現在2023年1月22日20時36分である。(この投稿は、ほぼ4361文字)
映画
麻友「綾瀬はるかさんの映画『僕の彼女はサイボーグ』。観返したの?」
私「いや、本当は、『2人で、尾根道を、歩こう』という題にしようかと、思ったんだ。だけど、今日、もう20時45分なので、寝るまでに、全部書けるかどうか分からないので、尾根道の話は、先に延ばすことにするかも知れない」
若菜「その映画を、観てなきゃ、分からない?」
私「そんなことは、ないよ」
結弦「お父さんは、説明が、長いからなあ。『最初に種明かしします』やってよ」
私「よし。今日書くことは、十分論証するけど、私をどうしても疑うなら、自分で証明するなり、反証するなり、して欲しい」
麻友「それで、結論は?」
結論
私「未解決な数学の問題で、解くことが、特に求められている問題は、現在、もうない」
若菜「もうない。なんて、言い切っちゃって、いいの?」
論証
私「どうやって私が、この結論にたどり着いたか、論証してみる。私は、数学が好きである。だが物理学者を、目指していた。理由は、物理学を発展させ、完全に物理法則を明らかにすれば、どんな難病も、治せるようになるだろう。と、期待していたからだ」
麻友「それは、前にも聞いたことある。太郎さんが、理学部へ行った理由よね」
私「大学へ入って、すぐには気付かなかったが、1年ほど経って、日本語の訳本だけ読んでいると、物理学の先端のところが、分からないことに気付いた。例を挙げるなら、ブラックホールが、ブラックでないという、もう死んでしまったが、ホーキングの『ホーキング効果』を、きちんと書いてある本は、日本語で、1冊もない。シュッツの本だけが、お話程度に扱っているだけだ。
シュッツ『相対論入門』(丸善)
本来、ホーキング効果を、丁寧に学べる、
Birrell & Davies 『曲がった空間の量子場』(ケンブリッジ)
が、訳されてしかるべきである」
結弦「じゃあ、訳しましょう。ということ?」
私「そういう話ではない。もっと、訳されて当然の本として、私は、グライナーの理論物理学シリーズも、数えていた」
若菜「お父さん、30年近く前には、グライナーを、訳そうとしている。『量子力学概論』『熱力学・統計力学』だけでは駄目だって」
私「実は、私は、数学でも、同じような現象を、見ていた。捌けた人の言うのに耳を貸せば、恐らく、『それは、競争相手を減らすために、研究者達が、手を抜いているだけだよ』という答えが、返ってくるのかも知れない。だが、私のいた2つの研究室のどちらでも、先生も学生も、熱心で、そんな雰囲気ではなかった。また、訳本ではなく、自分が最先端へ誘う本を書こうという研究者の勢いが、日本で鈍っていると、感じていた。だから、洋書を読まなければならなくなっていると」
文庫
私「ここまでは、30年近く前の、学生時代のことである。ここで、現在に、戻ってくる。数学が好きな、私は、よせば良いのに、ブルバキが、読みたいなどと思い立ち、日本語訳が、絶版になっているというので、アマゾンで、フランス語の原書を、手に入れた。何冊も、購入していくうちに、おかしなことに、気付いた。ハードカバー、ペーパーバック、Kindle、の他に、文庫というのが、あるのだ。しかも、ペーパーバックの2倍以上(1冊1万5千円くらい)の値段が付いている。例えば、
15,256円などである。ペーパーバックは、
7,328円くらいなのに」
私「文芸書で、文庫と言ったら、単行本が十分売れたから、軽く値段も安い、文庫になるというのが、通常だろう。この理学書の洋書の文庫とは、何なのだ?」
私「私にも、物理学や数学は、もう終わっているのではないか? だから、もう新しく研究者を養う必要がない。それで、手を抜き始めているのではないか? と、思えだした。ブルバキの文庫は、もう十分洗練されたものから順に、決定版を売り始めているのではないか。愛蔵版だから高いというわけだ」
私「これは、調べる必要があった。先ほど挙げた、非常に質の良いグライナーの理論物理学シリーズの最終巻
グライナー/ミュラー『弱い相互作用のゲージ理論』(シュプリンガー)
は、日本語訳されてもいないし、
グライナー/ミュラー『弱い相互作用のゲージ理論』(シュプリンガー)文庫
と、これも文庫になっている。もう、全部分かっているんだ。新しい物理学はないんだ。そう感じた」
現在2023年1月23日12時26分である。
私「昨晩は、書き切れなかった。続きを書く」
サイボーグ
麻友「太郎さんは、その結論から、何を引き出したの?」
私「今日の題の『僕の彼女はサイボーグ』という映画の、一番言いたいことは、『人間はロボットだ』ということだ。私は、メイキングビデオまで観たので、知っているのだが、解説者が、『ここで、見えかかっているんだよなあ』と、言っているのは、古いロボットを競売にかけているところで、エルビス・プレスリーのロボットが、競売にかけられるところだ。『あのプレスリーも、ロボットだったの? じゃあ、私も、ロボットだってこと?」と、観客に気付かせる、映画だったのだ」
麻友「その解釈が正しいのかどうか、すぐにはわからない。でもそれで、太郎さん、今後どうするつもり?」
私「物理法則は、ほぼ解明されている。だがまだ地球のそばでも、謎があるのだと思い、物理学と数学の研究をしてきた。だから今まで、私の科学は、ずっと登り坂だった。新型コロナウイルスも、倒さなければならないと」
新型コロナウイルス
麻友「新型コロナウイルスも、物理法則が完全に分かったから、倒せるの?」
私「人間は、ロボットなんだろう。だとしたら、人間に感染する新型コロナウイルスは、なんだい?」
麻友「ロボットということは、コンピューターで、動いているのよね。コンピューターに、感染するウイルスは、・・・コンピューターウイルス。えっ!?」
若菜「特待生が、そんな答えをするんですか?」
麻友「でも、前にも、太郎さん、新型コロナウイルスは、コンピューターウイルスだって、言ってた」
結弦「そうなんだろうな。物理学が、解明しきれば、この宇宙と、言っていいかまでは、分からないが、少なくとも、太陽系で起こることくらいは、全部分かるんだろうな。そして、人間は、実は、精密なロボットなんだろうな。部品の種類が、鉄とか、銅とかだけでなく、炭素の化合物とか、水とか、乳酸菌みたいに、何千種類も、あるにせよ、プログラムで、動いているんだ。お母さんだって、もう7年8カ月も、つき合っていると、会話してて、次にお父さんがなんて言うかくらい、ある程度、予測できるでしょ」
若菜「映画『僕の彼女はサイボーグ』って、アイドルサイボーグとか、シージーとか言われてた、お母さんが、演じたら、もっと、意味が、伝わったかも知れないですね」
尾根道
麻友「『未解決な数学の問題で、解くことが、特に求められている問題は、現在、もうない』と、言ってたけど、『特に求められている』というのは、どういうことなのかしら?」
私「新型コロナウイルス倒すために、この問題解かなきゃ、みたいなものは、もうないと言うこと。ただ、面白い問題を見つけて、解いて発表する分には、自由だ。まったく問題がないことは、ないだろうという意味だよ」
麻友「つまり、数学で成果を挙げたかった、太郎さんは、今まで登り坂だったけど、尾根にたどり着いて、のんびり私と、アップダウンに苦しまず、歩こうと言ってるのね」
私「そう。ただ、気がかりなのは、死んだ人を生き返らせる技術が、本当に完成しているという実験は、まだしていないという事実」
若菜「科学では、言いっ放しは、許されないのですね」
結弦「誰を、生き返らせたい? 最初に?」
私「これは、もう決まっているんだ」
麻友「あっ、そうだった。北上田敦(きたうえだ あつし)さんだったわね」
結弦「お父さんの身辺で、若くして亡くなった人は、いないものね」
若菜「もし、私か結弦が、死んでたら、私達だったでしょうけど」
私「それは、当然だな。それから、麻友さんが、死んだりしてたら、当然優先順位、1番だからな」
麻友「ありがとう。どうやったら、人を生き返らせられるか、科学の世界のアルプスの尾根を歩きながら、眺めてみたいわ」
麻友「あーっ、でも、太郎さんの数学の話も、いいけど、私の話にも、つき合ってよ」
私「今まで、麻友さんの側から、発信が少なかったから、つき合えなかったんだよ。もちろん、話相手になるよ。そう言えば、語彙を増やしたいという問いかけに、『電子辞書を引くこと』と、アドヴァイスしたけど、今年29歳、来年30歳だけど、博識に近付いてる?」
麻友「あれ、24歳のときだった。清水の舞台から飛び降りる思いで、5万円もの電子辞書買ったのよ。最初は、辞書なんて持ち歩くの恥ずかしかったんだけど、いつも引いているうちに、気にならなくなった。そして、もうすぐ5年目に入るのよね。『30歳になるまえに、かなりの博識になるよ』という太郎さんの言葉、本当だった」
私「追加の辞書が、CDーROM じゃなくなっちゃって、私の仏和・和仏辞典、入れてあげられなくなっちゃったけど、そこは、許して」
若菜「物理学は、終わった。数学も終わった。寂しくないですか?」
私「まだ、暫定的な判断だから。きちんと、確認するまで、Go. とは、ならない」
結弦「お父さんにとって、終わりは、緩やかに訪れるんだね。じゃあ、お母さんと僕達との、尾根からの景観、楽しみにしてるよ」
麻友「これで、投稿したら? 書き過ぎは良くないわ」
私「じゃあ、これで、解散」
現在2023年1月23日21時59分である。おしまい。