女の人のところへ来たドラえもん

21歳の女の人と43歳の男の人が意気投合し、社会の矛盾に科学的に挑戦していく過程です。                    ブログの先頭に戻るには、表題のロゴをクリックして下さい。                                   数式の変形。必ずひと言、添えてよ。それを守ってくれたら、今後も数学に付き合ってあげる。

超実数そして実数(その21)

 現在2023年7月7日21時04分である。(この投稿は、ほぼ2937文字)

 今年の4月に、以下の投稿を、書きかけていたが、証明を完成させるのが遅れ、投稿しそびれていた。本来、真理のカメさんが、存在することを、証明するつもりだったが、ひとまず証明の流れを見てもらい、完全な証明を与えるのは、後に日を改めて、行うことにして、投稿することにした。



 現在2023年4月16日20時11分である。

麻友「昨日遊んだから、真面目に始めるかな?」

私「そうしようか。自由超フィルター({\mathrm{\omegaーincomplete}} な超フィルター)の存在の部分を、書こうか」


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 自由超フィルター

 1.1.11 定義

 {I} を無限集合,{\mathscr{F}}{I} 上の超フィルターとする.{\mathscr{F}} に属する可算個の元 {A_0,A_1,\cdots} で、{\displaystyle \bigcap_{n \in \mathbb{N}} A_n \notin \mathscr{F}} なるものが存在するとき、{\mathscr{F}} を自由超フィルター(free ultrafilter)と言う.

 注意

 これは慣用と著しく異なる用法である.普通,この条件をみたす超フィルターは,{\omegaー\mathrm{incomplete}}(訳せば可算級非完備)と呼ばれ,《自由》は《非単項》と同義である.我々が使うのはもっぱらこの種の超フィルターであるのに,この名称は長すぎるし,否定辞を含んでいるのも,気に入らない.それに,非単項で自由でない超フィルターは存在するかどうか分っていない.(ここに、脚注がある)こういう理由であえて慣用を破った.ほかの本や論文を見るときは注意を要する.

 脚注

 これはいわゆる可測基数の存在問題である.もしゲーデル{V=L} を仮定すれば可測基数は存在しない.



 1.1.12 命題

 無限集合 {I} 上の超フィルター {\mathscr{F}} に関するつぎの三条件は同値である.

a){\mathscr{F}} は自由({\omegaー\mathrm{incomplete}} な)超フィルターである.

b){\mathscr{F}} に属する可算個の元 {J_0,J_1,\cdots} で,{\displaystyle J_n \supset J_{n+1},\bigcap_{n \in \mathbb{N}}J_n=\emptyset} なるものが存在する.

c){I} の可算個の類への分割 {\{I_n;n \in \mathbb{N}\}}で、どの {I_n}{\mathscr{F}} に属さないものが存在する.

 証明


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              『超積と超準解析』(12ページから13ページ)


私「眠くなっちゃったから、続きは、明日ね。解散」

 現在2023年4月16日21時52分である。中断。



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 1.1.13 命題

 自由({\omegaー\mathrm{incomplete}} な)超フィルターは単項でない.とくに {I} が、可算集合なら、逆も成立つ.


 証明


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 (以上、『超積と超準解析』の13ページの一部)



 この命題から、次の定理が得られ、『真理のカメさんが、存在する』というか、『真理のカメさんが、作れる』ということが、分かるのである。


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 1.1.14 定理

 無限集合 {I} の任意の無限部分集合を含む自由({\omegaー\mathrm{incomplete}} な)超フィルターが存在する.とくに,{I} 上に自由({\omegaー\mathrm{incomplete}} な)超フィルターが存在する.


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  (以上、『超積と超準解析』の13ページから14ページの一部)



 真理のカメさんの作り方

 ちょっと出だしだけ、見せておこう。

 まず、真理のカメさんの場合、{I=\mathbb{N}} であり、自然数全体の集合は、可算集合だから、 1.1.13 命題 で、言っている、逆が成り立ち、非単項なら、{\omegaー\mathrm{incomplete}} な超フィルターである。真理のカメさんの条件 e)により、{I} 上の {\mathscr{F}} は、有限集合を含まないから、非単項であり、よって今、{\mathscr{F}} は、{\omegaー\mathrm{incomplete}} であることが、確かめられた。そして、 1.1.14 定理 より、{\mathbb{N}} 上に、{\omegaー\mathrm{incomplete}} な超フィルターが存在するのである。

 ところで、気になっているのが、超実数、

{y=(1,0,1,0,\cdots )}

みたいなのと、

{z=(1,1,1,1,\cdots )}

とを、同じにしていいか? もう少し言うと、これらの数列で、一致しているところの番号、

{A=\{0,2,4,6,8,10,12,\cdots \}}

を、カメさんが見て、ああこれは、持ってるなと分かった場合は、いいのだが、(つまり、それまでに、『持ってる』と、答えたことを覚えている場合)、一方まだ、未体験のものだった場合、持っていると、答えるか、持っていないと、答えるか、判断しなければ、ならない。これは、今までに答えたことと、矛盾しないように答える必要がある。だけど、1通りには、決まらないことがある。だから、真理のカメさんは、目に見える形には、構成できないのである。


私「今日は、ここまでにする。定理の証明は、後できちんとする。まず、可算級善良超フィルターというものの使い方に、触れて欲しかった。それでは、解散」

 現在2023年7月7日22時40分である。おしまい。