女の人のところへ来たドラえもん

21歳の女の人と43歳の男の人が意気投合し、社会の矛盾に科学的に挑戦していく過程です。                    ブログの先頭に戻るには、表題のロゴをクリックして下さい。                                   数式の変形。必ずひと言、添えてよ。それを守ってくれたら、今後も数学に付き合ってあげる。

ここまで来た量子力学

 現在2024年2月18日18時49分である。(この投稿は、ほぼ3386文字)

麻友「久し振りに、量子力学の話題ね」

若菜「お父さんは、2週間前には、図書館に、

を、予約してあって、色々調べていた。そして、それらの本を元に、アマゾンを検索していて、偶然、

という本を、見付けた」


結弦「お父さん、語学の非才を嘆きながら、本の解説を読んでいて、上に並べた量子力学の本の著者のワルター・グライナーが、2016年に死んだことを知った」

私「そうなんだ。量子力学に関して、一連の本を書いてくれていた、グライナーが、死んじゃったんだ。ランダウの場合もそうだったように、誰か1人、一連のシリーズを書こうと、中心になる人がいないと、こういうシリーズは、止まっちゃうんだ。ブルバキも、アンドレ・ヴェイユがいたから、続いたんだ」

麻友「太郎さんは、ランダウの教程を、書き直したいとか、言ってたけど」

私「うん。ただ、何のために、書き直すのか、段々分からなくなってきたんだ」

麻友「それは、後進のためでしょうが」

私「それは、そうなんだけどね。普通、後進の人が来るのは、その先にフロンティアがあって、研究すべき、分かっていないことが、ある場合でしょ。もちろん、現在すべてのことが、分かっていても、その完成品の取扱説明書を、丁寧に書くのは、重要だろうけど、その場合には、非常に分かり易く書かないとね」


若菜「お父さんは、昨日の晩は、さらに、ネットで、『ゲルファントの三つ組み』と、ググって、『量子力学の数学的定式化』という Wikipedia の記事を、読んでいましたね」

私「ゲルファントの三つ組み、という言葉を知ったのは、何年も前で、理化学辞典で、『ブラ』と、引いたときだった。だが、今回、その言葉で引っ掛かってきた、『量子力学の数学的定式化』というのを、丁寧に読んでいった。量子力学で、何が分かっていて、何が分かっていないのか、ある程度まで、分かってきた」

結弦「分かっちゃったの?」

私「1932年に、ジョン・フォン・ノイマンが、

という本を、書いている。量子力学を数学的にまとめるために役立ったが、これにしがみついてきたために、その後の数理物理学は、進歩が遅れたようにも思える」

結弦「結局、どういうことなの?」


私「量子力学で、役に立つ、デルタ関数というものを、どう数学で、扱うかで、揉めに揉めているんだよ。物理学者は、『これでいいんだ』と言うけど、数学者は、『それでは、首尾一貫していない』と認めないというようにね」

麻友「じゃあ、量子力学ができた、1925年から、来年2025年に、100周年になるまで、ずっと、デルタ関数で、揉めてたみたいね」

私「あっ、そうだ。来年で、100年だ。世の中の数学者と物理学者は、来年手をつなごう、という約束で、論争を、繰り広げていたのかもな。こりゃ、見物だ。その手をつないだとき、何で合意したか分かるように、来年までに、数学と量子力学の勉強しておくのって、意味があるよな」

若菜「明らかに間違えているものを、勉強するのは、気が進みませんが」

私「そういう進み方は、良くない。それよりも、『自分なら、こうするけどな』と、進歩させながら、勉強する方が良い」

麻友「太郎さんなら、どうするの?」

私「上の、『量子力学の数学的定式化』というページでは、大前提として、


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本項では相対論的効果を考えない量子力学の数学的定式化(りょうしりきがくのすうがくてきていしきか)を厳密に述べる。

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                 (量子力学の数学的定式化 より)


と、なっている。相対論を考えなかったから、上手く行かなかったのだと言って、私なら、最初から、相対論的量子力学を、考えてみるとかね」

若菜「もうその段階から、新しいことを、考えるのですね」

結弦「なんか、先日、船便で運ばれてきている。とかいってた本も、これに、関係あるんだって?」

私「2月10日に、届いたんだよ。ほらっ」

結弦「わーっ、本物だあ」

若菜「中、覗いてみました?」

私「スペクトル論って、良く分かっていなかったんだけど、さっきのノイマンの仕事が、ヒルベルト空間というものを使ったものだったんだけど、それが上手く行かない場合、それが、固有値と呼ばれるものが、飛び飛びの値でなく、連続的に変化する場合に起きるらしいんだけど、その連続的に変化するものを、スペクトルって、言うらしいんだ。だから、ブルバキも、出来たてのものを、書いていたのかも知れない。258ページに、ノイマンの定理というのもある」

麻友「さすがに、量子力学まで、分からないけど、太郎さんのそばにいると、楽しいわね」

若菜「お父さんから、ズボンと、ベルトを、選んで欲しいと、懇請がありましたけど」

結弦「次に、町に出るのは?」

私「町に出るというほどではないが、明日、月曜日は、通院なんだ。だから、横浜へ行く」

麻友「通院なの? 入院の可能性はない?」

私「今、通院だったことを、思い出したくらいで、精神状態は、落ち着いている。ところで、前から気になっていたんだけど、私、眼鏡かけた方が、良いかな?」

麻友「どういう意味?」

私「いっとき、母が、眼鏡かけた方が、顔がマシになると言って、目医者にも行って、もうちょっとで、処方箋出してもらうところまで、行ったのに、目医者が、斜視になる原因が分からないと、処方箋は書けませんと、言ったので、それっきりになっていた。母も、『もういいや』みたいで、ただ単に、クリスマスに女の子にもてるようにしたかっただけかな? みたいで、終わった。もし、麻友さんが、『眼鏡かけている太郎さんの方が、好き』というなら、眼鏡作れないでは、ないよ。プロの目医者ではないけど、弟が、検眼してくれているからね。眼鏡かけてなかったなんていう理由のために、麻友さんとの仲が、壊れたとしたらガッカリだから、言ってみた」

麻友「太郎さん。障害者手帳に貼る写真のことも考えて、言っているんでしょ。確かに、眼鏡かけている太郎さんの方が、賢そうだけど、私が知っている太郎さんは、証明写真以外は、眼鏡してなかった。ちょっと、分からないな」

結弦「お母さんとしても、即答はできないか」

若菜「それは、もう少し、考えましょう」

私「保留事項のひとつにしておいて」

麻友「分かった」

若菜「量子力学は、来年(2025年)、ひとまずの登場の1925年から、100年経って、数学的にも満足な理論が出来、数学者と物理学者が、合意し、手をつなぐところまで、来ている。結局、何を、揉めていたのかを辿るため、量子力学を勉強するのは、面白い冒険だろうと、お父さんは、言っているけど、1年くらいで、辿れるものなのですか?」

私「1年では、辿れないだろうな。でも、自分で本を選び、ちょっとずつ進んで行くのは、楽しいものだと思う。本がどんどん絶版になっていくのは、困りものだが」

麻友「太郎さんは、やっと量子力学の勉強の仕方が分かったのね。大変な道のりだったわね」

私「じゃ、今日は、解散」

 現在2024年2月18日21時52分である。おしまい。