女の人のところへ来たドラえもん

21歳の女の人と43歳の男の人が意気投合し、社会の矛盾に科学的に挑戦していく過程です。                    ブログの先頭に戻るには、表題のロゴをクリックして下さい。                                   数式の変形。必ずひと言、添えてよ。それを守ってくれたら、今後も数学に付き合ってあげる。

約束だった数学(その4)

 現在2022年9月2日16時46分である。(この投稿は、ほぼ3951文字)

麻友「2つの分数が、等しいということ、特に、2つの座標が、等しいということを、定義したかったのよね」

若菜「

♪ 手を伸ばして、初めて、

♪ そこに、実のなる果実~

(AKB48の『スカート、ひらり』という歌の歌詞)

もぎ取っちゃいますよ。果実。2つの分数、

{\displaystyle \frac{16}{48}}

と、

{\displaystyle \frac{4}{12}}

が、等しいのは、

{\displaystyle 16 \times 12=192=4 \times 48}

だから。

 逆に、これが、等しくないと、

{\displaystyle \frac{16}{46}}

と、

{\displaystyle \frac{4}{12}}

は、

{\displaystyle 16 \times 12 =192}

{\displaystyle 4 \times 46 =184}

となり、

{\displaystyle 16 \times 12 \neq 4 \times 46}

一致しない」

結弦「お姉ちゃん。独占しすぎ」

私「結局、今回は、{(a,b)} という座標と、{(c,d)} という座標があるとき、

{(a,b)}{(c,d)} {\stackrel{\mathrm{def}}{\Longleftrightarrow}} {ad=cb}

と、~(チルダー)という記号を定義して、このチルダーで、結ばれる座標を、同値だ、つまり、同じだと、見なすということだな」

若菜「そこなんですけど、同じって、言っちゃって、良いんですか? なんか、うんと遠いところに、{ad=cb} では結べるんだけど、違う分数が、混じっちゃってるとか、そういう可能性って、ないんですか?」

私「当然の疑問だな。気持ち悪いよな。私も、大学に入って、この同値類では、随分悩まされた」

麻友「太郎さんは、どうしたの?」

私「もの凄く、抵抗した。絵を描いたり、いっぱい計算したり、色々やった。でも、最終的には、段々慣れて、当たり前になって、解決した」

結弦「だから、お父さん、昨日、『罠に落ちなかったかな?』とか言ってたのか」

私「大学1回生の、躓きの石の1つ、なんだ」

若菜「じゃあ、具体例を、やってみましょう。と、思ったんですけど、私達、分数の足し算も引き算も、掛け算も割り算も、定義していません」

私「分数の足し算と掛け算、どっちが、易しい?」

若菜「断然、掛け算ですよね。分数の足し算は、最小公倍数だの、通分したりだのと、うるさいですからね」

私「じゃあ、先に、掛け算やろう」


結弦「同値類を、使う。多分、ここで、大括弧、{[,]} の新しいバージョンが、必要になるんだと思うな」

私「結弦。鋭い。具体的な計算を、やる場合、どうしても代表を取って、計算することになる。だから、これが代表だと、表せなければ、ならない」

麻友「私の、{[(5,7)]} は、はねられた」

私「単に、同値の基準が、変わったよと、{[(5,7)]_{\sim}} というように、右下に、チルダーを付けて、書けばいいんだ」

麻友「えっ、それだけ? 私のあのときの、屈辱は・・・」

私「長生きって、してみるもんだろ。『あのときの失敗は、ただ、それだけだったのか。全然、自分が悪いわけでは、なかったんだ』、人生では、そんなこと、いくらでも、あるぞ」

麻友「私も、28歳。段々、分かってきた。だから、やっぱり、子供は、自殺しちゃ駄目ね」

私「おお、麻友さんが、ひとつ悟りを開いたぞ」

麻友「真面目に、言ってるのよ!」

私「分かってる」


結弦「一応、定義しておこう」


 定義 同値類の代表の表し方

 ~で、表される、同値類の代表は、{[(a,b)]_{\sim}} などと、表す。

 定義 終わり


結弦「そうすると、例えば、{\displaystyle \frac{5}{7} \times \frac{16}{48} = \frac{80}{336}} だから、掛け算は、{xー}座標同士、{yー}座標同士、掛け合わせたものが、代表になっている分数へ、行くとしたら良いんじゃない?」

麻友「悟りを開いている間に、現実の世界に、進展があった」


若菜「結弦の言っていることは、

{\displaystyle [(5,7)]_{\sim} \times [(16,48)]_{\sim} =[(80,336)]_{\sim}}

ということですね。でも、合ってるのかしら?」

私「疑うなら、約分してごらん」

若菜「ああ、これは、普通の分数だったんだ。

{\displaystyle \frac{5}{7} \times \frac{16}{48} = \frac{5}{7} \times \frac{1}{3} = \frac{5}{21}}

で、{\displaystyle 80} 割る、{5} は、{16} だから、{21 \times 16 =} ・・・計算機使わせて、{21 \times 16 =336} だから、計算合ってる。

{\displaystyle \frac{5}{7} \times \frac{16}{48} =\frac{80}{336}}

私「こういうように、小さいとき、最初に分数を教わったときは、もの凄く、難しいものだった。でも、2回目、3回目となると、易しくて眠くなるほどに、機械的なものになる。勉強は、若いときにしておくものだ。そうは、言うものの、新しく勉強するものの、新鮮さというものも、捨てがたい」


若菜「定義します」

 定義 有理数の掛け算の定義

{\displaystyle [(a,b)]_{\sim} \times [(c,d)]_{\sim}}

を、

{ [(ac,bd)]_{\sim}}

と、定義する。

 定義 終わり


麻友「これで、有理数の定義、それから、有理数の掛け算の定義まで、したのね」

私「それじゃ、割り算は、まだだけど、『AKB48中学数学』進めてみよう」




麻友「この栞」

私「そう。妹のご主人様が、中国から買ってきてくれた、木の栞だよ」

若菜「今でも、大切に、使ってるんですね」

私「半年くらい前に、ブルバキの位相に挟んだまま、どこへ行ったか、行方不明になっていた。最近、ブルバキを開く機会があって、『なんだここにあったのか』と、写真に撮ってみた」

結弦「本来、僕達の本当のお父さんだからな」

若菜「今、一番稼いでる人ですよね」

私「4年後、どうなるんだろう」


麻友「この(1)の問題、本来、私達の掛け算は、どうするのかしら?」

若菜「{(+6) \times (+3)} ですか。お父さんの定義は、独特で、


 定義 39  自然数の乗法 (定義35,37改)

{A=1+1+1+1+1+1,B=1+1+1} とするとき、{A \times B} を次のように定義する。


{~~~~~~B~~~=~~~~~~~~~~~1~~~~~~~~~~~~~+~~~~~~~~~~~~~1~~~~~~~~~~~~~~~+~~~~~~~~~~~~~~1}

{~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~\downarrow ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~\downarrow ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~\downarrow}

{A \times B=}
{(1+1+1+1+1+1)+(1+1+1+1+1+1)+(1+1+1+1+1+1)}

 つまり、{6 \times 3} で、{6} が、{3} 個だから、{B} の3つの {1} を、{A}{1+1+1+1+1+1} で、置き換えたんだ。

 代入したと言ってもよい。

 定義 39 終わり


ですけど、結局、{18} が、答えで、正しいですよね」

麻友「でも、いつも、こういう第一原理に戻って、考えてはいられないわね」

若菜「もちろんですよ」

麻友「次回は、もうちょっと、変化を付けて欲しいわね」

私「考えてみる。おやすみ」

若菜・結弦「おやすみなさーい」

麻友「おやすみ」

 現在2022年9月2日21時58分である。おしまい。