女の人のところへ来たドラえもん

21歳の女の人と43歳の男の人が意気投合し、社会の矛盾に科学的に挑戦していく過程です。                    ブログの先頭に戻るには、表題のロゴをクリックして下さい。                                   数式の変形。必ずひと言、添えてよ。それを守ってくれたら、今後も数学に付き合ってあげる。

家庭教師やる人が、あんちょこ?

 現在2023年10月4日19時51分である。(この投稿は、ほぼ2794文字)

麻友「これは、どういう話?」

私「鎌倉のとらいむにいたところから、逗子のトントン工房へ行くことになったのは、英語の本を訳すという話と、家庭教師をやらないか、という誘いがあったからだ。本を訳す方は、他の人の賛同が得られず、消えたが、後に富岡さんが現れ、私が訳したかった、『ホーキングエリス』は、本当に日本語訳が、完成した。私が、愛読書というくらいなら、通して読んであるくらいの準備がしてあれば、良かったのに、実は第2章しか読んでなかったために、手に負えない仕事となってしまい、私は、訳者から、降りなければならなかったが、一応、訳本が完成したのは、喜ばしい」

若菜「そうでしたね」

私「さて、もう一方の家庭教師の方は、他の人たちの話を、聞いていると、教えるご子息や、令嬢の使っている教科書に合った、いわゆるあんちょこ、つまり教科書ガイドを、買っていただいて、それで教えるなどと、言っている。私には、信じられなかった。そういえば、私が、小学校3年生のとき、あまり成績の良くない、国語の教科書のあんちょこを、父が買ってきて、私に与えたことがあった。『明日の授業はこの辺だな』と、あんちょこで、見てみると、あの女の子が、男の子と入れ替わって、砂の団子を、ぶつけ合う話で、『この女の子は、どういう女の子と言ったら良いでしょう?』と、先生が聞くから、『勝ち気な女の子です』と答えると、先生に褒められます。みたいに、書いてある。『ふーん』と思って、翌日の国語の授業に出ると、先生が本当に、「この女の子は、どういう子でしょうね」と、言う。そのまま、『勝ち気』と答えると、あんちょこを見たのが、バレバレなので、『強気な女の子』と、答えてみる。かなり良い線いってるけど、先生としては、『勝ち気な女の子』と、言って欲しいのが、バレバレ」

結弦「教科書ガイドって、そんなに、ピンポイントで、書いてあるの?」

私「使い様によって、もの凄い武器にはなる。でも、余りにも授業が、面白くなくなるので、以後はあんちょこは、使ってない。使う必要なかったからね」

麻友「その分、塾の方に、お金をかけたんでしょう」


若菜「それで、家庭教師が、あんちょこ使ってて、どうするという話が、なんで、ここで出てくるの?」

私「山下真由子さんは、天才だと、形容されている。実際、微分幾何学や、数理物理学で、論文を、書いているほどだ。でも、私は、山下真由子さんの講演も、言いたいことは分かったなどと、すましている。『太郎さん、本当に分かるの?』と、聞きたいだろう」

麻友「太郎さん。どの程度、分かってるの?」

私「大学に入学し、知りたかった一般相対性理論を、勉強し始めた。いつも言っている様に、2回生の後期になるまで、一般相対性理論の理解はできない。だが、それまでにも、素粒子物理学に、興味を持った。正確な日付は分からないが、図書館で見て、良さそうな、『ゲージ理論入門 {\mathrm{I・II}}』の、第2版が、2回生の7月頃、出版されたのを買ってきて読み始めた」

若菜「素粒子物理学って、量子力学いるんじゃないですか?」

私「そう。そこに、あんちょこの話をしたのが、関わってくる。実は、これは本当の話なのだが、私の今の、量子力学の理解は、グライナーの『量子力学概論』の第3章までくらいである。だが、一方山下真由子さんのやっている、微分幾何学を使った、数理物理学というのは、量子力学観測問題とか発散の困難とかは、置いておいて、微分幾何学を用いた、ゲージ理論の話なのだ」

若菜「お父さん、2回生で、読んでる」

結弦「でも、読み始めたってだけだろ」

私「もちろんそうだ。2回生のときは、共変微分の定義も分からず、敗退した。だが、その刹那、『ゲージ理論というものは、数学で、ファイバーバンドルと呼ばれるものと、同じらしいよ』というメッセージを受け取った。やがて、取り敢えず一般相対性理論を、なんとかして、2回生の終わりに、『細胞の分子生物学(第2版)』の第1部を、読み、次の本を見つける」

若菜「今度は、入門じゃない」

私「この本は、証明がほとんど全くされていないので、3回生になって、上野さんのゼミで、困っているのもあったけど、一気に通読した」

麻友「えっ、読んだ?」

結弦「最後まで?」

私「数式を絵の様に、鑑賞しながら、読んだ。私は、量子力学分かってないけど、ゲージ理論の古典論は、分かる」

麻友「そうすると、是が非でも、量子力学を、分かりたい。でも、もう30年も、経ってしまった。どうしてなの?」

私「あんちょこを、使いたくなかったからだよ」

若菜「あんちょこって、これ?」

結弦「どうして、これが、あんちょこなの?」

私「 第1版へのまえがき のところ、10行ぐらい読んでごらん」

結弦「『ただし,この本を書くにあたっても,私はやはり“よくできる読者”を予想しなかった.』えー、これが書いてあるために、天才を、自負するお父さんは、持っているのに、今まで、読まなかったの?」

若菜「つまり、これが、お父さんの、やり方なんですね。『30年経ったから、最後のカードを切ろう』みたいに」

麻友「思い出した。アーベルを天才たらしめた最大の理由は、パリへ来て、自分が温めていた、楕円関数のアイディアを、ヤコビが発表し始めているのに気付いて、『私は、もうここまで分かっているんだよ』と、『パリ論文』と呼ばれる論文などを、どんどん発表し始め、あのガウスまでが、『私がやろうとしていたことの3分の1は、もう片付いた』と言ったほどだったことなのよね」

私「私の場合、論文として発表できるものは、残念ながら、ないけどね」


若菜「ニュースとか、見ていて、『あっ、私のアイディア使える』みたいなの、ないんですか?」

私「この間、チョロッと書いた、『放射能半減期は、変えられないというのは、思い込みなんじゃないか?』というのは、使えるかもなあ。1940年代の物理学と、2020年代の物理学で、変えられるものも増えているんじゃないか? 昨日ノーベル物理学賞を受賞した、アト秒(現在の9桁の時間の定義を、18桁の定義に進歩させられる成果)の科学では、クォークモデルのままで、良いのか? ってね」

麻友「放射能を制御できる。夢の有る話ね。今晩は、ここまでにしたら?」

私「じゃあ、解散」

 現在2023年10月4日22時27分である。おしまい。