現在2024年1月6日12時06分である。(この投稿は、ほぼ1028文字)
麻友「昨日の、『可算ツォルンの補題』の証明の最後を飾った、命題の話を、してくれるのね」
私「閃いたばかりで、薄氷を踏むような思いで、キーを打っていた」
若菜「正しいことは確信していたけど、証明が完全ではなかったのですね」
私「命題を、整理しよう。まず、 に最大元があれば、それが、境界の点だ。一方、 に最大元がなくとも、 の上界、 に、最小限、即ち、最小上界(least upper bound)が、あれば、それが、境界の点になる。困るのは、 に、最大元がなく、最小上界もない場合。つまり、 みたいに、完備でない集合が、 だった場合だ」
結弦「確かに、追い詰めているよなあ」
私「ここからでも、遠い。私達は、 が、何種類有り得るかを、数えたい。そのために、境界の点の個数で、数えようとして、失敗した」
若菜「失敗なんですか?」
私「この方法では、ダメだったんだと思う」
若菜「がっかり」
私「方法を変えよう。もし、 が、可算種類より多く存在したとしよう。背理法だ。そうすると、それぞれの、連続無限種類の、 から、ユニークにひとつずつ、点を選んでくることができて、背理法の仮定から、その点の個数は、可算無限個でなく、連続無限個あることになる。ところで、その点のひとつひとつは、可算集合の の元だ。だから、連続無限個あるはずだという仮定に反する。よって、可算集合でないと仮定したら、矛盾したので、 は、可算種類より多くはなく、可算種類しかない」
麻友「時計見て! 2024年1月6日12時51分」
若菜「何時頃から、こうなることに、気付いていたのですか?」
私「ほんの10分くらい前だよ」
結弦「じゃあ、僕達、この命題の再発見の場に、居合わせたんだね」
私「もちろん」
麻友「このまま、投稿したら?」
私「じゃ、解散」
現在2024年1月6日12時57分である。おしまい。