女の人のところへ来たドラえもん

21歳の女の人と43歳の男の人が意気投合し、社会の矛盾に科学的に挑戦していく過程です。                    ブログの先頭に戻るには、表題のロゴをクリックして下さい。                                   数式の変形。必ずひと言、添えてよ。それを守ってくれたら、今後も数学に付き合ってあげる。

倒せツォルンの補題(その16)

 現在2024年1月6日12時06分である。(この投稿は、ほぼ1028文字)

麻友「昨日の、『可算ツォルンの補題』の証明の最後を飾った、命題の話を、してくれるのね」

私「閃いたばかりで、薄氷を踏むような思いで、キーを打っていた」

若菜「正しいことは確信していたけど、証明が完全ではなかったのですね」

私「命題を、整理しよう。まず、{C} に最大元があれば、それが、境界の点だ。一方、{C} に最大元がなくとも、{C} の上界、{\mathrm{u.b.}(C)} に、最小限、即ち、最小上界(least upper bound)が、あれば、それが、境界の点になる。困るのは、{C} に、最大元がなく、最小上界もない場合。つまり、{\mathbb{Q}} みたいに、完備でない集合が、{a} だった場合だ」

結弦「確かに、追い詰めているよなあ」


私「ここからでも、遠い。私達は、{\mathrm{u.b.}(C)} が、何種類有り得るかを、数えたい。そのために、境界の点の個数で、数えようとして、失敗した」

若菜「失敗なんですか?」

私「この方法では、ダメだったんだと思う」

若菜「がっかり」

私「方法を変えよう。もし、{\mathrm{u.b.}(C)} が、可算種類より多く存在したとしよう。背理法だ。そうすると、それぞれの、連続無限種類の、{\mathrm{u.b.}(C)} から、ユニークにひとつずつ、点を選んでくることができて、背理法の仮定から、その点の個数は、可算無限個でなく、連続無限個あることになる。ところで、その点のひとつひとつは、可算集合{a} の元だ。だから、連続無限個あるはずだという仮定に反する。よって、可算集合でないと仮定したら、矛盾したので、{\mathrm{u.b.}(C)} は、可算種類より多くはなく、可算種類しかない」

麻友「時計見て! 2024年1月6日12時51分」

若菜「何時頃から、こうなることに、気付いていたのですか?」

私「ほんの10分くらい前だよ」

結弦「じゃあ、僕達、この命題の再発見の場に、居合わせたんだね」

私「もちろん」

麻友「このまま、投稿したら?」

私「じゃ、解散」

 現在2024年1月6日12時57分である。おしまい。