン物理学』を、最高の英語入門書です、なんて言って勧めてらしたけど、英語の入門書として良いかどうかは、ファイマニーズになっちゃうからお勧めできないとしても、あの名著を、誰でもただで読める状態にしているアメリカは、すごいですね。だって、日本ででもインターネットで、『ファインマン物理学 英語』と、入れれば青空文庫状態なのですから」

結弦「でも、ランダウの本は、『力学』以外、古い版しか、ただで読めないみたいだけど」

 あっ、結弦。ランダウの本は、英語に訳しているから、ややこしくなるんだよ。版権とか。

 ロシア語の原著は、日本にいても、ただで読めると聞いたことあるぞ。だから、ロシア語を勉強するのは大変だから、あの10冊だけ、買えばいい。

結弦「それは、盲点だった」

「ちょっと、ちょっと、小学校6年生の結弦と中学2年生の若菜が、なんで、そんな話題をできるのよ。そもそも、高校生になるまで、物理学なんて、知らないはずじゃなかった?」

若菜「やり過ぎましたね」

結弦「それより、今回は、お父さんの『ガール』の話を、読むのじゃなかった?」

「もうっ、始めてよ」

 分かった。

 前回の『論理記号』を踏まえて、『推論規則』の話が始まる。

 6ページで、長いようだが、実は、前回の6ページと、今回の6ページで、論理学は、ほとんど終わりなんだ。

 それくらい、エッセンスが詰まってる。難しくても、とりあえず読んじゃえ。



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結弦「これは、確かに、圧倒されるな」

若菜「お父さん。これ全部分かってて、書いているんですか?」

 実は、これが、私の脳の、『数学として正しい』、の基準の一部なんだ。半分といっても良い。

若菜「前回言ってた、Gentzen ですね」

 そう。

 これが、あのとき言ってた、自然演繹なんだ。

若菜「NK(エヌケー)と、読んで良いんですか?」

 それは、『エヌケー』で、大丈夫。

 これに似たものに、LKというものもある。これは、『エルケー』と読む。

 あのときの、『シークエント計算も扱って欲しい』というシークエント計算とは、このLKのことだ。

結弦「じゃあ、お父さん。シークエント計算も、説明できるの?」

 そのうち、するつもりだよ。

 ところで、NKの他に、NJというものもある。

「何よ、エヌジェーって?」

 これは、麻友さんとは、当分、勉強しないでおこうね、と言っていた、直観主義論理というものなんだ。

「直観? あ、そうだった。直観っていうけど、全然直観で判断できない論理なのよね」

 良く覚えていたね。

 このNJについては、ややこしくなるし、私の、『数学として正しい』は、これとは異なるので、当分扱わない。

若菜「お父さんの、『数学として正しい』と違うんじゃ、お父さんの思考をオープンにするのに反しますね」

「でも、自分が正しいかどうか、というのは、他の人と比べると、良く分かる。他の論理も、少しは、学んでみてもいいんじゃない?」

 実は、『論理学をつくる』は、そういうことを、盛り込んだ本だ。

 だから、楽しみではある。

結弦「『ガール』の本は、これで、おしまい?」

 まだまだ。

 いよいよ、数学が、始まる。



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「論理と数学の橋渡し? 推論規則を、1つ増やしたけど、これでも、矛盾しないとか、完全だというのは、大丈夫なの?」

 まず、{\mathbf{NK_{\in}}} は、『エヌケーエレメント』と呼ぼう。

若菜「呼ぼうと言うことは、確定していないんですか?」

 実は、{\mathbf{NK_{\in}}} という記号は、『数学基礎概説』の大芝猛さんの作ったものらしいんだ。

結弦「大芝猛さんが、作った?」

 普通、NKを用いて、集合論を展開する場合、{\iota} 項規則(イオータこうルール)というちょっとやっかいな手順を踏まなければならない。

 ブルバキも、この部分では、苦労している。

 ところが、大芝猛さんは、上の推論規則14というものを導入するだけで、一気に問題を解決できることに気付いたみたいなんだ。

 それで、ご自分の著書で、それを利用して、集合論を、記述したんだ。

 私は、この便利さを気に入って、ずっと真似してきた。

「太郎さん。『数学基礎概説』を、愛読書ナンバー2に挙げる理由が分かったわ」

結弦「それで、集合論って、どんなものなの? まだまだ続くの?」

 大学時代には、次の10ページ分までしか、進めなかった。

 これだ。



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 これで、『ガール』の公理的集合論は、おしまいだ。

「今の私達には、これは、ほとんど、分からないけど、今後、どんなことを、目標に、学んでいくのか、ちょっとは、分かったわね」

若菜「大学時代には、ここまで、ということでしたが、なぜ、ここまでしか進めなかったのですか?」

 数学の本を読んでいくとき、自分は、今読んでいるところまでは、完璧に分かっている、という自信がないと、読み続けるのが辛くなる。

 今までに読んだところは、80パーセント分かっている、というような理解は、数学ではあり得ないように、私には思える。

 『数学基礎概説』で、集合論は第4章だ。第3章の完全性定理を理解していない私は、第4章を読むうちに、不安になりだし、挫折してしまった。

若菜「そういうことだったのですね」

結弦「ベルナイス・ゲーデル集合論の公理というものを、見せるだけ、見せてくれることは、できないの?」

 まあ、苦労を知らない素人は、そういうことを、言うものだよね。でも、やっぱり、見たいものは見たいだろう。分からなくても良いから、見せてあげよう。

 相対性理論のブログのリンク集の『私の文献』の中に、以前作った『NKとBGの要点』というフォルダがある。この中に、BGsummary.PDF という名称で、とりあえず公理を並べておいた。

 これは、いずれもっと完成したものにするつもりである。

「本当に、太郎さんって、自分の『数学における正しい』の基準を、オープンにできるのね」

 これは、一流の数学者なら、誰でもできることなんだよ。

結弦「みんな同じなの?」

 いや、数学者一人一人、その人の数学がある。

若菜「それで、困らないんですか?」

 20世紀の初めには、集合論を建設した、ゲオルグカントールと、それを、徹底的に批判した、クロネッカーの間で、論争があり、結局、カントールは、精神を病んでしまい、精神病院で亡くなった。

若菜「可哀想。数学でも、正しいか、正しくないか、はっきりしないこともあるんですね」

結弦「クロネッカー? 前回『クロネッカー青春の夢』って、出てきたな」

若菜「『数学は一つ』なのですね」

 実は、ロジックを、ギチギチやっていくより、曲面の曲がり具合を計算する微分幾何や、数学の中の女王とガウスが呼んだ整数論や、数学で一番難しいと言われる代数幾何などをやっていく方が、学んでいて楽しい。

 そもそも、ロジックは、上で見せた6ページの内容さえ認めれば、他のことは知らなくても、まず困らないんだ。

「それなのに、太郎さんは、ロジックの説明をしようとしているの?」

 それはね、ロジックには、それ独特の胸のすくような鮮やかな証明や、年代と共に進歩してきたということを、実感できることがあって、決して奥の浅い学問ではないんだ。

 それともうひとつ、どんな学問でも、若いときにちょっとかじっておくことが、重要だからなんだ。

「どういうこと?」

 日本で最初にフィールズ賞を受けた、小平邦彦という人がいるんだけど、その人が年取ってから、数学基礎論つまりロジックに興味を持ったんだって。そして、勉強したことについて、こう語っている。

ゲーデル不完全性定理までは、なんとか分かった。でも、コーエンのフォーシングは、きちんとノート取りながら読んでいったけど、結局分からなかった。やっぱり若いときに身につけておくということが、重要だとつくづく感じました』

とね。

 煩わしいかも知れないけど、ロジックもちょっとずつ勉強していこう。

結弦「ロジックを、勉強していって、最初に感動する定理は、何かなあ?」

 うーん。些細なことかも知れないけど、トートロジーという概念を用いて、命題が正しいと言うことが、定義できたときかな。

若菜「お父さん。『ガール』の本、作ってましたけど、友達に配ったりしてたんですか?」

 少しは、配ったけど、あんまり評判良くなかったんだ。

結弦「女の子がでてくるから?」

 それ以前に、私が、コンパクトにまとめすぎたから、分からない、と言われた。

結弦「分からないのは、僕たちだけじゃないんだ」

若菜「京大理学部の人でも、分からないのなら、安心しました」

「さあ、今日は、これで、お開きにしましょ。疲れたわね」

結弦「じゃあ、次回は、ガロア理論

若菜「楽しみね」

 じゃあ、解散。



「太郎さん。論理学の進め方で、結構困ってるんでしょ」

 良く分かったね。

「なかなか、『現代論理学』の本文を、始めないもの」

 実は、ロジックは、小学校でも中学でも高校でも教えない。大学では授業があるが、私のロジックは、ほぼすべて独学だ。

 だから、どこから切り込んでいったら良いのか、躊躇している。

「それで、自分でまとめた『ガール』の本を、持ち出したの」

 数学で必要なロジックと集合論の公理は、50ページにも満たない NKsummary.PDF と、 BGsummary.PDF にまとめられるほど、わずかなものだ。

 これを使って、華麗な数学を展開していくのが、数学の一番の醍醐味だ。

 ロジックに足を取られて、本来の数学ができなかったら、泣くに泣けない。

「どうすれば、そんなことが、避けられるかしら?」

 そのための救済策として、ガロア理論を並行して進めている。

「太郎さんも、色々考えてるのね」


「ドラマ『いつかこの雨がやむ日まで』は、第5回まで進んだわね」

 私の言ったとおり、第5回から改めて始まった部分もあるね。

「和ちゃんと、仲良くなったこと?」

 ファースト・キス、受け取れなかったな。

「太郎さんもいってたけど、太郎さんとのキスは、ファースト・キスよ」

 麻友さんが、女優になる以上、私におかまいなく、俳優さんとキスできなければならない。それは、分かってるよ。

「来週を、楽しみにしていてね」

 もちろん。おやすみ。

「おやすみ」

 現在2018年9月9日5時00分である。おしまい。