女の人のところへ来たドラえもん

21歳の女の人と43歳の男の人が意気投合し、社会の矛盾に科学的に挑戦していく過程です。                    ブログの先頭に戻るには、表題のロゴをクリックして下さい。                                   数式の変形。必ずひと言、添えてよ。それを守ってくれたら、今後も数学に付き合ってあげる。

IUT初球

 現在2023年8月7日22時03分である。(この投稿は、ほぼ3976文字)

麻友「初球って、高校野球の話?」

私「最近忙しくて、連続テレビ小説『らんまん』も、観られないほど。高校野球は、観てない」

若菜「IUTって、『宇宙際(うちゅうさい)タイヒミュラー理論(Inter-Universal Teichmüller Theory)』ですよね」

結弦「今まで、初球すら投げてないと言うことは、何もしてなかったの?」

私「一生、楽しめるくらいの問題だ。下調べは、念には念を入れている」

麻友「初球って、何をやったの?」

私「今まで、隠していたんだけど、

mayuandtaro.hatenablog.com

の投稿のとき、

という通俗書が、出ていることを、紹介しただろう」

若菜「そうでしたね。下調べをしていると言うことは、読んだんですか?」

私「本を読むのが遅い私が、そんなに、速く読めるはずがない。実は、隠していたというのは、この投稿になっている、

mayuandtaro.hatenablog.com

今年(2023年)の7月8日に、マックで新聞記事を読んだ日のことだ。新聞を母に届けた後、『あの本、鶴見のCIALのくまざわ書店に、確かに1冊あるんだよな。新聞記事読んで、物見高く、買っちゃった人いるかなあ?』と、考えながら、18時頃CIALへ、向かった。『本がなくなっていたら、今は買うなと、神様が言ってるんだ』と、勝手に想像しながら、くまざわ書店のサイエンスの棚へ行く。新聞記事の後だから、平積みされているか、と思いきや、1冊だけしか書棚になかった。『宇宙と宇宙をつなぐ数学』という題で、abc予想のことが書いてある本だと、分かる人は、一般人には、ほとんどいなかったのだろう。そして、値段は、1760円。なんとか、買ってきた」

若菜「お父さん。懸賞金発表のその日に、もうその本買ってきていたんですね」

結弦「物見高かったのは、お父さんだ」


麻友「それで、下調べというのは?」


 昨晩は、ここまでで眠くなり、眠った。


 今日(2023年8月8日)朝6時半頃から、再開。


私「『宇宙と宇宙をつなぐ』というのには、上にリンクのある『望月新一さんは公理を変えたのだろう』の投稿のとき書いたように、圏が関係している。先日のブルバキ圏論化の本、

では、第1章に、

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 圏論の応用上は,集合全体のなす圏を扱いたいが,集合全体のなす集合は存在しない(『集合と位相』問題1.2.4)ので,素朴にはこのような圏を考えることができない.(中略)そこで,任意の集合に対しそれを元として含む宇宙が存在するという公理を設定することが多い。この本ではこれ以上この問題にたちいらない.(中略)
 {U} を宇宙とする.(中略){U}について言及したくないときは単に集合全体のなす圏と呼び,【集合】で表す.

*******************************
                斎藤毅『数学原論』(東京大学出版会)p.9より
と、ある」

私「望月さんが、圏論を使う上で、この本のように、すべての集合の集まりを【集合】などとしていたら、当然、叩かれるだろう。そういう意味で、圏論の不適切な使用で、批判されている可能性はある。だが、これくらいのことだけで、分からない数学者が多くいるとは、ちょっと考えにくい。

 ほぼ、標準的な数学である、ブルバキの『数学原論』は、圏を導入していないと、思われているが、日本語訳ではそうであるものの、フランス語原書では、『代数10』と、『代数的位相幾何学』で、ホモロジー代数についての記述がある。今では、圏と関手で、躓く人などいないと言って良いのではないか?

 さて、下調べは、こういったところまでだった」


麻友「そして、初球を投げた。つまり、7月8日に買った本を、8月7日に、読み始めたのね?」

私「そうだ。加藤文元(かとう ふみはる)さんの『はじめに』と、望月新一さんの『刊行によせて』を、読んだ」

若菜「でも、1カ月近く、気分が、乗らなかったのですか?」

私「気分が、乗らなかったというより、他のことで、楽しんでいたんだよね」

結弦「そうだよね。『数学基礎概説のエラータ』とか、『フーリエの冒険』とか、やってたんだよね」

私「『数学基礎概説のエラータ』は、川上量生(かわかみ のぶお)さんに、数学の説明をする、さらに、他の知りたいというアマチュアに、数学の説明をする上で、必要なものだった。そのエラータが終わったのだから、IUTに戻ってくるのは、当然だった」

麻友「もうひとつ、原因が、あったわね」

私「私の大切な本のひとつ、

を、2ページほど、スカッとするほど、一所懸命訳して、解析力学では、シンプレクティック幾何学というものが、必要で、そのために四元数(しげんすう)が、役に立つことが、分かったからなんだ」

若菜「四元数だと、どうだと言うんですか?」

私「私達のこの世界が、時空4次元だということの、理由とも取れるじゃないか」

結弦「お父さんの昔の投稿で、

27182818284590452.hatenablog.com

というのも、あったね」

私「量子力学は、複素数でなく、四元数で、記述すべきなのではないかと、以前からのアイディアを、思い出した」


麻友「シンプレクティック幾何学というものを知って、嬉しかったのね。それは、今日というか昨日、知ったの?」

私「正確には、一昨日(8月6日)に、マックで20時頃まで訳していたときだ。私の電子辞書の理化学辞典チップに入っている、理化学英和辞典で、


{\mathrm{symplectic~group}}

〔数学〕斜交群,シンプレクティック群:
 偶数次元の行列で

{\begin{pmatrix}
0 & I\\
- I & 0
\end{pmatrix}
}

の形の行列と可換なものの全体のなす群.四元数上の幾何と関連があり,単純リー群の一系列をなす.


と、出たんだ」

麻友「この世界が、4次元だという理由だというのは、太郎さんの解釈ね」

私「分かった気になる、というのも、ときには重要」


若菜「それで、初球を投げて、どうだったんですか?」

私「2人のまえがきに関し、分からないことは、なかった。この2019年の本の時点で、川上量生さんは、もう現れていて、多分、このabc予想の証明を、もっと知りたかったから、懸賞金を掛けて、誰かに説明してもらおうと、思ったんだろうね」

若菜「分からないこと、なかったんですか?」

私「加藤さんは、『自然な』証明だと書いている。それならば、理解できないことは、ないだろう」

結弦「望月さんは?」

私「ちょっと、校閲しましょう。


7ページの5行目

当時の自分の心境を考えると、まさか十数年後に、加藤氏が一般社会向けに理論を解説するという形の書籍を書き、その巻頭言を依頼される日が来るとは夢にも


◯思っていなかったに違いないのです。

✕思っていなかったに違いありません。


の方が、日本語として正常ですね」

結弦「校閲する、余裕まである」

私「望月さんは、圏という言葉は、使っていない。環という言葉は、出てくる。整数論の問題で、整数は、有理整数環なのだから、当然だ。数論幾何学というのは、私の好きな、アンドレ・ヴェイユの専門分野で、ブルバキの『数学原論』は、これのための計画であったとも言える。
 望月さんの文章を読んでいると、普通、整数は、1,2,3,・・・、と、ポツポツとあって、それらに、数学で近傍と呼ばれる、取り巻き連中はいないのであるが、量子力学の超関数、特に佐藤超関数のような、超局所解析みたいに、1のうんと近くに、それが1だと分からせる、近傍が、存在することを認め、それを使って、計算する。層と言って良いのかどうか、分からないけれども、それをやりたいと言っているように、私には見えた」

若菜「どこまで、事実なのでしょうね」

私「それと、気付いたのは、望月さん自身は、宇宙際タイヒミューラー理論と、書いていたこと。加藤さんは、宇宙際タイヒミュラー理論と、書いていて、命名者のカタカナを守らなくて良いのかな? と思った」

結弦「じゃあ、勉強すべきなのは?」

私「層かなあ?」

麻友「目標が、定まっているなら、勉強を始めて」

私「まず、この本を、読まなければな」

若菜「そうですね。読み易い本かしら?」

私「面白く読めると、助かるんだけどな」

結弦「加藤さんの、文章と、望月さんの文章は、どっちが、読み易い?」

私「加藤さんの文章の方が、読み易いね。多分、今までにもいくつも、本を書いているからだと思う」

麻友「楽しみができたじゃない。今夜は、これで、お開きにしたら?」

私「じゃあ、解散」

 現在2023年8月8日21時15分である。おしまい。